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零番線特急

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零番線特急

5 - 5 さかさまの

♥

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2021年10月08日

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「お降りのお客様はご愁傷様です」

 そのセリフが不気味な余韻(よいん)を残して車内に満ちた。

 先ほどまでげらげら笑っていたはずの金髪すら、眉を寄せてスピーカーのある辺りを睨(にら)みつけている。

 そしておもむろに頭を押さえた。確かにこの声は変に頭に響く。

 やがて電車は小さな駅のホームへと滑りこんだ。

 ホームは中央の改札部分にのみ屋根のある小さな駅のものだった。

 俺達が乗る先頭車両の停車位置には、古びた木製の駅名看板があり、その根元にはカップ酒の空き瓶が無造作(むぞうさ)に転がっていた。

 金髪がぱっと席を立った、そして躊躇(ためら)い無くドアに向かって歩いていく。

 緑色の「開」ボタンを殴るように押して、ドアを開けた。

「え、降りたら……だめなんじゃ」

 ケイが思わずと言っていい様子でそう言うと、金髪は振り返って不敵に笑みを浮かべ

「怖がりぼうやはここで指で**********

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