テラーノベル
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「いや、、、俺、は、…正直、わからへん」
「そうなん?そっか、」
テレビの内容が頭に入ってこないまま、映像が続いていく。
ナオの事は可愛いと思うけど、そういう対象なのかは、よく分からない。
「まぁ俺は、セイトが誰を好きでも応援するからな。…あつーっ!(笑)」
「え、…なん、熱っ!(笑)急に熱いやん…」
重くならないような空気を作ってくれてるんやな、とカイリュウの優しさが染みる。
なんか、酔いが回ってきたんかな。
「なんか、、なんかさ、ほんま、ありがとうな…」
「え、なに?!どした、泣くなよ?!」
「いや泣いてへんよ!でもなんか、やっぱええ奴やな思て…」
「俺はずっとええ奴よ?」
「ずっと友達でおってな…?」
「なんやねん、あつっ。」
照れているのか、顔はテレビを見たまま、背中をポンポンと叩いてくるカイリュウ。
ええ奴やな、ほんま。
「てかお前のせいで知らん間にめっちゃ進んでるやんけ!さっきのとこからもっかい見るで」
リモコンを操作するカイリュウに、ありがとうなと心の中で呟いた。
***
深夜も深夜、お酒がだいぶ回ってきた頃、もうすぐ最終回というところまで見終わった。
「あかん!トイレぇ!」
「ちょ、はよぉ!戻ってきてやぁー」
いい所でカイリュウがトイレに向かう。カイリュウも大分酔っ払っているのか、歩き方がヨロヨロしている。気ぃつけろやぁーと呂律があまり回らないまま伝える。
「…なんか眠なってきたぁ」
「はぁ?ここでぇ???」
カイリュウがトイレから戻ってくると、眠そうに目を擦り、ベッドにダイブした。
「ちょ…一旦、一旦なぁ…?」
「ちょ、待って?絶対寝るやつやん!あかんって、俺1人で見るで?ええの?」
「それはあかん…見るなよぉ、、?」
今にも寝落ちしそうなカイリュウに焦って、ベッドに座ってカイリュウを揺さぶる。
「もう少しやから頑張れってぇーカイリュウー?なぁー!」
「ん〜、、もぉ、ちょ、うるさいねん…」
「お前が見よ言うたんやんけぇ」
「ちょっとだけやからぁ、な…?せいとも、寝よ。なぁ、?」
「ちょ…っ」
揺さぶる手を取られ、グイッと引っ張られてバランスを崩してカイリュウの隣に落ちる。
目の前には、目をつぶったカイリュウの顔。
眠いのか熱いのか酔ってるのかなんなのか、頬っぺが赤くて、なんか、…
「っ…なん、え、カイリュウー、?寝てんの、?」
「…ん〜、おきてるはらぁ、…ほら、おきてるやろぉ、?」
呼びかけると、俺の手を取って、自分の頬っぺに引っ付けた。目を開けて、とろんとした表情で、呂律の回ってない口で、そう言った。
頬っぺに乗せられた手に、カイリュウの唇が少し当たった。…やわらかい。
やばい、おれも、めっちゃよってるんかも。
なんか、……かいりゅう、えろいねんけど。
「、、、なんか、…なんか、…おれやばいかも、」
「…おまぇはぁ、あほやねん」
「何の話やねん…」
「すきにしたらさ、…えぇんよ、…な、?」
そう言って、ふわっと笑うカイリュウは、なんだか見た事ない顔で、俺は今多分可愛いって思っちゃって、俺は今なぜか心臓が高鳴っている。
すきに、したら、いい、?
カイリュウの言葉が頭に響きながら、身体が勝手に動いて、唇にさっきの柔らかさを感じた。
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