もう使い道のない、一人用にしては自棄に大きいダブルベッドの上ですることもなく
散らばった錠剤と共に僕は泥のように眠っていて
死ぬまでのカウントダウンの様に、ただとっくの昔に別れた君の写真を滲ませていた
そんなになるなら、別れなきゃいいのに。
何十回も何百回も何千回も言われた言葉だ
僕らはこうならなきゃいけないのに、
__________________________________________本当に僕は彼を愛していた
何回もデートに行って、
何回も思いを伝えて、
身体を重ね逢って、
贈り物なんかおくっちゃったりなんかして、
それでも、幾らシグマ君が僕を愛そうと僕がシグマ君を愛しても、何も変わらなかった、
結局同性同士で子供のできない僕らは所詮恋人”ごっこ”のままだったから
だから君をこっ酷く、振った。僕なんか嫌いになるよう
君は心を直接抉られた様な顔をして、迷わず出ていったよね
「しぐまくん、、、、あかちゃん、おめでとう、」
綺麗な奥さんと既に家庭を築いている君が嫌で、嫌で、それでよかったと思わせられる
そっか、シグマ君の為だもんね、
僕たちの間には絶対できないもの、赤ちゃん。
それが僕に残酷なほど現実を見せつけた
嗚呼、君の中からぼくがきえるのがこわい、
なんでかなぁ、何が悪かったのかな、
ぼくが女の子じゃなかったこと?ぼくがしぐまくんをすきになったこと?
もう、分かんないよ、
「ねえ、やくそくだよ?
もしぼくらに次があってもぜったい、、、、もう二度と恋なんてしないでよね」
とある青年は愛妻家になり家の間取りを考えて未来予想図を描いては、心から笑っていた。
幸せだ、と
一方青年は独り、恋人が使っていたダブルベッドの上で死んでいた。
夥しい数の薬物と、誰かとの色褪せた写真に囲まれて、彼の人生で一番幸せそうに笑っていた。
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