「何……何処此処、出してよ
ハハ、生憎、つまらないジョークは嫌いなんだよ………フョードル君
茶番劇はやめてさっさと解放しなよ」
ヘラヘラとした無気味な仮面を張り付ける普段の彼とは違い不愉快極まり無いとでも吐き捨てる様にゴーゴリは罠にまんまと掛かり身動きの取れない獲物の眼の前で涎を垂らす獣へと鋭い釘を差した
舐めるようにゴーゴリを見つめるアメジストが何とも薄気味悪い
「ふふ。僕の親友を語るならジョークと宣告の見分けくらい付いて欲しい物ですが…………まぁ、いいでしょう。
此れからは僕の物になるんですから」
何とか余裕を見せようとしているのか引き攣った笑みを浮かべる。
其れがどれだけドストエフスキーにとって滑稽かも知らずに
「ハ!脅しのつもり…、か、い……、?」
勿論、ただの脅迫等ではない。其れを証明する様にドストエフスキーの後ろには巨大なシュレッダーの様な機械があった
流石に怖気着いたのか必死で抵抗するものの、天井から手脚を拘束されている為に意味など無く無慈悲にも畏れていた事態が起こる
ガタン………….、ガコン………………。
ゆっくりと音を立て鈍い刃が噛み合っては闇に飲み込まれる
既にゴーゴリの褄先は闇の向こうへと向けられており後数十秒の命を死に物狂いで乞う
「厭ッ、!許して……、?ごめんなさ、やだ、いやだッッ、!!やめ、」
助けを懇願するゴーゴリに更に鎖を下ろす彼は狂って居るのだろう
ゴトン…………………、ゴトン、
刻一刻と迫る紙切れの様にバラバラになる恐怖に小動物の様に驚くが、悪魔の手は止まらない
遂に靴の先端が鋼鉄に押し潰された。其れから数秒もせずに爪先を鈍く光る刃が貫いた
「ああああああああああああ”ぁ”“、!!!!」
バキッ……ゴキッ……………
小さな点となった瞳孔が見る先は正に自身を殺そうとする悪魔。
憎まれ口でも叩くのだろうかという予想は大きく外れ情け無く命乞いを始めた
「おね……がぃ、しま………、す、な……んでも、…します…から、ゆる、………、してくだひゃぃ、」
だが、虚しい事に当然其の願いは叶わず爪先から足首迄もが粉砕された
ドギッ、………メギッッッ……
爪が割れるだけでも想像を絶する激痛だと言うのに肉を抉られ脂肪が剥き出しになり骨を折られる苦痛は想像は絶する物だろう
その上、長髪の彼にとって機械による人智を遥かに超越した力で毛髪が一気引っ張られ引き抜かれるのはとんでも無い痛みだ。
「いッ、、だずげで…………、…ッ、!?あ”あ”あああぁ、!!!!」
現に彼が浮かべる苦悶に満ちた表情と甘美な鳥の鳴き声にドストエフスキーは恍惚の表情を浮かべて居る
脹脛を喰らい尽くした鋼の鮫が次に切り裂いたのは膝。
鍛えられた成人男性の身体が鈍い音を立て、いとも簡単に破壊されてゆく光景は何と無様な物なのだろうか
「いぎッ、いだぃ、!ゅるじて、、ぁ、」
グチャッ………ブチッ…。
そこそこに鍛えられた筋肉が裂かれ、次は太腿。
徐々に自身へと迫り来る断罪に洟やら涎やら涙やらで顔をぐちゃぐちゃにしたゴーゴリは死を覚悟したが、機械が止まった。
「ぅ、、……いだい!!…………いたい、ぐるじ、……ッ、
ぁ”うう!!!あぁ!!!??」
ギギギ…。ブチ…ブチ………
まだ皮一枚で繋がっていた部分が無理矢理引き上げられ、ブチブチと引き千切られる
涙目で必死に耐えようと眉を顰め喘ぐ彼をどんな気持ちで見ていたのか。そんなもの知る由もない
ほんの数日前迄希望に目を輝かせていたゴーゴリは人生の全てを捨て、絶望に満ちたサファイアを空虚に向ける
「助けて欲しいですか?ゴーゴリさん、♡」
まるでキリストの様に腕を鎖で吊るされ、凍る冷たいコンクリートに向けられる虚無の視線に酷くドストエフスキーは興奮した
救けて貰えるだなんて今となっては考えられない。ゴーゴリの考え通り、今度は自身を吊るす鎖がぐらりと揺れた
間を置かず鎖が焦らすようにゆっくり、ゆっくりと締め付けて
「ぐっ…………、」
完全に限界まで引き伸ばされた腕は軋む様にヒリヒリと傷む。
身を蝕む疼痛に醜い顔を更に歪ませたゴーゴリを他所に不穏に鎖が動いた
「ま”っ”て……、これいじょう…、むり…………いッッッッッッッッッ!?!?!?あ”…あぁ、あ!!!!」
バキバキバキッッッ!!!
強まる締め付けはゴーゴリの白雪の素肌に歪な痕を残し擦り切れた肌からは紅い緋い葡萄酒が滲み、石膏を通り滴り落ち
る
「いやっ!!!おれるッ、しんじゃう!!……あぐッ、!?いぃ、ぁ、……あ…、?」
ゴキッ!!!!ゴリゴリ!!ガキン!!
へにゃりと撓れた両腕はもう言う事を聞かない
即ちもう、抵抗等…出来ない事を意味する
鎖が操作され、悪魔の眼前へと吊るされた彼は死んだ魚の様な無機質な瞳をドストエフスキーに向けた
「あ”ァ、……ああア”ァ”!!!!いたいッ!!ゆるして!!いやッ、……………イ”ヤ”ァァァ!!!!!」
ギギギ………ブチンッ!
未だにキツく締め付けられた断罪は力を増し………ボトリと両腕が落ちる
「おね…がい…………こ、…ころ…し…て……たすけッ…」
泣き叫ぶ仔羊の切ない願いは聴き入れられ腕が捩じ切れた為鎖からゴーゴリが落ちた
………が、彼はまだ肺を膨らませている
「ハッ、………ハッ、」
小さくなった体から泥々と大量の血液が流れ落ちる。
次期に大量出血によって失血死するだろう
もう少し高い場所から落ちていれば死ねたのだろうが、真下に居た悪魔は笑顔を浮かべ床に叩き付けて尚生きている憐れな憐れなフィアンセに口吻を………
今迄のこっ酷い扱いとは打って変わり大切にゴーゴリを抱き抱え何処かへとフラリと消えた
「たすけてッ………もう、……やだ、…きらい、……」
「は?」
行き先は熱湯の満遍に張ってある浴槽だった
然しドストエフスキーは其処ではなく風呂場の床に彼を叩き付け上から冷水の槍を浴びせ掛け、
急激に体温を奪われガタガタと震えようともお構い無しに有無を言わずシャワーヘッドを向ける
「うぅ、ッ、………つめたい、ッ……、」
十分程経った頃だろうか。次第に震えは大きくなり朱鷺色の唇が青褪めて行く所謂低体温症だ
「あぐッ、……!?ん”んぅ、!!」
そして完全にぐったりしたところで未だに湯気の止まらない浴槽に無い手脚をジタバタさせ死の間際の幼虫の如く必死に暴れるゴーゴリを投げ入れた
「いやだッ、…………イヤっ、……たすけてッ、!!」
そんな事をされたら一溜まりと無い事は赤子でも理解出来る
だが、手脚を無くし脱臼してしまった彼には抵抗等出来る筈も無くドボンと大きな音を立て紅が混ざり薄拡がってはぷかぷかと溺れ浮かび汚れてゆく純白を穢してゆく
自身も身に纏って居たラフなシャツを脱いだ彼はあろう事か自身も湯船に入り意識を飛ばし痙攣する彼の胎内に自身の性器を挿入したのだ。
当然の如く解されてすら居ない其処は縁が切れ、鮮やかな紅色に染まった湯船を更に強めた
「ンぁ”、……………ぅう、……」
常人とは比べ物に成らない程の大きさの其れに本来ならば雄を受け容れる事のない其れは拒否反応の示し火傷の痛みと共に膣内に生温い熱が入り込み脳内を蝕み犯す
「おごッ……ぼ、……ぉ…、プハッ、……ゴホッゴホッ。うぇッ、はーッッ、はーッ、…!おご………」
溺れまいと身を捩る彼の髪を掴み熱湯の中に沈めた
最初の頃は泡が出ていたが勿論肺の空気の代わりに地獄の業火が腔内から舌。食堂を燃やし尽くし器官に入る
肺胞が水に満たされぐちゃぐちゃに混ざり合うほどきつく、きつくドストエフスキーの陰茎を求める身体が愛おしい、と
吐息と共に嘲笑を吐いたドストエフスキーは悦に溺る。
ドストエフスキーが手加減する筋合いも無く、死の淵で行われる行為は続いてゆく
「ゥ”ぁ、…………….ぉ、、」
生理的に異物を吐き出そうと藻掻けば藻掻く程水が入り込み焼ける様な痛みが内部からも外部からも襲う
特にゴーゴリはほんの数十秒前迄は凍る程の冷水を浴びさせられていた為ヒートショックが起こったのだ
全身火傷になっても熱湯に沈められ続けた彼は悲痛の表情を浮かべ意識を手放したが、其れを拒んだのはドストエフスキーだった
「何トんでいるんですか?」
「ッは、ゴホッ…、ゲホッゲホッ、お”えッ、……」
勝手に気絶した彼の奥深く。普通に生きていればまずまず入らないであろう場所迄侵入した陰茎にゴーゴリは拒絶反応を示し嗚咽した。出て来るのは胃液だけというのに…
「ふッ、出ます、ちゃんと僕の子供を孕んで下さいね♡」
ぬぽりと音を立て胎内から凶器が引き抜かれる頃にはゴーゴリは疲れ果て今度こそ深い眠りに陥った
出血多量、全身火傷、脱臼、酸素欠乏症、低体温症。
こんな満身創痍な状態で更に行為を強いられ体力を使い果たした彼は今度こそ本当にぐったりとした様子の儘動かなくなった
涙を浮かべ動かなかった玩具を掬った少年はぬいぐるみにするみたいにそっと小さくなった彼を抱き締めた
それからと言うものの、暴力で抑え込みすっかりゴーゴリは大人しくなったものの、一つだけ全身全霊で拒む行為があった。
其れは入浴だ
「ニコラーシャ。お風呂に入りましょう」
ドストエフスキーがそう誘うがゴーゴリはカタカタと震えて布団から出て来ない
あの日からもう逃げられないと言うのに全身を鎖で繋がれ、首輪をされ……束縛の日々だ
初日にドストエフスキーの癪に障ってしまい冷水に沈められ熱湯を飲まされ、沈められを繰り返し挙げ句の果てに犯され全身火傷を負った心の傷が未だに癒えて居ないのだろう
何とか命は繋ぎ止めたものの風呂に入る際カタカタと震え涙を流す。
碌に治療されていない為。ドストエフスキーにつけられた切り傷が開き、痣が軋むように傷み、未だに燒け爛れた皮膚が地獄の苦しみへと誘うのだ
「…………なら、サウナに行きませんか?」
常温の風呂でさえ全身が滅多刺しされた様に悲鳴を上げるのに、彼は何を言うのか。
一瞬常軌を反したサイコパスで嗜虐的な狂気の発想に正気を疑ったが言わずもがなゴーゴリに拒否権は無い
だが、サウナに行くということは外に出るという事。
即ち外部に助けを求められる絶好のチャンスなのだ
此れを逃せばもう二度と機会は訪れないかもしれないと嫌々ながらも抵抗はしなかった
然し期待に反しドストエフスキーは地下室内に施設を作って居た
而も最も最悪な事態が起こった
そう。ゴーゴリが連れられたのは通常のサウナではない
所謂”塩サウナ”なのだ
塩サウナとは通常のサウナに塩が設置されており肌に塩を塗り込む事で肌の艶を保ったりする効果がある美容に非常に効果のある場所だ
だが思い出して欲しい。今のゴーゴリの状態はどうだ?
全身切り傷だらけで四肢を切断された時の傷も未だに治っては居らず血液やら膿やらがでて来る上、全身火傷を負っている
そんな状況で塩何て掛けられたら…そんなゴーゴリの杞憂は現実になり此の世の者とは思え無い程不愉快な笑みを浮かべたドストエフスキーはゴーゴリを思い切り室内の蒸気で熱された塩に押し付けた
「い”たぃッ、……、………いたい、!!いたい!!いたい、……い”た”い!!いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいいたいくるしい!!!!!…………いたい、…いたいよぉ、…………も、…やだぁ、」
傷口に塩が入れば入るほどジクジクとした傷みに襲われ
開いた傷口からドクドクと脈打って血液が流れては密室を赤に染める
どれだけ泣き叫び助けと言うなの終焉を懇願しようともドストエフスキーは眉一つ動かさず茫然と身を捩り逃れようとする気の毒な彼を見つめては瞳に異常な程の熱を込めていた
「ぅ゙ぐッ、…………」
長らく文字通り手も脚も出ず塩の入った小箱の中で暴れていたが、小箱が倒れ塩と共にゴーゴリが床に落ちた
何とか塩を振り払おうと近くに設置された椅子に攀じ登ろうとするが上手くいかず背中から落ちて地面に叩きつけられてしまう
「ごべん……なざい、…ゆるじ……て、」
また攀じ登るが、手足のない彼は尽く落ちてしまい座れない
遂に疲れ果てて仕舞ったのか深海のように深い深い闇が込められた瞳が此方を覗き込む
悪魔は妖艶に、滑稽に笑い飛ばし地に染まった其の手を差し出した
「”救けて” 欲しいですか?」
有無を言わずゴーゴリは腕をちょこんと掌に乗せた
先程の不気味さとは一変して悪魔はまるで我が子を大切に抱き抱えるアダムの様に優しく秀麗な微笑みを見せた
「永遠に愛していますよ。君は僕の物ですから。」
其の一言が消えゆく脳髄に永遠に木霊して…………。
コメント
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やっぱあれですね、シグゴーとドスゴーは監禁、ヤンデレ不穏作品もいいですよね〜