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サイド黒


今日は試合だ。毎年夏にある大会の、入り口である予選。つまり大事な局面。

控室で、樹から渡されたメモをしっかりと確認する。これは、作戦が書かれたもの。毎回これをみんなと共有するのだが、よくこんなものを考えるな、と思う。俺だったら、絶対感覚でいってしまう。

そんなリーダーは、やはり必要不可欠だ。

「えちょっと待って、俺のユニフォームの上どこいった?」

大我が声を上げた。まさか忘れたのか、と血の気が引きそうになったところで、冷静な高地の声がたしなめる。

「バックネット。網だから入ってるの見えてんじゃん」

「あ」

みんなで笑い合いながら、着替える。車いすの上でやるメンバーと、ベンチに寝転がるメンバーがいる。

そのベンチに寝転がっている樹が、「あれ…俺のシューズ、どこ入れたっけ?」

またかよ…と呆れる。

動かない両足はベンチからだらりと下がっている。起きる気はさらさらないらしい。

慎太郎「え、ロッカーの中ないよ」

樹「えーちょっと待てよ、俺今日サンダルで来ちゃったんだって。高地ずるいなー」

高地「なんでだよ。俺だって靴履いてみたいわ」

樹「…ごめん」

真面目に謝る樹に、高地はいつもの笑顔だ。「アハハ笑」

「あーあった! お前、自分の車いすぐらい見ろよ」

樹の普段用の車いすのアンダーネットに入っている靴を見つけた。

「ありがとう北斗、助かった。ちょっとテンパっちゃって」

そんなことを言うなんて、少し珍しい。


時計を見上げると、最初のチームの試合が始まる時間になっていた。

「樹、ちょっと見に行こう」

「何を?」

「今試合してるチーム。技とか盗みに」

と言うと、樹は片頬を上げてにやりと笑った。「わかった」

このチームは、かなり強豪として有名だ。だから十分に手技を盗む価値はある。

スタッフが座るテーブルの脇で、2人車いすを並べてゲームを観戦する。

樹「やっぱすごいな」

「うん」

その目は真剣そのものだ。俺も前を向き直った。


ジェシー「よし、みんな円陣組もう」

ジェシーが声を掛けると、みんなが集まってくる。が、少し離れたところにいる樹が動かない。

慎太郎「樹、ほら円陣」

腕を伸ばすが、じっとしている。

高地「どうした」

高地はそばに寄り、「…緊張してる?」

「……怖い」

小さな声だった。

大我「どうして?」

「…また前みたいにボロ負けしたらどうしようとか、また怒られたらどうしようとか考えて」

「別に怒られてないじゃん。絶対大丈夫」

俺の言葉も、あまり響かなかったみたい。

「さっきのチーム見たら、もし勝ったらここと対戦するのかな、負けるかもしれないって…」

慎太郎「そんなのわかんないって。今は、目の前の戦に挑むだけ」

力強く言った。

高地「そうだよ。だって、失敗は成功のもとだから」

大我「こないだの失敗は、今日からの成功のためだもんね」

「うん。とりあえず円陣しよ」

樹は輪に加わった。

ジェシー「じゃあ、今日は樹が『We are』言って」

樹「え?」

きょとんとしているが、ジェシーは「いいから」と催促する。

樹「いくよ。……We are…」

「違う違う、いつもの確認は?」

樹「あ、忘れてた笑。車いすオッケーね? ちゃんと飲み物飲んだ? 準備いい?」

大我「あーちょっと待って、水飲みたい」

高地「なんだよ笑」

たまにぐだぐだになるのも、俺ららしい感じだ。

樹「いいね、いくよ? We are…」

ジェシー「あっもうちょっとrを巻いて」

慎太郎「急に発音指導するなよ笑」

樹「わかったからジェシー笑。今度こそいくぞ」

一呼吸置き、みんなを見据えて、

「We are…」


6人「SixTONES!!!!!!」


終わり


完結

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