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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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雰囲気暗めの謎時空





























三流のハッピーエンドを他人に彩られるくらいなら、オレは類に一流のバットエンドを演出して欲しい。


「…え?」


口をついてでた言葉に、類の整った顔面は困惑の色に歪んだ。


「さっきの映画、酷い結末だっただろう?」

「ああ…悪役である主人公と勇者が和解して終わりだなんて、もっと綺麗な締め方はあっただろうとは思うけれど。」


でも、あそこの演出は参考にはなったかな――そう言いながら、奴は細い指を組んで顎に寄せる。


「…あんなエンディングの人生なら、あれが幸せだって言うならば、オレは不幸な終わりでも構わない。」


類の行き場のない左手を、そっと自らの頬に寄せる。


「オレは、最も輝かしい時に、綺麗なままで死にたい。」


奴の黄金の瞳が、深い瞳孔が、風にあおられたようにに震えた。それは先と同じ困惑か、それとも別の意味か、オレに知る由はない。


「なら今、君を殺してしまっても構わないんだね?」

「…さあ。今の俺が最も輝かしいと、お前にとって美しいと思うなら。」


揺れた瞳を隠すように、目が細められる。


「意地が悪いね、君は」

「はは、なんとでも言え」

「――司くん」


顔が近いな、そう思った時にはもう既に、奴に口付けをされていた。


「…酷い顔だぞ、類」


類の表情は、今にも泣き出しそうで、怒りに喚き始めそうで、まるでオレを憎んでいるようだった。

しかし、その言葉はもう奴の耳には届いていない。


「…君は、エンドロールにエキストラは要らないと言うんだね」


「ああ、…いや、それどころじゃないな。」


頬にあたる類の手に、自分の手を重ねた。



「オレとお前の人生のエンドロールには、主役と演出家しか要らないだろう?」

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