テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
クロイ家の外観は切妻屋根が特徴の中世日本風の建物だった。屋根には1体のヘヘヤともう一体のなまはげが置いてあったのだ。なぜなら2体とも戒めの妖怪と精霊としての役割があるのだった。
※ヘヘヤとはネイティブ・アメリカンのホピ族が信仰する怖い精霊で、日本でいうなまはげの役割を持っているのだった。
クロイ家に家長の男性が現れてTたちを抱き合うのだった。
家長「我がクロイ家へようこそ!!僕の名前はザット・クロイ。日系アメリカ人だよ。君たち養子のクインと仲良くしてくれてありがとう!!それでは歓迎するからこっちへおいでよ!!」とフランクにTたちに話しかけるのだった。
玄関は土足ではないので、楽々と全員靴を脱いで上がるのだった。
中に入ると衝撃的なものがあった。スペイン王国、または欧米列強たちによって迫害された先住民族の肖像画や日系人迫害のリアルな写真が博物館のように飾ってあったのだった。
Tは涙を流してこう言った。「やっぱり、アメリカの負の歴史はここから始まっていたんですね。あとフリーク州が作られた理由の一つとして第二次世界大戦時に迫害された日系人たちの尽力もあって作られたんだと知ると、重さが違ってきますよね。」
ザット「ありがとうね。その気持ちでいいんだよ。僕たちの歴史はこういう迫害の歴史を背負って生きてるんだから。」
T「日本のキリシタン迫害の歴史と重なりますよ。あなたたちの日本にいる親戚の本家の黒井家だって、ご先祖様が隠れキリシタンで、迫害の歴史を歩んで明治時代にフリーク区を作ったって勉強しましたから。」と涙を拭くのだった。
ザット「君はよく歴史を通して人の痛みがわかるんだね。お話はこれまでにしてディナーにしよっか。」
それからダイニングに着くとメインディッシュのバッファロー(アメリカバイソン)と多くのキングサーモンの丸焼き、サラダが用意されたのだった。さらには家長の奥さんと大柄な執事が立っていたのだった。
奥さん「私はブリーズ・クロイ。こちらは執事のワダツミというの。」
ワダツミ「ワシはワダツミやき。ワダツミ、ダイダラボッチとサスクワッチの血が入ってる執事ぜよ。よろしく頼むきに!!」
※奥さんのブリーズには遠い先祖である北米先住民のスー族とハイダ族(カナダ寄り)の血を引き、それを誇りとして生きています。そのため、先祖代々トーテムポールを家系の象徴として飾り、バッファローの狩りの仕方を教わり、身につけていました。これを執事のワダツミに教えるようになりました。
このワダツミという執事は400年前以上、ご先祖様の日本妖怪であるワダツミとダイダラボッチのハーフがアメリカに渡り、コースト・サリシュ族の精霊であるサスクワッチと混血。さらには人間との混血により、その400年後にワダツミが誕生した。身長は2m30cm越えだった。
そしてワダツミが丸焼きのバッファローのお腹を巨大な牛刀で切り、心臓を「グチョッ!」という生々しい音と共に外に両手で出してこういうのだった。「ワシたちクロイ家と日本人留学生たち、さらにはその友人たち全員、この負の歴史を背負って生きます。この心臓は勇気、不屈の精神、そして感謝の心の意味を持っています。迫害されてきたキリシタンたちとネイティブ・アメリカンたち、さらには日系人と言ったご先祖様に感謝していただきます。」
クロイ家とTたち一行も「いただきます。」全員両手を合掌して頭を下げるのだった。
全員ムシャムシャとサラダ、バッファローの肉を頬張り、太っ腹なキングサーモンを卵ごと含めて食べるのだった。
Tの心の声「フリーク区とフリーク州に行けば、人と違ってもいいと思える。けど、ムラクモさんたち全員は真の変わり者なんだよな。一般社会に行っても白い目で見られることを恐れない強さを持ってるからな。」
そう言って食事を終えたTたちは部屋に向かうのだった。
Tの心の声「イングランド系アメリカ人のクインさんがまさか、クロイ家の養子だったなんて。しかも、私が崇拝している黒井カラスさんの遠い親戚関係になるなんて..私もいつかフリーク区へ帰国して、何年後かに大人になって黒井家の養子になりたい。」
部屋にて
クイン「君たちと友だちになれて嬉しいよ。まさか日本人の留学生まで歓迎しちゃったよ!!俺本当に嬉しいよ!!本当の家族と友だちを見つけられて最高!!」
ムラクモ「これでフリーク区とフリーク州の姉妹都市の意味がわかりましたね、クインさん?」
クイン「本当だよ、もう!!」
サスキア「クイン。いいこと思いついた。そのインディアナ州のいじめっ子共を懲らしめるよりも真実を突きつけるのはどうかな?」
クイン「相手が誰だかわかって言ってるの?!!相手はジョックスとクインビーとワナビーの奴らだよ!!?クリークス(アメリカのスクールカーストで派閥を意味している)の中のトップオブトップなんだぞ!!俺がピンクの服着てるからってバカにしてきたから!!」
サスキア「大丈夫だよ。僕が親友のルシアと一緒に協力するから。君たち日本人も協力してくれるよね?」
ムラクモ「ええ、もちろんですよ。日本人はアメリカ国内にいると控え目で内気だと思われがちですからね。」
T「任せて下さいよ。私が首チョップで気絶させますから。クインさん、祭り上げられるのと白い目で見られることは何が違うんですか?」
クイン「それは…」
ムラクモ「確かに日本じゃ大問題ですが、ここはアメリカです。私たちがインディアナ州に行っていじめっ子たちを拉致してあの歴史直視型のお化け屋敷に連れて行きましょう。」
「ブーンブブブーン!」と強烈な音を出してサスキアがチェーンソーを取り出すのだった。
サスキア「僕がこれを出せばビビってくれるんじゃない?もちろんルシアがマチェーテを持ってくれれば鬼に金棒だから」
Tの心の声「孤児だった頃より本当に温かい。養護施設にいた時はエカチェリーナさんだけが友人だった。私は彼女に中卒だと嘘をついてフリーク区へ移住した。でも私はエカチェリーナさんのことは忘れよう。もうあの頃とは違う!!そしてムラクモさんと出会って、さらにはここに留学して私と似た境遇を持ったクインさんと出会った。フリーク区とフリーク州こそ私にとっては友だちであり、家族でもあるんだ。」
ミンリ「すごいにゃ!!私も協力するんだにゃ!!」
そしてムラクモのペットのタランチュラが喋るのだった。「僕にも協力させてよ。僕の毒の牙で相手を気絶させてやるんだから。」
コメント
1件
読了しました〜!今回もすごく重たいテーマを扱ってるのに、クロイ家の温かさが印象的でした。特にバッファローの心臓を捧げるシーン、生々しい描写なのに「負の歴史を背負って生きる」って言葉が胸に刺さりました。Tが「孤児だった頃より温かい」って感じる気持ち、わかる気がする。あとサスキアのチェーンソー出してくるノリ、笑ったけど怖い(笑)。次も読みますね🌙