コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
はぁ…
先輩と初めて話せたのは嬉しかったけど…
名前…聞きたかったなぁ…
「佳音大丈夫?顔、死にそうだよ?」
友達の悠羽ちゃんが顔を覗き込み、頭を撫でてくれる。
手が暖かくて、心地よい。
「昨日…あの人と話せたの…」
「……あぁ!あの先輩?」
あれ、先輩って事言ったけ…
「知ってたの!?」
「そりゃまぁ。…体育の時ラブラブしてたし?w」
「え…してないよっ!見てたの?」
「しかも、あの人有名じゃん」
えぇ…?有名…?
「あの人、顔良いし、勉強も学年1位だよ?スポーツ万能だし才色兼備で狙ってる子多いらしいよ〜。ひっそりとファンクラブあるらしいw」
「ファ…ファンクラブ!?」
すごぉい……有名人だ
「もしかして知らなかったん?w」
「う、うん…」
そんな有名人なのかぁ…私、凄い人と話しちゃった…
「まぁ、頑張りなよ。まさか、男嫌いの佳音がなぁ〜!嬉しいようで悲しいわ。」
「頑張るって何を…!?」
勉強で勝てって事とか?
無理無理!
「え、好きなんじゃn」
「違うよ!」
「わぉ食い気味」
「…そんな訳ないじゃん……絶対違うもん…」
うん。絶対違う!
好きって何か分からないし…
「え〜可愛い〜!拗ねないでよwてか、今年も花火大会あるらしいよ?一緒に行かない?」
…花火大会
「行く!りんご飴食べたいなぁ」
「いっつも食べるね〜、それ結局半分残して私に渡すくせに〜」
…むっ!
「違うよ〜2人で食べれるように半分あげてるんだもん!」
「えぇ…?嘘つき〜」
「嘘じゃない〜」
「「www」」
楽しいなぁ…やっぱり悠羽ちゃんとずっと居たい。
男の子は怖い…でも、先輩とはちょっと話してみたい…かも
「…あ!後10分でバス来ちゃう!ごめん、今日バイト入ってるの」
忘れかけてた…危ない危ない。
「良いよー!急げ急げ!後でLINEすんね!」
「うん!ごめんね」
「がんばー!」
やばいやばい!
廊下は早足で階段は駆け足で降りる。
あと少しで1階という所で、足が滑った。
落ちるっ…!!!
そう思った時、上から引っ張られて、落ちずに済んだ。
「あっぶなぁ…」
引っ張られた方を見ると、先輩が顔を青くして居た。
「せ、先輩…」
「気を付けないとだよ〜?怪我してない?」
「あ、はい!ありがとう…ございます」
頭を軽く下げお礼を言うと、先輩がはにかむように笑ってくれた。
「あんなに急いで、何かあるの?」
「…あ!バイトに遅れそうで…!」
「わわ…気を付けてね」
「は、はい!ありがとうございました!」
ひゃああ…顔赤いよ〜
それよりもバス!急げ急げ
校門から出て直ぐにあるバス停に着くと、少ししてバスが来た。
「セーフ……」
1番奥の席に座り、着くのを待つ。
『次は〜〇〇』
あ、次だ。
ピンポ-ン
『次、止まります。お降りの際は〜…』
よし、頑張ろう!
バイト先、目の前のバス停に着き、降りる。
バイト先はメトロな雰囲気の、オシャレなカフェ。
最近、人気が出てきて土日や祝日は混むようになった。
嬉しい限りだ〜と店長がよく言っている。
「こんにちは〜、」
「佳音ちゃん!こんにちは!店長遅れるってさ!」
「そっか!着替えてくるね〜?」
この子はバイト仲間の雅結(まゆ)ちゃん。
同時期にバイトを始めて、仲良くなった。
エプロンを付けて、髪の毛を下の方でふたつに結び、お団子にする。
うん、いつも通り!
頑張るぞ!
お店の方に戻り、お客さんの注文を取る。
「はい!珈琲とプリンを1つですね。少々お待ちください。」
厨房に居る雅結ちゃんやバイト仲間に注文を伝え、メニューを貰う。
それを、お客さんに運ぶ。それの繰り返し。
すると、直ぐにバイトが終わる時間になる。
チリンチリン
入口の鈴の音が聞こえ、お客さんが入ってくる。
「いらっしゃいませ!お好きな席へどうぞ…」
「やっほ佳音ちゃん。」
「せ、先輩!?」
何で!?確かに、雅結ちゃんから、あの後先輩がたまにカフェに来て勉強したりしてるって聞いてたけど…
「ごめん。体育祭の事について友達と話したくて、ちょっと失礼するね。」
あ、気付かなかったけど…前居た、男の人(涼太の事です)も居るし…他の人も…
「どうぞ!ご注文が決まりましたら呼んでください!」
先輩達は端の席に座った。
他のお客さんの注文を取り、厨房の雅結ちゃんに伝えに行くと、ニヤニヤした顔で
「あの人、やっぱり彼氏なの?」
と聞かれた。
「ち、違うよ!先輩!」
「え、じゃあ好きな人?」
頭を横に振る。
「じゃあなんで、佳音ちゃん顔真っ赤なのー?」
え!?
頬に触れると、確かに熱を帯びていた。
なんで…って私が聞きたいよ…