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好きって言えなかった、 あの夏

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好きって言えなかった、 あの夏

1 - 好きって言えなかった、 あの夏

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2026年02月11日

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「なあ、花火大会行かね?」


突然のLINE。


送り主は、幼なじみの陽翔(はると)。


心臓が、どくんと鳴った。


『行く。』


たった二文字送るだけなのに、三分もかかった。


――私は、陽翔が好きだ。


でも陽翔には、好きな人がいる。


それは、私の親友の美咲。



花火大会当日。


「浴衣、似合ってるじゃん」


「……ありがと」


ずるい。


そうやって、何も考えてなさそうに優しくするところ。


「美咲、来れなくなったんだって」


「え?」


「急に家の用事らしい。だから今日、俺ら二人」


胸がぎゅっと締めつけられる。


嬉しいのに、嬉しくない。


だってこれは、“代わり”だから。



ドンッ――


夜空に大きな花火が咲く。


「きれいだな」


陽翔がつぶやく。


私は、花火じゃなくて、横顔を見ていた。


(今、言わなきゃ一生言えない)


「ねえ、陽翔」


声が震える。


「ん?」


「……好きな人、いるんでしょ?」


一瞬、陽翔が黙る。


「……いるよ」


やっぱり。


知ってたのに、涙が出そうになる。


「そっか。応援するね」


笑えてるかな、私。


そのとき――


「だから今日、ちゃんと伝えようと思って」


「え?」


「俺、ずっとお前が好き」


頭が真っ白になった。


「え……? 美咲じゃなくて?」


「は? なんで美咲?」


「だって、いつも一緒に……」


「それ、お前がいるからだろ」


花火より大きな音が、胸の中で鳴った。


「好きって言えなかったの、俺のほう」


涙がこぼれる。


甘くて、少ししょっぱい。


「……私も、好き」


その瞬間、特大の花火が夜を照らした。


あの夏。


好きって言えなかった時間さえ、今は宝物。


――甘酸っぱい初恋は、両想いで終わった。

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コメント

3

ユーザー

見るの遅れてごめんね〜

ユーザー

音透さんの作品全部胸キュンなんですけど……!神ですか…!?✨️

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