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部屋の明かりを落として、スマホを手に取る。
通知は、静か。
でも今日は、待つ側じゃない。
(……言う)
深呼吸。グループLINEをを開いて文字を打つ。
短く、逃げない。
【あっきぃ】
『今の距離で、続けたい。
急に近づかないでほしい。
でも、切りたいわけじゃない』
送信した。胸が鳴る。
でも、手は震えない。
(……決めたのは、俺)
少しして、既読が並ぶ。
最初は、あと兄。
【あっと】
『了解。連絡は、必要な時だけにする』
【けちゃ】
『守るよ。僕からは送らない』
【まぜ太】
『越えそうになったら、止めて?』
【あっきぃ】
『止める』
【ぷりっつ】
『……ありがとう。言ってくれて』
【ちぐさ】
『思い出した時だけ送るね。』
画面を見つめて、静かに息を吐く。
(……聞かれた)
否定されなかった。
説得も、同情もない。
次の日。偶然だった。
駅前で、遠くに兄弟の姿が見えた。
でも、誰も近づかない。
目が合う。
小さく、うなずくだけだった。
それで終わり。
(……守られてる)
この日の夜。
ころんくん、莉犬くん、るぅとくんが、隣でゲームしてる。
【ころん】「今日、なんか落ち着いてるね」
【莉犬】「空気、変わった?」
【あっきぃ】「…そう、かな。
俺が、決めたからかな」
【ころん】「最強じゃん!」
【莉犬】「境界線マスター!」
【るぅと】「2人共。よそ見は禁物ですよ!」
【ころん】「うわぁぁぁぁ!!」
【莉犬】「るぅちゃーーん!!」
【あっきぃ】「…あはは!w」
ベッドに入って、天井を見る。
(嫌われてた時間は、消えない)
(でも、これからは選べる)
兄弟との関係は、
「我慢」でも「断絶」でもなくなった。
(…”変えた”。)
誰に言うでもなく、確かめる。
それは、
誰かに許された変化じゃない。
自分で引いた一線が、
世界の形を変えた夜だった。