テラーノベル
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数カ月後。季節が変わって、制服が少し軽い。
放課後。
ころんくんと莉犬くんは買い出し。さとみさんはバイト。
ジェルさんは部活。ななもりさんは学校に行っていて、部屋は静か。
机の上のスマホを見る。
(……今なら)
返事は、来ている。
でも、今日は“返す”じゃない。
(……誘う)
グループLINEを開く。
短く。 条件を、先に置く。
【あっきぃ】
『来週、駅前のカフェに行く。30分だけ。
話さなくてもいい。来なくても大丈夫。』
送信。
心臓が、少し速くなる。
でも、苦しくない。
(……選んだのは、俺)
既読が、ゆっくり並ぶ。
最初に来たのは、ちぐちゃんだった。
【ちぐさ】
『行く。静かな席なら』
【まぜ太】
『30分なら。途中で帰ってもいい?』
【あっきぃ】
『いい』
【けちゃ】
『行くけど、話題は振らない』
【あっきぃ】
『それで、いい』
少し間があって、ぷり兄。
【ぷりっつ】
『……行きたい。無理そうなら、外で待つ』
【あっきぃ】
『同じ席でいい』
最後に、あと兄。
【あっと】
『了解。時間、守る』
画面を見つめて、深呼吸。
(……全員、条件を読んでる)
当日。 静かなBGM。
カフェのドアが開く音。
みんなが入ってきた。
【あっきぃ】「…みんな…ここ」
奥の席。丸テーブル。
誰も、詰めない。
距離が、ちゃんとある。
飲み物が来て、しばらく無言。
(……平気)
時計を見る。
5分経過。
【ちぐさ】「……この店、落ち着くね」
【あっきぃ】「……うん」
それだけ。
15分経過。
ぷり兄が、視線を落としたまま言った。
【ぷりっつ】「……来てよかった」
【あっきぃ】「……ありがとう」
言葉は、短い。
でも、逃げてない。
30分経過。
みんなが立ち上がる。
【あっと】「今日は、これで」
【けちゃ】「またね、じゃなくて……今日は、これで」
【まぜ太】「境界線、守れた」
【ちぐさ】「楽しかった、って言っていい?」
【あっきぃ】「……いい」
外に出て、解散。
振り返らない。
でも、胸は軽い。
家に帰って、夕飯を食べる。
ころんくんから聞かれた。
【ころん】「今日、どうだった?」
【あっきぃ】「……俺が、誘った」
【莉犬】「最強更新じゃん」
【さとみ】「あ、おい!ジェル!俺の取ったべ!」
【ジェル】「え!?取ってへんよ!るぅちゃんやって!」
【るぅと】「はぁ!?僕のせいにするんですか!?」
【ななもり】「今日も賑やかだなぁ」
部屋に戻って、ベッドに倒れる。
(会えた。壊れなかった)
(終われた)
【あっきぃ】「……次も、俺が決める」
それは、 和解の完成じゃない。
でも確かに、主導権が、俺に戻った日だった。
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