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ゴーストフェイスは、儀式でなんの成果も残せなかったため、エンティティから拷問を受けていた。
グシャッ…ブチブチ…ギギギ…
「あがっ…ぐっ…(クソッ…なんで僕がこんな目にっ!!)」
エンティティの脚らしき物で腹を貫かれても、臓物を引き抜かれても、致死量の血液を出しても、決して死ぬ事は無くゴーストフェイスは地獄を味わっていた。
──数時間と経ち、ようやく拷問から解放されたゴーストフェイスは息を整えようと必死だった。
「はっ、はぁ…はぁっ…くぅっ…」
不規則な呼吸をする彼を見て面白く感じたエンティティは、機嫌良く彼に話しかけた。
【─今回のサバイバーにはルーキーも混じっていた。お前なら簡単に仕留めれただろ─】
「無理ですよ…エンティティ様。彼女…っ…ルーキーの動きはしてませんでしたよ…あなたも観戦してたのなら分かることでしょう?」
【─確かにそうだが、それを理解した上で貴様は彼女とチェイスをして結果負けたんだ。仕留められなかった貴様が悪い─】
光沢のある蜘蛛のような腕でゴーストフェイスを指さすエンティティに、彼は殺意が湧いていた。
「(この邪神が…)」
しかしゴーストフェイスの考える通り、彼女は明らかに周りのサバイバーと同等…いや、それ以上の行動をしていた。負傷にも関わらず、味方の為に自らを犠牲にしてキラーに突っ込みに行く様は今までどのサバイバーもやっていなかった事だったため尚更ゴーストフェイスは彼女を怪しんだ。
「なら、彼女は一体何者なんですか?僕の持つ能力も知ってる様な動きも取っていた。それについてはどうお考えで?」
【─彼女は普通の人間だが?それに貴様の能力など、他のサバイバーが彼女に教えた可能性もあるだろ?─】
「それは…」
正論を突かれて何も言えなくなってしまう。しかしゴーストフェイスも心のどこかで考えていた事だったため、尚更黙り込んでしまう。そんな彼を見て、エンティティは呆れるようにこう言った。
【─相手の情報を入手するのは貴様の得意分野だろう?一度彼女に話しかけてみてはどうだ?─】
一瞬だけ、ゴーストフェイスの動きが止まった。予想もしていなかった言葉を…しかもあの邪神が言うとは思わなかったからである。しかしいつもの平常心を装いゴーストフェイスはこう返答した。
「そうですね……確かに、コミュニケーションを取る方が安易に個人情報が手に入る…。」
【─やる気が出て結構。しかし、覚えておけ?次の儀式でも私を失望させたら…分かってるな?─】
黒く尖った蜘蛛のような脚を目の前に突きつけられる。しかしゴーストフェイスは微塵も怖じけることは無かった。これくらいでは彼は驚かないのも邪神は承知の上でやっている。おそらく、キラーとしての素質が抜けてないかのテストもやったのだろう。
「分かってますよ。では失礼します」
先程まで拷問を受けていたとは思えないほどに、ゴーストフェイスは早足で自室へと戻った。これから彼女と接触をするための計画を練るらしい。
──その頃、サバイバーの集うキャンプ場では。
『っくしゅ…!』
何らかの悪寒が彼女に降り注ぎ、くしゃみをしてしまう。それを横で見ていたフェン・ミンは、ゴミを見るような目で彼女を見た。
「ちょっと!いきなりどうしたのよ…風邪?」
『分からない…でも凄く嫌な予感がする』
「儀式はいつも嫌な予感しまくりよ。いい加減慣れなさい」
『う、うん…(そういう事じゃないんだけどな。まぁいっか)』