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……マスターと会えなくなってからもうどれくらいの月日が経っただろうか
『モンスター列伝オレカバトル』はサービスを終了しカードに宿っていたモンスターは全員オレカ界に帰ったのだ
俺はずっとマスターと一緒だった
どこに出かけるにしても俺を大切にカードケースの中にしまい持ち歩いてくれていた
たくさんの場所をマスターに連れて行ってもらって、沢山バトルをして……
どんな時でも一緒だったが……マスターが中学に上がる頃忙しくなったのかめっきりオレカバトルをしに出かけることはなくなった
それからというものずっと勉強机の引き出しの一番奥にしまわれていた
俺はマスターのことを忘れたことなんてないがマスターは俺の事忘れてしまったのか……?
そんな悲しみと共に過ごしていたある日、恐れていた事態が起きてしまった
「準備ができ次第オレカ界に戻れ……だと!?」
そう、こちらの世界にいられなくなったのだ
「……急すぎる、俺はまだマスターに、なにも、」
「急?おいおいー本当はわかってたんだろー?もうほとんどの人間が『オレカバトル』を過去のもの扱いしてるこの世界に居たって何も得られやしない。さ、早く帰る準備しとけよー」
ああ、このまま帰るなんて……そんな……
しかしパンドラの言う通り分かっていた
今俺に出来ることはなんだ?
考える
だが動揺しすぎて頭が働かない
「バーン……大丈夫か?まぁ、無理もないよな。1番気に入られてたのはバーンだし。ゆっくりでいいから心の整理つけときなよ」
仲間のおかげで何とか落ち着き今できることは何か、一つだけ思いつくことができた
別れの日
今日が人間界に居られる最後の日だ
未練がないようにできること、それは……
ありったけの思いを込めて俺は叫んだ
『マスター今までありがとう!これまでもこれからも俺はマスターの相棒だからな!』