テラーノベル
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「まともに見せたら『超常現象』として国や機関に追われるだけだしな。奇術(マジック)ってことにしておけば、どれだけ常識外れなことをしても『すごい種仕掛けだ』で納得してもらえる」自室の姿見に映る自分の姿を眺めながら、俺はフッと息を吐いた。
地球に戻ってきたものの、この『森羅万象』の力はあまりにも絶大すぎる。
空間を歪めたり、物質をゼロから生み出したり、概念そのものを書き換えたり……下手に使えば目立ちすぎて面倒なことになるのは目に見えていた。
なら、最初から「演出」として見せればいい。
世界最高のマジシャン、あるいは天才パフォーマーとして舞台に立てば、どれだけ理を無視した現象を起こしても「種があるマジック」として世間は勝手に解釈してくれる。
『なるほど! “種も仕掛けもありません”と言いながら、本当に神の権能(タネなし)で行う奇術ですね! 司様、天才ですわ!』
隣で目を輝かせるヘカーティアが、パチンと手を叩いて可憐に微笑む。
「ああ。これなら合法的に注目を集められるし、金も名声も思いのままに手に入る。ついでにヘカーティア、お前を『超絶美貌の美人助手』としてステージに立たせれば完璧だ」
『じ、助手……!? 司様の隣で、一緒にスポットライトを浴びられるのですか!?』
ヘカーティアは頬をポッと赤らめると、うっとりと胸の前で手を組んだ。
「よし、まずは手始めに……街のストリートマジックから始めてみるか」
俺は黒のタキシード風のジャケットを羽織り、思考を巡らせる。
【対象:手に持った1枚のコイン】
【象徴:質量の消滅、および空間を越えた再配置】
パチン、と指を鳴らす。
俺の手のひらから消えたコインは、次の瞬間、部屋の天井から無数の「本物の金のコイン」となって雨のように降り注いだ。
チャリン、チャリンと部屋中に心地よい金属音が響き渡る。
「……うん、悪くないな」
『凄いです司様! これなら世界中の観客が司様の虜になってしまいますね!』
「だろ? 地球での二周目の人生——今度は『世界最強のイリュージョニスト』として、世界を驚かせてやるとするか」
俺は不敵な笑みを浮かべ、美しい助手の手を取って、新たな舞台(街)へと歩き出した。
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コメント
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おお、第10話読了したわ!「超常現象じゃなくて奇術ってことにしとけばいい」って発想が主人公らしくて賢いし、ヘカーティアが助手として赤くなるところが可愛すぎる🔥 コインが金貨の雨になる演出も「種も仕掛けもありません」の伏線回収みたいで痺れたわ。ストリートマジックから始まる二周目ライフ、めっちゃ楽しみ!