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秋葉原のパラドックスに風間はいた。あのチャイナマフィア2世のユウマとミツキの経過を見にきたのであった。
「さぼらず、ちゃんとこなしてるか?」
「兄貴、ジレンマさんのもとちゃんとやってます。」
たしかに、ユウマの霊障による薄毛も改善されてきて、ガリガリに痩せていた体も肉付きよくなっていた。ミツキの肩の傷も少し跡は残っているが完治してきていた。
「なんだこのチンピラ小僧達は?」
京子がパラドックスにきた。
「あれ、姉御、何でここに?」
「なんでってジレンマは元々、古いダチだから、お前こそなんでここにいる?」
風間は、ユウマとミツキのことを説明し、地下室の古井戸の悪霊で2人に付いている物の力を遠ざけている旨を京子に伝えた。
「そんな高等な作戦よく思いついたな、今後はどうすんだ。」
「最終的にどうしょうかドクに相談する気だったっす。」少しお手上げという素振りで風間は答えた。その会話を聞いてユウマとミツキは不安な顔になる。
「方法がないでもない」京子の作戦に乗る事にした風間は京子と近くのゲーセンに足を運んだ。
入店すると即座にUFOキャッチャーのコーナーに向かう。
「なかなか、とれないなぁ」京子がイラついた口調で吐き捨てる。
「姉御ぬいぐるみ取るのに2時間もかかっちまったな」
これなら普通に買ったほうが安かったくらい出費してしまった。。ムキになっていた姉御に口出しできるわけでもない。
パラドックスに戻り、ジレンマから餅米をもらう。
京子は2階に戻り、2人の髪の毛を引っこ抜くとぬいぐるみの背中をナイフで切り、餅米と髪の毛を詰めた。そしてナイフを2人に渡す。
「お前らの鮮血が必要だ、指でもどこでもいいから血をよこせ」
ユウマとミツキは恐る恐る、指にナイフを当ててそのままゆっくりと引いた。2人の指からゆっくりと血が流れ京子はぬいぐるみの背中にその血を流し込む。
「これくらいでいいか、2人ともゆっくりとパラドックスから出て外で待ってろ、入り口のとこにこのぬいぐるみを置いていけ」
京子は2人に外に出るよう指示を出す。2人は入口の所で立ち止まり、ぬいぐるみを置いて、外にでた。
京子と風間はぬいぐるみを拾い、地下室におりていく。
「姉御、この後はどうするんですか?」
「私が霊視した限り、奴らに憑いていた物たちはまだ、ぬいぐるみをアイツらだと思ってる、気づかれる前に井戸に落とすぞ。」
そういうと京子はポケットから井戸の蓋の南京錠の鍵をとりだした。
姉御の作戦はこうだ、蓋を開ければ、井戸に閉じ込めている化け物が外に出ようとする、それを外に出す前にぬいぐるみを井戸に投げ捨て化け物に食わせるという作戦だ。
こんな作戦で果たしてうまく行くのかユウマとミツキは呪縛から解放されるのか京子と風間に罹っているのであった。