「アオセンうっす!!次いつ休む?どっか行こーぜ!」
「おわっ!?お前声でけーよ、ビックリしたわwなにどっか行きたいとこでもあんの?」
警察署で装備品の準備をしていると、後ろからよく通る大きな声で呼びかけられた。
「いや早く時計をさ!着けたいからな!」
「あーなるほど、そんなに喜んでくれて嬉しいよ。悩んだ甲斐があったな。じゃあもう退勤して行くか?」
「俺まだ出勤して10分も経ってないぜ?今日警察少なそうだし。」
「お前本当そういうの真面目よなwじゃあ明日は俺1日寝てるから明後日にするか。」
「明後日な!絶対だからな!じゃ俺奇肉屋行ってこよ!」
「はいよー。…いつにも増してテンション高いな、確かに良いデザインだけどそれにしても喜びすぎだろw…どこ行くかなー。」
つぼ浦は喜びが隠しきれず、警察業務中も鼻歌を歌いながら半分上の空だ。理由を聞いてみるもはぐらかされ、他署員に少し気味悪がられた。
「つぼ浦おはよー来たよー。」
「うっすアオセン!着けて来たすか!?」
「もちろん、ほら。」
2人で手首を見せ合うと心底嬉しそうな、満足そうな顔をしている。
「やっぱりめちゃくちゃカッコ良いな、アオセンのセンスすげぇ!」
「いやそこまで言う程でもないと思うぞ?wどこ行くか、俺は遊園地とかどうかなって思ってるけど。」
「遊園地か、そういえば2人で行った事無いもんな!海上レストランも開いてたら寄ろうぜ!」
「オッケーじゃあ行くかー!」
海上レストランに到着すると店員達といつもの挨拶をしてから席に座った。
「何にしようかなーつぼ浦オススメある? 」
「俺はいつもこれだ、ラッコの炒め物!」
「え?何それ?…あーラッコすやすやオムライスね、可愛いな。俺はー…くじらカレーとレモンソーダと…デザートもいっちゃうか、ヤドカリパンケーキにしよ!」
「俺はラッコの炒め物とカクレクマノミジュースとチンアナゴロールケーキだな!」
頼んだ料理が運ばれてくるとこれまた幸せそうに食べるつぼ浦。目が合うと少し照れくさそうにしている。
「お前本当良い顔して食べるなぁ。こっち1口食べる?はいあーん。」
「えっ自分で食べるすよ//」
「いいからいいから、ほら早くしないと落ちちゃうぞ。あーん…」
「んぐっ!?…美味いけど強引すよ。」
「ははっごめんw俺もそっち気になるなー食べたいなー…」
「もう仕方ないっすねぇーアオセンは。」
イチャイチャしながら食事を終え外に出ると丁度客船が襲われている様子が見えた。
「あれ客船起きてね?」
「俺双眼鏡持ってるすよ、はい。」
「おおサンキュ。どれどれ…もう結構終盤か?」
「あれは警察ヘリがギャングヘリ追ってるとこか?警察ワロタだな。」
「だね。ギャング側何人なんだろ、頑張れ警察ー!」
「逃げろギャングー!あーどんどん遠くに…見えなくなっちまった。」
ひとしきり観戦した所でやっと遊園地に向かった。
「まずはジェットコースターだろ!」
「次は射的だ!」
「クレーンゲームあるすよ!」
大はしゃぎで青井を引っぱりながら楽しむつぼ浦。時間も疲れも忘れて回りきるともう夕方になっていた。
「ふぃー遊んだ遊んだ。お前は元気だなー。あ、あそこ座るか。」
海がよく見えるベンチに座ってつぼ浦の肩に手を回すと、その手に時計が着いてるのに気が付いて自分の手と並べてにっこり笑った。
「お前それ本当に気に入ってんだな。嬉しいけどあんまり腕時計に拘りあるイメージ無かったから意外だわ。」
「いやもちろんデザインもかっこ良いけど、なんとこれお揃いだぜ!?アオセンとお揃いなんて…なんか、こう…すごい!!」
「急に語彙力無くすなwそっかそっちね、お揃いがね。悩んだけど2個買って良かった、つぼ浦の笑顔も2倍だな。」
「どんくらい悩んだんすか?俺が花束って決めた時は2~3時間悩んだけどまるんが教えてくれたぜ。」
「つぼ浦に花束貰った日から考えてたから…4~5日悩んだよw街の隅から隅まで見て回って、最後に入った店で見つけてさ。」
「そんなに時間かけてくれてたのか…ますます大事にしねぇと。」
「花束だって大事にしないとな。押し花とかドライフラワーにしてくれる人がいて頼んだよ。」
「俺もなんかお揃いの物にすれば良かったなー…そしたら2個になったのに…」
「そんなにお揃い欲しいか?可愛いなぁ。…キスして良い?」
そう言うと黙って顔を向けて目を瞑った。頬を撫でながらそっと口付けをする。
「ありがと。…あー俺こんな幸せで良いのかな、明日にも死にそう。」
「アオセンが死んだら俺も死んじまうっすよ。」
つぼ浦も幸せを実感しながら、青井の肩に寄りかかって静かに海を眺めた。
コメント
4件
最高すぎて好きです() ありがとうございます()
毎回最高です もうほんとありがとうございます(´-ι_-`)