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第15話 - 事情聎取🟊←🏺の話を聞かされる🊀

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2025幎08月18日

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事情聎取🟊←🏺の話を聞かされる🊀


力二は空を芋䞊げおいた。癜い雲がモクモクず立ち䞊り、倕立の構えを芋せおいる。暑い日差しが青い圱を぀けおいた。痛いほどの倏だ。

――このたた死んだらあの雲の䞊で昌寝できるなぁ。

珟実逃避だった。

ペンギン頭のすぐ隣を手抎匟が通り過ぎる。ドン、ず錓膜が揺れた。芖界の端っこが癜く染っお、背䞭が熱颚に炙られる。それがひず぀、ふた぀ず間を眮かずに続く。眲長が吹き飛ぶ。キャップがキレる。

力二は爆発音に負けないよう、肺の奥から倧声を出した。

「぀が浊さん、萜ち着いおくださヌい」

「無理だヌっ」

ドゎォン。力二のパトカヌに匕火しお、䞀際倧きい爆発が起こった。マリオ64のボムキング。死屍环々ずしか蚀いようがない譊察眲前。北斗の拳くらい、぀が浊は蟺り䞀垯を荒らしおいた。

「あ、アオセンに殺されるヌ」

いや、今たさに俺がアンタに殺されそうです。頭を必死にかばいながら、力二は぀が浊(爆砎立おこもり犯)に声をかける。

「぀が浊さん、䜕したんですかヌ 䜕であっおも、らだお先茩喜びそうですけどヌ」

「ぐっ」

぀が浊が胞を抑えた。奜機だ。力二は䜎い姿勢で駆け出しお、぀が浊に思い切りぶ぀かった。倒れる隙に埌ろ手で手錠をかける。

「逮捕ヌっ」

「グワヌヌヌッ」

死屍环々の譊察眲前。アスファルトを炎が舐める䞭、譊察眲襲撃テロは収束した。


「事情聎取です。これ以降の発蚀は裁刀に利甚される堎合がありたす。぀が浊さんには黙秘暩が存圚したすが、俺が沈黙を蚱したせん」

「脅しか」

「黙った堎合キャップにお化粧をしおもらいたす。10秒事に1化粧です。最初はチヌクから」

「脅しだな。チクショり、キャップがマクドナルドになっちたう」

「ギタヌも持たせたすか。原型なくなりたすね」

「ク゜ッ。喋るしか道は無さそうだな」

「らだおず䜕かありたしたか」

「  」

぀が浊の動きがビタず止たった。銖から頬たで埐々に赀くなっお、額からたらりず汗が滲む。唇を倉に匕き䌞ばしたたた、ギクシャク銖を暪に振った。

「ナニ、ッ、ナむれ」

「いや分かりやす」

「ナン、なんの、こずだか」

「いやもう、分かっおんすよ。惚れた腫れたの話でしょ」

぀が浊は蹎飛ばされた猫みたいに腰を浮かせお「ぎゃっ」ず蚀った。

「皆気付いおたすから。䜕、プロポヌズでもされたした」

「ぷ、ぷろ、ぜろろ  」

「ケロロ軍曹の芪戚」

片偎に流されたモヒカンがガンずテヌブルにぶ぀かった。耐色の耳は鮮やかなオレンゞ色に染たり、片偎のピアスばかりが光っおいる。぀が浊は恥じお倩板に䌏せたたた、蚊の鳎くような小さな声でうめいた。

「プロポヌズ、も、なにもねぇだろ。  片思いだぜ」

「え゛ヌっ」

力二はひっくり返った。手足を突っ匵ったたたガシャヌンず鉄パむプの怅子ごず床に倒れる。驚愕も驚愕、痛みすら忘れる衝撃の事実であった。

「付き合っおないんですか」

「な、ない 普通にな」

「普通っお、嘘でしょ  」

「  」

぀が浊はぐっず眉を萜ずしお、サングラスを倖す。畳んで逆さに机の端に眮く。特殊刑事課1の暎れん坊は、案倖角のない青幎の顔をしおいた。

真っ赀になった頬をテヌブルにくっ぀けお、べたず涌を取る。硬いテヌブルに抌しのけられた頬肉を気にせず぀が浊は口を開いた。

「片思い歎、早2幎だぜ」

「にねん  。぀が浊さんが街に来たのも、2幎前ですよね」

「おう。  䞀目惚れっおや぀だぜ」

぀が浊はホの字を机に曞きながら照れ照れのたのた喋った。恋バナ出歯亀星人の力二はもうりキりキしおしたっお、前のめりに座り盎す。

「どこが良かったんですか。顔」

「あヌ、いや、声だ。い぀ものヘルメット被っおたから。芋えおたら顔だったかもな」

「芚えおるんですね」

「印象だけな。いいなヌっお感じの」

「かっこいい」

「  耳に銎染むから、もっず聞きおえなっお」

「ヒュヌ」

぀が浊はガンッず手錠で机の䞊を叩いた。

「バカにしおんのか」

「しおないしおない 熱烈でドキドキしちゃっお。確かに、らだおの声っおなんか萜ち着きたすよね」

「おう。  アオセンは起䌏がねえっお気にしおるけど、そこがいいだろ。凹んでおも、熱くなっおおも、アオセンの声だけはスっず入っおくる」

「あヌ。無線ずかね」

「普段萜ち着いおるから䜙蚈、アオセンが楜しそうに笑っおるず、胞が、こう」

「ドキドキする」

「そこたでいかねえ。ド、くらいだ」

力二は口を手で芆った。ニダ぀きを必死に隠し、頬の内偎を噛んで黙り蟌む。

それ、少女挫画のキュン♡ ですね。

「でも最近、ド、がドォヌン くらいになっお来およ」

キュン♡ がキュヌン♡♡♡ になっちゃったんですね。

「さっきなんかもう、ダメだ。死ぬかず思った。殺される、俺、そろそろアオセンに殺されるぜ」

「䜕蚀われたんすか」

「  『おはよ。寝癖ダバ』」

力二は぀が浊の背景に舞い散る花びらが芋えた。謎のホワホワした䞞い光ず、やけに空癜を取るロマンチックな間。芋開き1ペヌゞの堂々たるトキメキ衚珟。

「挚拶でそれは重症っすね」

「アオセンのせいだぜ。あの野郎が、かっこ良いのが悪い」

「仮になんですけど、『奜き』ずか蚀われたら」

「グワヌヌヌッ」

぀が浊が胞を抑えお怅子から転げ萜ちる。陞に䞊がった魚くらいビタンビタン暎れお、ゎン、ず机に脛をぶ぀けた。

぀が浊は地面に暪たわったたた、足を掎んで䞞くなる。

「うわ。骚折れたした」

「りヌ、痛おぇヌよヌ」

「病院行きたす」

「無理だ。最近出犁になっおな。神厎が死ぬほど銬鹿にするから  」

「そんな、なんお酷い医者だ」

「錻が折れるたで殎ったら二床ず来るなっお」

「そんな、なんお酷い譊察だ」

「コむワズラむっお蚀うだろ、病気なら治せよなぁ」

「治したいですか」

぀が浊が力二を芋䞊げた。こがれた前髪の隙間から、普段芋えない柔らかなタレ目が芋える。涙で最んだ琥珀色の瞳は、迷うように巊右に揺れおいた。

「  そりゃ、最近は仕事になんねぇし。困っおんだぜ、これでも」

「告癜しちゃったらどうですか」

「ア゛ヌッ」

「りルセヌッ 音圧で誀魔化そうったっおそうはいかねぇぞ」

「す、すたん」

たるきり野生動物の嚁嚇である。声のでかい、ずいうか舌が回った力二の勝ちだ。぀が浊は気たずそうに瞮こたっお、ガタガタ怅子に座り盎した。

「告癜か」

「はい。奜きっお蚀っちゃったら気が楜になりたせん」

「そりゃ、付き合えたらの話だろ。フラれたらもう、飛ぶぜ。厖ずかから」

「絶っっっっ察䞊手く行きたすっお」

「  、いや、やっぱ無理だ。死ぬ。正面に立぀だけで内臓が砎裂するぜ」

「グロ」

「くそ、アオセンのあの顔だ。ずりぃな。あのヘルメット、もうアオセン以倖の誰のものでもねぇ。やさな䞉十路のくせに鬌が䌌合うなんおよォ」

「぀が浊さん、らだおの顔も奜きなんですか」

「奜き、ずいうか卑怯だろ。あんな顔。なぁ、鹿ずか、あず䜕だ。クゞャクか 目がでかくお、シュッずしおお、毒のなさそうなや぀」

滅倚に晒されない青井の玠顔。力二の蚘憶にあるのは陶磁噚のような癜さだ。黒い服に包たれた皮膚は生き物の気配が薄くお䜜り物めいおいた。ロボットみたいだなぁず思ったこずを芚えおいる。

だが぀が浊はそこに、動物らしさを感じるらしい。

「ヘルメットの目元だけ芋えるの、アレが卑怯だ。圱が萜ちお真っ黒なのに目玉ばっかり光らせおる。ほずんど銃口だぜ。぀いうっかり芗き蟌みたくなる」

「魅力的っお話なら、宝石の方が䟋えずしおはいいんじゃないですか」

「たさか。宝石だったら、あんなに緊匵しねぇぜ」

「緊匵」

「するだろ。アオセンの顔芋るず、汗が止たんねぇ。呜の危機だぜ」

トキメキで汗かくタむプかヌ、ず力二は思った。぀が浊は今も仕切りに芪指ず人差し指の付け根を擊り合わせおいる。风色の皮膚は手汗で濡れおいるのだろう。

「ヘルメット脱いだらもう、兵噚だぜ。で、柔らかい台詞にあの声。無差別倧量砎壊兵噚だぜ、なぁ」

「぀が浊さんも砎壊されたんですか」

「グ  」

「い぀」

「  サヌカスで、公挔やった時。カニくんも居ただろ。アオセン玠顔、スポットラむトが圓たっおないのに、やけに光っおお  」

恋をするず瞳孔が開く、ずいうどうでもいい知識を力二は思い出した。亀感神経が優䜍になるず䞖界はキラキラ眩しくなる。恋のキラメキの正䜓はドヌパミンによる自埋神経の倉化である。

「぀が浊さん、もうそれはベタ惚れですよ。脳みそがこの人しかいないっお蚀っおたす」

「ぐ、ぐ、ぎ」

「グロンギ語」

「違う ベ、ベタなんかに惚れおねえ」

「えっ、無理ですよもう。手遅れでしょ」

「いヌや、間に合う ただ 䜙裕で」

「じゃあらだおの嫌いなずころ蚀っおくださいよ」

「そりゃもうボロボロあるぜ。たず、あれだ。幎䞊なずこ」

「぀が浊さん24で、らだおっお32歳でしたっけ」

「おう。あず2幎したらアオセン、キャップみたいになるだろ。20幎経ったらだいたい眲長だ。それで、40幎でババアに远い぀く」

「あの人童顔だからキャップにはならないそうだけど、たあ、そうっすね」

「なんか、悔しいだろ。俺は䞀生アオセン远い越せねぇんだぜ」

「越しちゃいけないものではありたすけどね、幎霢っお」

「悔しいぜ。譊察入った䞖代が違うのも悔しい。話題がちょっずズレおんのも、䜓の䞍調自慢に付き合えねぇのも、  」

぀が浊は唇を尖らせお、頬杖を着いた。逆さたに眮かれたサングラスを人差し指で぀぀いお、カシャン、ず音を立おる。

「頌られる人になれないのが、寂しい」

「頌られたいんですか」

「たいだろ、誰でも。アオセンに頌りにされたい奎なんか、ごたんずいるぜ。あ、そういう所も嫌いだな」

「確かに。俺もあの人に耒められたら舞い䞊がりたすね」

「だろ。どの方向にもいい顔しやがっおよぉ  。せめおブスになっお欲しいぜ。八方ブス」

「さっきあれだけ顔耒めおたのに」

「くそ。嫌いだ。優しくおカッコよくお声のいいアオセンなんか、倧嫌いだ」

぀が浊はグズグズ錻を啜っおサングラスをかけた。目元を拭っお、もう䞀床「嫌いだぜ  」ず蚀い蚳のように呻く。

「ティッシュいりたすか」

「いらねぇ。こういう時はな、アオセンに叱られた時のこず思い出せば治る」

「耒められた時じゃなく」

「  カニくん、ハンバヌガヌ奜きか」

「え」

「ハンバヌガヌ。めちゃくちゃ旚いハンバヌガヌ屋があるずするだろ。E5みたいなや぀だ」

「はぁ」

「その店のポテトがク゜マズむずしたら カニくん、チヌズやらテリダキやら、バヌガヌはいっぱいある。でもベチャベチャでふにゃふにゃのフラむドポテトは䞀皮類だけ」

「  」

なんずなく蚀いたいこずは分かった。掃き溜めに鶎の逆だ。アカデミヌ賞の䞭のB玚サメ映画。ファミレスのドリンクバヌごちゃ混ぜ液。宝石ばかりが溢れる箱に唯䞀混ざったプラスチックのむミテヌション。ロスサントス譊察の特殊刑事課぀が浊匠。

「アオセンにはステキな埌茩がごたんずいるけどよ、叱り飛ばされるのは俺1人だぜ」

「なるほど」

力二が思っおいたよりも、぀が浊の恋心は繊现らしい。力二は玙コップを2぀出しお、アむスコヌヒヌを泚いだ。

「でもそれで蚀うなら、らだおはふにゃふにゃポテトにベタ惚れしおたすけどね」

「嘘぀け。䞋手な慰めは芁らねぇぜ」

「ホントですっお。あの人、アンタのこず倧奜きですよ。マゞ」

「し぀こいな。そんな蚳ないだろ」

「぀が浊さん、らだおに嫌いっお蚀われたんですか」

「蚀われおねぇけど」

「けど」

「生意気な自芚あるし。あの人にずっおは、ただの埌茩だろ」

「いや、無理があるゥ」

「そうだな。ただのどころか、面倒くさい、  嫌な埌茩  だな  」

぀が浊は苊虫を噛み朰したように俯いお、コヌヒヌを飲んだ。銙ばしい苊味が喉を焌き、悲しさに詰たった胞の痛みを誀魔化しおくれる。

力二はなんかもういいかな、ず思った。面癜かったし、そろそろ話題がルヌプしそうだし。朮時だ。

「ずころで぀が浊さん。聎取っお倧䜓この郚屋でやるじゃないですか」

「あ 䜕だ急に」

「あそこの鏡っおなにか知っおたす」

「マゞックミラヌだな。  え」

「隣の郚屋に誰がいるず思いたすか」

「  」

぀が浊の脳裏にこの郚屋で話した内容が思い出される。青井に片思いをしおいるこず。声が奜きだ顔が奜きだ、幎䞊で八方矎人で自分だけを耒めおくれないずころは嫌いででも叱られるのが1人だけなら悪くない  。

心臓がV12゚ンゞンよりも匷く拍動しおいる。頬が信じられないくらい熱くお、鏡から、隣の郚屋から目が離せない。

「ア、あお、せん  」

震える声をかき消さないよう、力二はそっず扉を閉めた。あずはお若いお二人で、ずいうや぀だ。郚屋の䞭からボ゜ボ゜人の話し声が聞こえたが、悪いこずにはならないだろう。

「コヌヒヌ飲み盎そ。あヌ、クッ゜甘かったぁ  」

腕を䞊げ背䞭を䌞ばす。


翌日、ロスサントスにカップルが増えた。譊察同士のラブラブいちゃいちゃバカップルだった。

この䜜品はいかがでしたか

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