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私…とんだマセガキじゃん…!
それはあるネットサイトの広告から始まる。
たまたまその広告にタクミ様そっくりのキャラクターが出てたから気になってタップしたが、まさかのアッチ系の漫画の広告に驚く。
すぐさま戻ろうとしたが、タクミ様そっくりだったのか気になってしまい、シオンがいないかを周りに確認をして漫画の続きを見てしまった。
私の知っているタクミ様は優しくて、女子誰もが憧れるような存在だが、この漫画のキャラはかなり意地悪な性格なのだ。
焦らしプレイや道具、様々なプレイをしているシーンに自分自身自覚している程頬に熱が伝わっていた。
これはタクミ様じゃない……!でも……でも…!!!!
分かっているのに漫画の続きを読んでいき、気がついたら【続きは本編へ】まで読み進めていた。
そこでハッと意識が戻り、すぐさまサイトを閉じる。
「私…とんだマセガキじゃん…!」
枕を取り、自分の顔に押さえつける。
すると、ガチャっとドアの開く音が聞こえた。
それは、お風呂上がりでタオルを首にかけて顔の水滴を拭いてたシオンだった。
「どうしたの、リオン? 枕に顔を擦り付けて」
「な、何でもない!私はもう寝るね!おやすみ!」
「お、おやすみ…?」
勢いよく布団を被り、無理やり自分を寝かせる。
さっきのサイトの漫画の内容が頭にこびりついて忘れられない。
その上、自分はした事がないから他の人で考えてしまう。
えっち…か……シオンとレオくんもやってるのかな……?
小学四年生から付き合ってるもんね…一回ぐらいは……って何考えてるの!?
ほんっとに私最低じゃん……!!!!
自分で考えてたくせに自ら自滅していた。
気がついたら意識を失っていた。
朝の日の出が差し込み、目が覚める。
うたうたの状態で身体を起こすが、辺りはまだ暗かった。
スマホで時間を確認したら、いつもよりも早く起きてしまったんだ。
シオンは朝の滝修行だったため、もういなかった。
そういえば、昨日は珍しく早く寝たっけ……。
と思い、無意識にTwitterを開くと昨日の漫画の広告が出ていた。
「えっ、これは昨日の……」
シオンはまだ帰ってこない……よね?
恐る恐るそのサイトに指を動かす。
「わぁ……すごい……」
何度見てもタクミ様そっくりだし、内容が内容だ。
でも、あくまで広告だから途中までしか見れない。
そこからは課金だ。
だけど、続きが気になる……。
「いつか広告されなくなるし……えいっ!」
思い切って購入!
あっ、この漫画連載中だ……通知はONにして……。
スマホは誰かに見られなければいいだけだし…!
よし、ちょっと早いけど学校の準備してこよう!
「おっはよー!!」
学校に着くと、元気よくケーちゃんが挨拶してきた。
そこにはチャック、エイジ、レオもいた
「おはよう!ケーちゃん」
「朝から元気だねぇ、ケーちゃんは」
「ねぇねぇシオン、リオン!来週の体育祭の二人三脚のペア決まった?」
そういえば、体育祭なんかあったっけ……。
しかも、競技は一人必ず一個は出ないといけない。
だから、私はまだやれそうな二人三脚を選んだけどペアは決まってない。
「ううん、決まってないよ。ケーちゃん達は?」
「私は……『俺と組むんだぜー!』って勝手に決めんなし!!」
チャックは相変わらずだ。真っ先にケーちゃんを選んだ。
まぁ、何となく予想はしていた。
ケーちゃんは嫌々言ってるけど、なんだかんだ好きなのが丸見え。
なのにまだ付き合ってないと言い張る。
「なぁ、シオン。もし、良かったら俺と組まないか? 」
「私も今同じこと思ってたところよ。レオ、一緒に頑張りましょ!」
シオンとレオくんもケーちゃん達の流れ的に組むことになった。
二人はずっと仲良いし、息もピッタリだからペアに最適だと思う。
いいなぁ…私もそういう仲が良くて気の合う彼氏が欲しいな……。
いや、その前にまずはペアか…でも、余った人が…
「はぁ……なんで毎回毎回エイジくんが残るのかな……」
「それはこっちのセリフなのだ。お前も早くペア探せなのだ」
「はぁ!?それはエイジくんもでしょ!もう……って」
ペアが決まれば、生徒会に提出する選手の記入表が私とエイジくん以外全員記入されていた。
ということは私とエイジくんが余っているから強制的にペアになってしまった。
「何でエイジくんとペアなの……あーあー、早くペア作れば良かった」
「あのなぁ……」
お互い不満なのかいつもの口喧嘩が始まった。
口喧嘩が始まると周りの人はまた始まってる、夫婦喧嘩だ、など茶化しつつその場を見守って誰求めてくれない。
結局お互いが顔を逸らしてようやく終わる。
と、第一回目の口喧嘩が終わっても来週は体育祭。
一日一限は必ず体育があり、その時間に練習をする。
私とエイジくんは二人三脚しか出ないから、ひたすら二人三脚の練習をする。
「お前、俺のためにスピードを合わせるのだ」
「はぁ!?何でエイジくんに合わせないといけないの!!
それに、私は運動得意じゃないからエイジくんが合わせてよ!」
「何故なのだ、お前が合わせろなのだ 」
「もう……本当にそういうところだよ」
これ以上言っても無駄だから仕方なく紐を括りつけて肩を組む。
「……っ!」
「……どうしたなのだ?」
「い、いや!何でもない!!」
何故だろう……ただ肩組まれただけなのに身体が反応してしまった。
そういえば、タクミ様そっくりのキャラは肩を組んで雰囲気を作ってから……って私、何考えてるの!?
「お前、顔が赤いのだ。大丈夫なのだ? 」
「え、いや、な、なんでもない!!さっ、練習始めよう!」
「……分かったなのだ」
最悪、漫画のことがフラッシュバックして練習に集中できない……。
よく見ると…エイジくんってメガネ外したらタクミ様に似て……
「っきゃ!」
バランスが崩れ、体勢を立て直そうとするけど、立てなかった。
そんなエイジくんは珍しく私を心配する。
「リオン!大丈夫なのだ!?」
「え、エイジくん……?ごめん……」
「さっきより顔が赤いのだ。少し休むなのd……って大丈夫なのだ!?」
意識が朦朧としていた。
エイジくんは心配してるけど、声が聞こえな……
「…………ん、ここは……?」
気がついて、目を開けると白い天井が自分の視界いっぱいに広がってた。
私は意識を失ってた……?
そういえば、私エイジくんと二人三脚の練習をしてそこから記憶が無い……。
「保健室なのだ。お前、大丈夫なのだ?」
「エイジくん……?何で……」
「お前がいきなり倒れたから運んでやったのだ。感謝しろなのだ」
「あ、ありがとう……ごめんね…迷惑かけちゃって…」
と言っても、どうせエイジくんのことだから愚痴愚痴文句を言ってくるのだろうな。
まぁ、もう慣れっこだけど。
「いや、別にいいのだ。お前が無事で良かったなのだ」
「え…………あ、ありがとう」
まさかの反応で思わず驚きの声が上がる。
以前のエイジくんだったら『そうなのだ。俺にこれ以上迷惑かけるなのだ』って言うはず。
にもかかわらず、私のことを心配してくれた。それに対して私はちょっと嬉しいって思ってしまった。
「今日のお前、ずっと顔赤いなのだ。本当に大丈夫なのだ?」
「だ、大丈夫!大丈夫だから!!
……あっ、そうだ!エイジくん、放課後練習しようよ!」
「え、はっ、何でなのだ!嫌なのだ」
「だって、私…エイジくんに迷惑かけちゃったし、それに本番の時に練習みたいなことになりたくないの!」
「分かった、分かったなのだ。だから…その、距離取ってくれなのだ…」
「ご、ごめん……!」
エイジくんがあんなに顔を赤くしてるの見た事ない。
それに、自分がエイジくんの顔を近づいてまでお願いしてたのが恥ずかしすぎる。
私、めちゃくちゃ必死じゃん。
「じゃあ、今日の放課後昇降口で待ってるね!」
約束が出来たのであればと思い、思いっ切り身体を起こし保健室から出ていく。
エイジくんは「え、体調は?」みたいな感じだったけど、嬉しくてつい置いて行っちゃった。
「全く……世話がやける奴なのだ…」
ま、そこが可愛いからいいのだ。
「あっ、エイジくん!待った??」
時が経てば約束の時間だった。
集合場所に向かうと既にジャージ姿のエイジくんが待っていた。
「いや、俺も今来たところなのだ。さっ、早く練習しようなのだ。
てか、お前ジャージは?寒くないのだ?」
「大丈夫!どうせ走って暑くなるから!」
場所は小学校の時によくみんなで遊んでいる公園だ。
ここなら練習にピッタリ。
「よーし…始めるよう!」
授業ではまともに練習出来なかったけど、いざやって見ると思った以上に気が合い、すぐに走れるようになった。
自分で言うのもアレだけど、エイジくんとは小学生からずっと一緒に遊んでたりしてたから、すぐに息を合わせることが出来た。
あれ、私とエイジくん意外と気が……って何意識してんだろう。
今は練習に集中しないと……!
「思った以上に走れるのだ。流石俺の犬なのだ」
「あー!今犬って言ったー!もう、いつの話してるの?!」
「なんだかんだ、今でもお前は俺の発明に頼ってる時があるのだ」
「確かにそうだけど……って、きゃっ!」
目に液体らしきものが直撃した。
上を見上げれば雲が多く、雨がポツポツと降り始めた。
いきなりの雨な上に私達は足首を括り付けているからすぐに行動ができず、急遽遊具の下にあやまどりすることになる。
「おい、リオン。今日はもう辞めるの……だ……」
「いきなり雨降るとか最悪〜……天気予報ちゃんと確認すればよかった……」
せっかく、練習してたのに雨が降ったら出来ないじゃん。
せっかくエイジくんがやる気になってたのに。
それにジャージを持ってきてないから体操服がビショビショだよ……。
「お前、これ着るのだ」
「え、エイジくん……?あ、ありがとう……」
いきなり、ジャージを羽織られる。
ってよくよく見たら体操服が濡れて下着が透けて見えてしまった。
まさか、エイジくん…私のために……?
「あ、あの……リオン……」
「どうしたの?エイジくん」
「このまま止みそうにないし、良かったら俺の家にあやまどりしに行かないかなのだ?」
「えっ……行く!行きたい!」
「じゃあ、もう一走りするのだ!」
手首を掴まれ、走り出す。
この時のエイジくん、めちゃくちゃ男らしい……それに今、手を繋いでる…エイジくんの手ってこんなに大きかったっけ…。
ってなんでこんなに意識してんの……。
エイジくんの家に着き、タオルや着替えを出してくれた。
「お前に風呂を貸してやるのだ。風邪をひかないうちにさっさと入るのだ」
「ありがとう、エイジくん!早速、使わせてもらうね!」
遠慮なくお風呂借りに行く。
「………ん?」
リオンがお風呂行ってる間のことだ。
ピコンというスマホの音がなった。
明らかに俺の音では無い。
リオンのスマホなのだ?
「こ、これは…………」
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