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不破Side
俺の視線の先にはーーがいた。
ーーは俺と目が合うと顔がみるみるうちに青ざめていった。
ドアをピシャッと閉めるとーーの影が走っていくことが分かった。
俺はーーを追いかけるため、腰を大きく振り先輩の気を失わさせた。
ーーは思ったより遠くには行かず、廊下に座っていた。
汗がダラダラと垂れていて、焦っている様子だった。
ーーの背後に行き、肩を叩いた。
ビクッと動き、ーーは俺の方を向く。
俺を警戒している様子で用件を聞いてきた。
警戒されると都合が悪いので、「ーーと仲良くなりたい」と言った。
するとーーは「なんで名前を知ってるの」と言う。
だから俺は「ーーが有名だから」と言ったんだ。
別に嘘をついたわけではない。
だって、ーーは生徒会から一目置かれる存在だったからだ。
俺、不破湊は生徒会に所属している。
生徒会には女子生徒が所属していないのだが、現生徒会長の叶センパイが
ーーに生徒会に入ってほしいらしく、今 生徒会 全員総出でーーを勧誘
しようとしているのだ。
生徒会には美形しか居ないため、すぐ勧誘成功となるんじゃ、と思っていたが、 ーーはいつも捕まらない。
まぁその理由は単純な事で、
生徒会メンバーがーーを見かける度に勧誘に行こうとするのだが、
ーーの元に行くまでに凄く時間がかかる。
生徒会メンバーの周りにはいつも黄色い歓声をあげる女がちらほらといる。
女に囲まれていると行動しづらく、そこで時間を食っているうちに
ーーは他の所へ移動していく。
だから、勧誘をするどころかーーと喋ることもできていない。
ーーを勧誘することが難しいから、今日まで生徒会メンバーは頭を抱えてきた。
でも今、ーーと喋ることができている。
これはチャンスだ。
絶対に逃さない、逃させない。
そう思い俺は生徒会室にーーを連れて行こうとしたのだが、
俺はこのチャンスに気持ちが昂ってしまい歩くスピードが速くなってしまった。
しかもーーが俺に声をかけて速いことを教えてくれるまで気づかなかった
俺としたことが…と思って反省していると、ーーが心配そうな目で俺の顔を覗き込んできたのだ。
俺は女を心配することはあるけど、心配されることは1度もなかったので
ビックリした。
それと同時にーーがとても愛おしく感じたんだ。
衝動に身をかられ、ーーにキスをしてしまった。 長く甘いキスを。
途中からーーは俺の胸を叩いてこちらを見てきたが、
瞳が涙で潤んでいて、そんな目で見られると興奮してキスが止まらなくなってしまった。
とうとう息苦しさに耐えられなくなったーーが俺を突き放して言った。
『このヤリチンが、!//もう一生アンタとは会わない!』
どう返答しようか迷っていると、遠くから女子生徒がーーを恨めしそうに
見ていた。
それを見て俺は、口角を にぃっ とあげ、
「それは無理やと思うで笑」
と、返した。
ーーは青ざめて、走って教室に帰っていった。
その時から、俺はーーに惹かれていたんだ。