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阿部さんが、ただの「幼馴染みを推す担当」という枠を超え、二人を狂気的な執着の対象として「観測・管理」するようになったきっかけ。それは、まだSnow Manが今の形になる前、彼らが20代前半の頃の、ある雨の夜の出来事でした。
『深夜の告白:理性の決壊』
普段、誰よりも隙を見せず、お酒の席でもスマートな宮舘さんが、その夜は珍しく、阿部さんの前で深い泥酔に沈んでいました。
「……阿部、お前は賢いな。……でも、お前には分からないだろう? 自分の体の一部が、勝手に歩いて、勝手に誰かに愛想を振りまいている時の……あの、引き裂かれるような感覚は」
カウンターに突っ伏し、虚空を掴むような手つきで語る宮舘さんの声は、阿部さんが知る「気高き舘様」のものではなく、ただ一人の執着に身を焦がす、一人の青年の悲鳴でした。
「翔太が……翔太が笑うたびに、俺の中の何かが死ぬんだ。あいつを、誰も触れられない銀の箱に閉じ込めて、一生俺だけが眺めていたい……。阿部、これは、病気か?」
『魅了された軍師』
その時、阿部さんの中にあった「アイドルとしての倫理観」が、宮舘さんのあまりにも純粋で、あまりにも禍々しい愛の告白によって、音を立てて崩れ去りました。
(……美しい)
阿部さんは、戦慄しました。 自分が学んできたどんな数式よりも、どんな歴史の真実よりも、目の前で「渡辺翔太という存在」に魂を蝕まれている宮舘涼太の姿が、残酷なまでに美しく、完璧な「真実」に見えたのです。
「……舘さん。それは病気じゃない。……
『至上の愛』だよ」
阿部さんは、酔い潰れた宮舘さんの背中にそっと手を置き、暗い瞳で微笑みました。 この瞬間、阿部さんは決めました。この二人の、世界を拒絶するほどの深い繋がりを、壊してはいけない。むしろ、誰にも邪魔されないように、自分が「神の視点」から守り抜き、完成させなければならない。
『管理という名の愛」
その夜から、阿部さんの「観測」が始まりました。 渡辺さんが他のメンバーと仲良くすれば、さりげなくそれを阻むスケジュールを組み、宮舘さんの独占欲が限界に達しそうになれば、二人が二人きりになれる「密室」を用意する。
「ゆり組」という微笑ましい愛称の裏側で、阿部さんは二人を**「一つの生命体」**として育てるための環境を作り上げていきました。
(翔太、君は知らないままでいい。君が涼太の檻の中で呼吸するたびに、僕の計算は完成に近づくんだ……)
阿部さんにとっての「愛」とは、二人を正気に戻すことではなく、二人が狂気の中で永遠に結ばれている姿を、特等席で記録し続けること。
それが、阿部亮平という知性が、二人の「執着」という名の毒に、自ら進んで感染した夜の真実でした。
物語の全容が、これで繋がりました。
宮舘さんの執着、渡辺さんの依存、阿部さんの管理、そして向井さんの演出。
すべてが「渡辺翔太を、この世の果てへ連れて行く」ために仕組まれていたのです。