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「 武装探偵社 に 気になる人 が いる 。 」


何時も通り 、 首領である太宰 の 隣 で 、 口喧嘩をしていた時だった 。

そんな 言葉が 聞こえてきたのは 。


「 武装探偵社ァ ? なんでンなとこと … つか 、 いつ会った ?! 」

一体いつ ?

ずっと 一緒にいたのに 、 真逆 ミミックのときに ?


「 江戸川乱歩 、 という人でね 、 あの人は素晴らしい 。 私の斜め上を行く方 なのだよ 。 」


知らない相手 が 、 褒められている 。

自分は 、 褒められたことなんて 、 なかったのに 。

あの 白い死神 でさえ 、 称賛なんて言葉 は 貰っていない 。


「 中也 、 乱歩さん を 探しに行く 。 君はここでお留守番 。 できるね ? 」


嫌だ嫌だ 、 嫌だ 。


「 手前 が いなきゃ マフィアは成り立たねえ 、 それに そいつ が 手練れだったら ? 身体に爆弾を 仕掛けていたら ? 」

「 乱歩さんは 、 優しいお方だ 。 そんな 、 周りを巻き込むようなことはしない 。 」


自分のすべてを 、 否定されたような気がした 。

それでも 、 どうしても 行くのを 止めたかった 。


「 なら 、 せめて … 俺を 」

そう 言いかけたときだった 。

深い ため息と 、 体の隅々が 凍りそうなほどに 冷たい声が聞こえてきたのは 。



「 あのさァ 、 君には関係ないでしょ 。 私と君は 唯の上司と部下 。 私達の間にあるのは それだけ 。 」



自分は 、 太宰 に とっては どうでもいい存在だったのだ 。

唯の部下 、 唯の幹部 。

特別でも 、 なんでもない 。


自分の思い上がりだった 。






酸化する世界から

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