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3名の女生徒が狂ったように男子トイレの便器で洗顔するという事件のせいで授業の開始は少し遅れた。
「……まぁ、多感な時期だからな。色々とあるんだろう。先生も孤独を拗らせすぎて奇行に走ったことはある。流石にあんなに気持ち悪いことはしたことがないが……」
担任教師のアンナは生徒のフォローでもするかと思いきや、最後にズバッと切り捨てた。
やっぱり、良い教師ではないと思う。
「では、授業を始めるか。1時間目の授業は『合同実技演習』だ、移動するぞ」
◇◇◇
アンナ先生に連れられて、俺たちはクリスタリア魔法学校の魔法演習場へと向かう。
「やはり実技が一番だからな、習うより慣れろだ」
そう言って笑うアンナ先生の後ろを他の生徒と混じってミリアと一緒に歩く。
「ラティス様、先ほどはありがとうございました」
「そういえば、ミリアはどうして学校一の魔法使いになりたいの?」
「はい、学校一の魔法使いになればクリスタリア魔法学校の代表になれます。そして、代表として魔法大会に出て優勝すれば。『特権』が与えられるんです」
(ラティス君の頭の中にその情報はないな……まぁ、そんなことを考える余裕もなかったんだろうけど)
「その『特権』って何?」
「はい、様々あるのですが……私の目的は魔法使いの捜索です。どうしても会いたい魔法使いがいまして……」
「……まさか」
「はい! コルネリア様です!」
ミリアは瞳をキラキラと輝かせる。
すまん、ソイツもう死んでるんだ……。
「ラティス様はどうして私を学園一の魔法使いにするなんて言ってくださったんですか? やっぱり、私を守る為に……」
「最初はそのつもりだったけど……ミリアがコルネリアに会いたいっていうなら協力するよ。楽しそうだしね」
「ラティス様……ありがとうございます!」
(それに、俺がラティスに転生した理由も分からないままだ。ミリアが俺と会うことを願ったなら、それが何らかの形で成就した可能性もある『願い』と『魔法』の関係性……興味深い)
「着いたぞ、ここで合同実技演習を行う」
アンナが親指で魔法演習場を指さす。
そこは、広々とした屋外で、壁や床には魔法障壁が張られていた。
(それにしても『合同実技演習』か……合同ってことは――)
「あっちに居る、A組の生徒と一緒に行うぞ」
俺の予想は的中し、魔法演習場には俺たちC組とは別のクラスも来ていた。
そして、その中心には――
「よう、ラティスじゃないか。本当に学校に来てたんだなw」
俺が追放される様子を笑いながら見ていた弟。
レニール・レオグラッドが嘲笑うような笑みを浮かべていた。