テラーノベル
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「レニール……。今朝ぶりだね」
「おい、聞けよみんな! コイツ、『無色の魔法紋』なんだぜ! 信じられねぇだろ!w」
レニールがそう言うと、A組の生徒たちはゲラゲラと笑う。
もうそのやりとりは飽き飽きしてるんだが。
「――こら、レニール。そのように他者を見下す態度は貴族として相応しくないぞ」
レニールの担任の先生と思わしき初老の男性が注意した。
そして、笑いながら言葉を続ける。
「『失敗紋を持った者は魔法使いとして活躍できない』のが事実だとしても、夢を追い、人生を無駄に費やす権利はあるのだ」
「――あ?」
今の話を聞いて、うちのクラスの担任のアンナが不良のような声を出す。
「聞き捨てなりませんね、エドウィン先生。どんな生徒、どんな魔法紋章を持った者にも可能性があります。なのに、大人の貴方が生徒に何を言っておっしゃられているのでありましょうか?」
敬語が怪しいが、アンナの言っている事は正しい。
俺自身がその実例だ、上位魔法の世界では最も活躍が難しいとされる赤の紋章で『世界一の賢者』と呼ばれるまでに成りあがってきたのだ。
他の紋章もそうだ、いくらでもやりようはある。
エドウィンと呼ばれた初老の先生は笑う。
「これはこれは、アンナ先生。初々しいですなぁ。良いですか? 不良品は不良品、魔法使いになどなれないんです」
「生徒は物じゃねぇんですよ、エドウィン先生。もっと、努力を信じてあげてはどうでしょうか」
「ふっ、努力。如何にも3流魔法使いの言いそうなことですね」
踵を返すと、アンナは俺たちに小声で囁く。
「おい、お前ら。今回の魔法演習、アイツらには絶対に勝つぞ」
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