テラーノベル
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その時、玄関のドアが激しく叩かれた。
「開けなさい、瑞希!!」
飛び込んできた絵名は、怒りと涙で真っ赤な瞳をしていた。
「瑞希の嘘なんて、毎日あんたの顔を見てる私が見抜けないと思ってんの!?」
絵名は瑞希の手を強く握りしめる。
その温かさが、瑞希の喉を焼く熱を溶かしていく。
「……ボクがいたら、絵名まで汚れる……っ。ボクという存在が、君の未来をめちゃくちゃにするのが怖くて……っ」
溢れ出した涙と一緒に、喉の奥に仕えさせていた本当の言葉が、震えながら形になる。
「ボクは……絵名のことが好きだから……好きな子には、笑っててほしかったんだ」
絵名は瑞希を、二度と離さないほど強く抱きしめた。
「バカね。あんたがいない世界で、私が笑えるわけないでしょ。あんたを一人になんて、死んでもさせないわよ」
「でもっ…!ボクがいなければ…っ、こんなことになんて、なってなかった!全部、ボクが悪いんだ!」
そう叫んだ瑞希は玄関の扉を勢いよくこじ開け、絵名を突き飛ばした。
「痛っ…!」
「あ…、っ…!」
瑞希が外に向かって走り出す。
絵名はそれを呆然と見つめることしかできなかった。
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