テラーノベル
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注意
ソファに体を預け、スースーと浅い寝息を立てて眠っていたユーキ。
そこに、ガチャリと控え室のドアが静かに開き、リョウガが現れる。
リョウガはユーキの眠るソファのすぐ傍に歩み寄り、そっとかがみ込んだ。
「……ユーキ」
返事はない。すやすやと心地よさそうに眠る赤髪の頭を見下ろし、リョウガは少しだけ息を整えてから、もう一度呼んだ。
「……ユーキ」
「んー……」
ユーキがゆっくりと重い瞼を持ち上げる。
ぼんやりとした眠い目で目の前の人物を捉えた瞬間、ユーキの視界に入ってきたのは、
リョウガ。
そして――
その顔をよく見れば、目元から耳の先まで、隠しきれないほど真っ赤に染まっている。
……その絶妙に気まずそうで、
なのに妙に熱を含んだ
視線。
空気。
言葉にしなくても、ピンとくる。
これは、そういうやつだ。
今日の仕事が終わったら…………
そう、
――夜のお誘い。
「……ん、分かった」
寝ぼけ眼のまま、ユーキは低く掠れた声でぽつりと言った。
リョウガはビクッと肩を揺らし、
気まずそうに視線を泳がせながら、短く返す。
「……おぅ」
お互いに、それ以上ハッキリと言葉にしたりはしない。
言葉にしなくても、
視線が絡み合っただけで、
お互いの体温も、
これからの予定も、
すべて分かってしまうから。
周囲から見ればただのメンバー同士の静かな一コマだが
当の二人はと言うと、
リョウガは耳が赤いままそっぽを向き、
ユーキは手にしていた台本を持ち上げ
自分の顔の上に覆い被せ、「……寝る」と再び静かに目を閉じた。
誰も気づかない楽屋の片隅で、
ふたりの間だけにひそやかに漂う、
甘くて熱い……日常。
コメント
1件
あ、これ……すごくいいですね。言葉にしないけどお互い分かってる、あの空気感がたまらないです。赤くなったリョウガさんと、台本を顔に被せて「寝る」って言うユーキさん、逆に照れてるんじゃないですか? 甘くて熱くて静かな日常、めちゃくちゃ好きです。続きが気になります!
#黄紫
サファイア
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