辛い……怖い…嫌だよ……
「ヒュッひゅぅ……ッゲホ」
辛い…息が上手く出来ない…怖い怖い怖い
外は昼間の太陽で明るくてらされているというのに、俺の部屋は真夜中のように暗く感じる。目の前がクラクラする……視界が歪む……駄目だこれ…誰か……誰か…誰か…!!
ガチャ!!
「こったん!!!!」
あれ、誰か来た、、?
「こったん、大丈夫!?」
この声…ゆうくん……?
「……~!~?ッ」
なんか言ってる……なんだろ…
「…ゆ…、く」
「!、こったん、落ち着いてゆっくり息吸って」
「すー……、、、はぁゲホッヒュッ」
「そう、もう1回」
「すー…」
呼吸を重ねる度に瞼が重くなるのを感じる。疲れた…ねむい…意識が飛ぶ…そう感じた後の3回ほどの呼吸で、ゆうくんの声が段々と途切れていき、次第に視界が暗くなった。
気づけば俺は、深い眠りについていた。
“~……~?”
ん?声がする
“~……た”
これは…
“こぉた!”
くにおちゃんだ。
“こたぁぁ、解散しないよ!!”
いや、今解散に現実味がかってるけど
“こた?ふふ、呼んでみただけ~!”
なんだそれ
“こた、俺たち最強スーパーカップル!!”
うん
“こたのそばに居ると安心出来る”
そっか
“こた、大好き”
俺、は…
“ッ…!!ごめん……ッ!!”
俺、ッは…
俺は____。
トントントン…
「ん……」
暖かい……これは毛布?
「ぁ……」
キッチンからいい匂いがする…なんだろ…
あ、そっか……俺ゆうくんに……
「あ、こったん目覚めた?」
そう言って駆け寄ってきたゆうくんは、心配そうに俺を見つめる。
申し訳ないことしたな。
「うん…ごめんね?迷惑かけちゃって……」
「!そんな!全然迷惑なんかじゃないよ?」
迷惑…かけてしまった。この事でメンバーには絶対に迷惑をかけたくないと思っていたのに。最悪だ、俺。
「うん、、ありがとう」
「あ、そだ!ゆうさんお粥作ったんだった!」
「え?作ってくれたの?」
「うん、今持ってくるね!」
「ん、ありがとう」
ゆうくんの優しさが今は何よりも心に染みる。
コトッ
「はい、お粥」
「ありがとう、美味しそう」
「口に合うかわかんないけど、、出来れば食べといて欲しいかな、!」
「うん、ありがとう」
俺の顔を見てそれを言ったのだろう。多分、酷い顔をしている。少なくとも健康には見えないだろう。
「いただきます」
「うん!」
「……美味しい」
「ほんと?良かったぁ!」
ゆうくんの明るい笑顔を見ると少し元気が出る。
久々に温かいものを食べたかもしれない。
くにおは……くにおは
俺が今、心から感じる食べ物の温かさも、?
人の心のこもった料理も、?
人【ケーキ】を食べてしか甘さしか感じれないの?
今更すぎるけれど、一体どんな人生を送ってきたんだろう。
俺は…閉じこもってばかりで、周りが怖くて、どうしようもなくて…誰かに…そう……誰かに、
パクッ
「………」
あったかい…。
「…………」
「、!?」
うん、それのせいだ。お粥が温かいから、
あまりにも温かいから。
そうじゃないと、視界が急に曇った理由がつかない、
弱い自分を、これ以上認めたくない
「こったん、泣いてるよ?」
「…うん、」
「どうしたの、?」
そう聞かれる間も、止まらないそれを
何かのせいにしたくて、
でも
「ゆ、くん…ッ」
「うん」
「聞、てくれる…ッ?」
「うん、」
俺は、ポツリポツリと今までの事をゆうくんに全て話した。
「、俺は、ッ…」
自分がケーキだという事、過去の事、くにおとのこと。
「……ッヒュッ…ヒュッ」
「大丈夫、こったん、ゆうさんのことちゃんと見て?」
「…ッ…」
ずっとずっと、誰かに、誰かに、誰でもよかった、自分の事、吐き出したかった。
話している中でその時のことを思い出して、途中何度も何度も過呼吸になったが、ゆうくんがその度に安心させてくれて、
全てを話した。
コメント
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すごくいいストーリーで心に刺さりました。
否、神でしたね!!!