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「えっ?」

「だからね……」

「うん」

「あそこに見える山とか森とか海とか空とか星とか太陽とか雲とか月とか花とか木の実とか石ころとか水溜まりとか虫とか猫とか犬とかカラスとかハトとか牛とか馬とか羊とか猿とかゴリラとか鹿とかイノシシとかウサギとかリスとかカエルとか魚とかイカとかタコとかカニとかエビとかヤドカリとかイソギンチャクとかウニとかシャコ貝とかクラゲとかムカデとかヤスデとかフナムシとかダンゴムシとかミジンコとかワカメとかフジツボとかサンゴとかさざえとかね!そういうもののことだよ!」

「わかんないよー!」

「だからさぁ……って、あれ?なんの話してたんだったけ?」

「ん~っとねぇ、確か、ぼくがしんじゃったときのことぉ」

「ああ、そうだ。思い出したぞ。おまえが死んだときの話をしていたら、なぜかおれまで死んだ時のことを思いだしちまったんだ。つまり、あれだな?人生とはすなわち、死んでからのことを指して言う言葉だったってわけだ」

「……何を言っているんです?」

「わからんか?人生の定義だよ。死こそが、人間の一生なんだ。だからぼくたちは、死ぬために生きていることになる。つまり、生きることは、死ぬための準備運動に過ぎないんだよ。わかったか?」

「全然わかりませんよ」

「そうか。それは残念だな」

「それにしてもよく覚えていましたね、ぼくのことなんて」

「忘れていたさ。だけど、つい最近になって急に思い出しはじめたんだ。きっとおまえのおかげなんだろうな」

「ぼくは何もしていないですよ。あなたが勝手に、都合よく解釈しているだけです」

「わたしが、あなたの言うことを信じる根拠はないわね」

「なら、信じなくていいです。別に構いませんよ。ただ、ひとつだけはっきりしておきたいことがあります。それは……」

彼は、はっきりと言葉にした。

「ぼくがここにいるということが、 あの時起こったことの証明になるんです」

彼女は、わずかに目を見開いた。

それから、ゆっくりと唇を動かしていく。

「……わかったわ。それで、何をしてほしいの?」

「簡単ですよ。あなたの願いを教えてください」

「本当に簡単なのね。でも、どうしてそれを叶える必要があるの?」

「あなたに幸せになってほしいからですよ」

「それだけで十分じゃないの。だって、それが一番難しいことでしょう?」

「違いますよ。あなたにとっての本当の望みを見つけることが、最も困難な道でしょう。だから、まずはそれを見つけてほしいんですよ」

「あら、そうなの。意外だったわ。」

「え?」



「あなたみたいな子供まで来ていたなんてね。」

その人は、楽しそうにクスリと笑った。

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