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隕石が残していったへこみの凹凸細目は、手袋の上からでも感じられた。石が相当なスピードで激突し、瞬時にはじけていったことを静かに語っている。レーダーの舳先を折る位置でなかったことは、不幸中の幸いだった。

これまでも砂の多い帯を超えたとき、惑星間の戦争に巻き込まれたとき、石にぶつかったことは幾度かあった。事実、機体に窪んでいる個所は他にもいくつかある。それでもこれまで大事に至ったことはない。ボディは飛来物を柔軟に跳ね返す弾力性を、ある程度持っている。

「あっちからこう来て、ここにぶつかって、すると力はこっちに逃げて……」

郷田は念のため、機体の反対側へ回り込んでみた。

目で見ただけではわからなかった。そこにある小さな方向指示器をチェッカーで測量してみると、穂先がわずかにずれていた。衝突の衝撃によるものであることは、すぐに推測できた。しかし、この程度のずれが問題になることはない。郷田は角度をちょこんと直すと、ちょぼちょぼと光を漏らす船の窓へ向って命綱を手繰った。

宇宙の果ての向こう側

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