テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
💛視点
「、、、ひどい顔」
自宅の洗面所の鏡の前、泣き腫らした目とガサガサの唇、浴室で中に出された精液を掻き出した後、鏡に映った自分の姿が酷すぎて何だか笑える
掴まれた腕にはくっきりとセイの手の跡、首もよく見るとうっすら痣になっている
取り敢えずスキンケアを念入りにして目を冷やした
明後日からの仕事内容を確認して、念には念をと痣が早く治る方法を検索して実践してみる
速水さんの屋敷で思いっきり泣いたせいか憑き物が落ちたようにスッキリしている、体は怠いし所々痛むけど、ここ最近ずっと目を背けてきた事をしっかりと自覚したせいだろうか?
自分は変態なんだと
俗に言うマゾという部類の人間か
速水さんは、それを見抜いていたから俺を誘ったのか?
わからない、、、
ブブッ
スマホが鳴って画面を見るとメンバーのグループLINE、勇斗から明日自分の家に集まらないかというお誘いだった、しばらく静観しているとそれぞれ了解の返事が来ていた
明日か、、、タートルネックの長袖を着ていけば大丈夫かな?
スマホを手に取り自分も了解の返事をする、暫く画面を上にスクロールして過去のやり取りを眺める、表に出せないくだらないやり取りや画像を見てふっと笑ってしまった
5人で写っているのを見つめる、屈託なく笑い合って楽しそうだ
楽しいんだ、、、こいつらといると
無くしたくない、絶対に、、、
だからさ、俺、、、
みんなにバレないように頑張るからさ、、、
一緒にいさせてほしい、、、
ごめんな、みんな、、、本当、ごめん
こんなリーダーで、、、
こんな俺でごめん、、、
『カンパーイ!!』
翌日の夕方から勇斗の家に集まってご飯を食べながらのYouTube撮影が始まった
去年の忘年会以来だから約4ヶ月振りにメンバーだけの他愛無い時間にみんな楽しそうだ
頼んだご飯を食べながら撮影の間はソフトドリンクやお茶を飲んで、撮影を終えた後は勇斗が用意してくれた缶チューハイを飲んだりして深い話をする
ありがたい事に去年から忙しくさせてもらって目まぐるしく日々が過ぎて、ありがたいし、感謝を忘れずに頑張って行こうと5人で話して解散になった
家の方向が一緒の太智とタクシーに乗る
アルコールでふわふわしながらスマホを片手に太智と一言二言話していると眠気に襲われる
心地良いタクシーの揺れに耐えきれず、俺はいつの間にか眠ってしまった
「吉田さん、家着いたで?起きてー」
太智に肩を揺らされ目が覚める
「ん、、、ありがと太智、ここまでの分払うわ」
「ええよそんなん、俺ん家までのついでやから、それよりちゃんと起きて?大丈夫か?スマホ落ちそうやったから鞄ん中入れたで」
「うん、大丈夫、ありがと」
鞄を持ってタクシーを降りる
「、、、ほなね、おやすみ吉田さん」
「おやすみ、気をつけて」
お互い手を振って再び動き出したタクシーを見送った
家に入ってキッチンに向かい、水を一杯飲んだ
「、、、ふぅ、、、」
楽しかったなぁ、と鼻歌を歌いながら風呂の準備をして鞄からスマホを取る、ふいに画面に表示された通知に速水さんの名前
「え、、、なんで」
今まで休みの前日しか連絡が来ないのに
画面をタップしてメールを開く
『セイがした事について話がしたい、明日仕事終わりに来て欲しい、食事も一緒にしよう』
、、、あっという間にバレてんじゃん
何してんだあいつ
「、、、わかり、ました、っと、、、」
了承の返事をしてスマホを閉じる
明日のスケジュールはたしか個人の雑誌の取材と撮影で夕方前には終わるだろう
なんだか、そわそわする、、、明日か、、、
次の日も仕事だし、食事と話をするだけなら洗浄はしなくていいか
お湯が沸いた音声が流れたのを合図に俺は風呂場へと向かった
#茜
💎星乃葵@ペア画中.ᐟ💎
908
215
#限界メンバー
みれあ໒꒱. ゚

11
480
「いらっしゃい、仁人君」
「お邪魔します」
いつもの別邸に向かったけど通されたのはあの地下の部屋じゃなくて1階のリビングダイニングだった
地下の豪華絢爛な装いとは違ってシックでモダンな装いが素敵な内装で大きなダイニングテーブルには色鮮やかで美味しそうな料理が所狭しと並べられている
「こちらへ」
リョウの案内に従って速水さんと向き合う位置にある椅子に座る
「お腹は空いたかい?」
「はい、すごいですね、これリョウさんが作ったんですか?」
「あぁ、リョウは家事全般なんでも卒なくこなすからね、毎日助かっているよ」
ワゴンを引いたリョウが戻ってくる
「お口に合えばいいのですが、、、飲み物はどうしますか?」
「あ、えと、、、お茶を、お願いします」
「承知しました」
グラスにお茶を注いだリョウがキッチンへ下がっていく
「、、、あの、速水さん、、、セイ、さんは?」
今日来る時少し身構えたが着いてからセイの姿が見当たらない
「あぁ、あいつは居ないよ、その話は食事の後にしよう、今はゆっくり、仁人君と食事を楽しみたい、いいかな?」
「あ、はい、俺は全然、、、」
「ありがとう、では頂こうか」
「は、はい、いただきます」
手を合わせてリョウが作った料理に箸を伸ばす
「、、、おいしい」
本当においしくて思わず呟くと速水さんが満足そうに微笑む
「いっぱい食べなさい」
「はい」
途中からリョウも一緒にご飯を食べる、速水さんが穏やかな声で俺に関する質問をするから素直に答えていった
好きな色とか、食べ物とか、、、小さい頃あった事やどうしてアイドルを目指したのか、、、
俺は過去を振り返るようにポツリポツリと話していった
ふと速水さんがあまり箸を動かしていない事に気付く
「速水さん、食べないんですか?、、、もしかして、体調が優れないとか、、、」
「いやはや、この歳になると食が細くなってしまっていけないね、体調が悪いわけじゃないから気にしないでくれ」
「そう、ですか、、、」
「そんな事より、仁人君の話をもっと聞かせてくれ」
楽しそうに俺の話を催促するから促されるまま話をする
食後は美味しいデザートも食べて、勧められるがままおそらくむちゃくちゃ高級なシャンパンも頂いた、飲みやすくて美味しくてびっくりした、メンバーにも飲ましてやりたい
すっかり夜も更けてテーブルの上も綺麗に片付けられた頃、ソファに移動してシャンパンをちびちび飲んでいる俺の側まで来た速水さんが徐に車椅子から降りて床に膝をついた
「えっ?!、、あの、速水さん?」
慌ててテーブルにグラスを置いて自分も床に正座するとよろける速水さんの体を支える
ふいに触れた速水さんの体が細くて驚く、こんな細かったか?加齢だけでこんな、、、
「仁人君」
「あ、はい!」
「セイが勝手な事をしたそうだね、本当に、申し訳ない」
床に手をついて頭を下げようとするから慌てて止める
「やめて下さい速水さん!大丈夫ですから!」
「いや、私の監督不行き届だ、済まない」
また頭を下げるから速水さんの両肩を掴んで止める
「大丈夫なんです本当に!俺!、、あのっ、俺、、、えと、、、あの、、、俺、、、」
「仁人君?」
どうしよう、、、一体どうやって言えば、、、
あっけらかんと言ってみるか?セイに犯されて自分の性癖を自覚しましたって?
いや、さすがに、、、
「っ取り敢えず膝痛くなっちゃうから、椅子に戻りましょう?さ、掴まって下さい」
「あ、あぁ、済まないね」
車椅子にゆっくり座ってもらう、俺はそのまま速水さんの前に膝をついたまま少し考えあぐねる
「、、、速水さんは、俺が、、その、、マゾ、だと思ったから、誘ったんですか?」
「、、、なぜ、そう思ったんだい?」
「あの、、、え、と、、、」
言い淀んでいると速水さんが両膝で握りしめていた俺の手を優しく自分の膝の上まで持っていって握りしめてくれた
「ゆっくりで大丈夫だよ、今の仁人君の気持ちを聞かせてくれ」
顔を上げると優しく見つめる速水さんの目、その隣にはいつの間にかリョウが立っていた
「俺、、、」
少しづつ、頭を整理しながら正直に話をする
速水さんに出会った頃は自分がノーマルな、どちらかといえば淡白な人間だと思っていた事
酷い事をされてると思って辛かったけど、だんだん速水さんに褒められると嬉しく感じている事
終わった後にリョウがいっぱいお世話してくれるのが心地良いと思った事
怖くて苦手だったセイに犯されて1番感じてしまった事
ずっと、、、本当の自分から目を背けていた事
それでも、これからもずっと、m!lkであり続けたい事
その為には他の人に一切自分の性癖を教えるつもりがない事
だから、出来ればこのまま、この関係を続けたい、、、
「、、、そう、思っています」
一通り話し終えてふっと息をつく
「あぁ、仁人君、、、」
速水さんの手が俺の頬を包む、気づけば目の前はぼやけていて見上げた速水さんの顔がよく見えない
「私はなんて事を、、、最初の質問の答えはノーだ、君も私達側の人間だとは思っていなかった」
喉が詰まって上手く話せないからコクンと頷いた、その振動で目に溜まっていた涙が溢れる
「紅白の踊りがとても綺麗だったんだ、とてもね、、、どうしても欲しくなった、この歳であんなに胸が焦がれた事はない」
コクンと、また一つ頷いた
「君が私達と居たいと思ってくれるなんて、こんなに嬉しい事はない」
「っ、、、速水さ、、っ、、」
流れ出る涙を速水さんのカサついた指が絡めとる
「おいで」
言われるまま速水さんの膝にもたれかかるとそっと頭を撫でてくれた
「大丈夫だよ、何も心配いらない、ありのままの君でいればいい、私達がついてる」
速水さんに縋り付いたまま頷く、何でこんなに涙が止まらないのか、自分でもよくわからなかった
速水視点
紅白で君を見た瞬間、目が離せなかった
こんな歳で一目惚れなんて言ったら、君は引いてしまうかな?
どうしても手に入れたかった、諦める事が出来なかった
私に残された時間は後少しだと知っていたから
最後のわがままだと許してほしかった
私が死んだら、元の生活に戻してあげれると思っていた
まさか、君もこっち側の人間だとは思わなかったんだ
すまない、、、仁人君
私が余計な事をしたばっかりに、、、
でも、安心してほしい
君を1人にはしない
君に言ってない事が一つだけある
対となる人間を見分ける事は出来ないけど
同類なら、何となくわかるんだ
「速水さん」
「ん?どうした?リョウ」
「お電話です」
「あぁ、ありがとう」
リョウから携帯を受け取り電話の向こうの子と話をする
慎重に、言葉を選ぶ
本当に彼が私と同じ人間かどうか
少しでも選択を間違えれば仁人君に迷惑がかかってしまうから
それだけは絶対に避けなければならない
通話を終えてゆっくりと息を吐く
鎮痛剤があまり効かなくなって体の痛みが日に日に増していく
あと少し、、、もう少し、、、
彼の、仁人君の美しい姿を見ていたい
「リョウ」
「はい」
「私の最後の頼みを、、、聞いてくれるか?」
「もちろんです、最後まで、お付き合いします」
「あぁ、、、ありがとう、、、」
さぁ、もう一仕事だ
コメント
4件
続き待ってます!

更新ありがとうございます。ここまで全部私の何かにブッ刺さって思わずコメントさせていただきました。 続きも楽しみです。