本編に入る前に…!
前回主が最後に言ったこと覚えていますでしょうか……?
そうです。1話ごとの長さについてです!
主がどのくらいの長さが良いのか分からなくて、皆様に質問したところ…
有り難いことに優しく答えてくださって…とても参考になりましたっ!ありがとうございます!
そして、これからの長さなのですが。
「どれでもウェルカム」という意見が多かったので、主はこれから長さ気にせず4000〜5000文字や8000文字以上、幅広く書いていきます!因みに今回は7000字です。
もちろん、「やっぱり長さが気になる」となったら気軽にコメントしてください!それに対して主は嫌悪感などは一切ないのでしてくれるだけ嬉しいです!
それでは、長くなりましたが本編…どうぞ!
〈💚side〉
💚「……………( ゚д゚)ポカーン」
❤️「ここ俺の家、親は居ないけど…仕えてる妖精がたくさんいるから。何かあったらそいつらに聞いてもいいからな。」
💚「(これが…………ひまちゃんの…家?)」
横を見れば続く塀、上を見れば高すぎる塔……学校から約20キロも離れた誰も見つけられない城。
これが………妖精の始祖、王族の本拠地。
💚「でかすぎるよーー!!!!」
事の発端は…………。
❤️「すちー?」
💚「ん〜?モグ」
❤️「俺の家来ない?」
💚「んぐっ!?」
❤️「お、おいっ!?💦」
💚「…ふぅ…え、急に…どうしたの?」
❤️「どうしたのって……普通に俺の家で遊ばねぇっていう意味なんだけど…💦」
💚「ひまちゃんの家で!?…俺が!?」
❤️「な、何か…あるのか?」
💚「いや……俺が家に行っていいものなのかと……」
❤️「いいだろ!てか友達誘って何が悪いんだよ。」
💚「いやぁ…俺……妖精だけど妖精じゃないじゃん…………だから…ブツブツブツ」
❤️「そんな俺の家嫌?」
💚「嫌じゃなくて俺みたいな庶民が行っていいところじゃないでしょ!」
❤️「庶民とか関係ないだろ、別に……遊ぼうって誘っただけ…行くの?行かないの?」
💚「…いいの?」
❤️「だからずっと言ってんじゃん。」
💚「じゃあ行きたいっす……」
❤️「何でそんな腰低いんだよ」
💚「低くなるよこれは」
❤️「……とりま俺の家行くからな。これ確定ね」
💚「はい………」
とかいう軽いノリだったけど、やっぱり軽く返さなきゃよかった。こんなすごいならもっと考えてた。
何だよこれ!!まじで!!見たことないって!?
💚「俺が入ったら穢れるよ?この家」
❤️「お前に穢れとかないだろ」
💚「あるかも知れないよ?」
❤️「少なくともその見た目や羽、性格は穢れてないから大丈夫。」
💚「わぁ〜ありがとー…はは…はぁ…」
❤️「んじゃま、仕えてる奴らが待ってるし早く入るぞ」
💚「緊張する…面接並みに…」
❤️「ガチャ」
メイド「お帰りなさいませ、なつ様」
❤️「……ん、」
💚「し、失礼しま〜す……💦」
メイド「?……後ろの方は…」
❤️「友達、遊びに来させた」
メイド「!…人間のお友達ですか。」
💚「……(やっぱり気づかないもんだね、妖精って)」
❤️「そうだけど…何?何か不満?」
メイド「い、いえ…何でもないです。」
❤️「…こいつ、俺の大切な友達だから……丁重にもてなせよ」
メイド「は、はい!!ただいま!テクテク…」
❤️「……すち、俺の部屋に行くぞ」
💚「うぇ、は、はい!」
❤️「何で緊張してんだよw」
💚「す、するよ!こんな…メイドがいる家とか初めてだし」
❤️「なら慣れろ、ほらガシッ」
💚「あ、ちょ……テクテク」
❤️「ガチャ…」
💚「ひまちゃんの部屋もエグ……何このシャンデリア…王族かよ」
❤️「王族なんだよ。」
💚「あそっか」
❤️「てか……勝手に人間って言ったけど良かった?」
💚「うん!そっちのほうがありがたい。」
❤️「なら良かった。」
メイド「コンコン…失礼します。なつ様…えっと…」
💚「す、すちです。」
メイド「すち様……こちらをどうぞ。コトン」
💚「…デ、デザート!?」
❤️「ん、ならはよ下がれ」
メイド「し、失礼します!ガチャ」
💚「ひまちゃんキツいよ言い方…」
❤️「トロいから言ってんの、いつもはもっと早いんだけどな…」
💚「てか…毎回デザートも用意されてるの?」
❤️「いや?すちが来るから頼んでおいた。」
💚「別にいいのに……」
❤️「俺が良くないから」
💚「えぇ………」
❤️「でも抹茶プリン好きだろ?」
💚「大好き!」
❤️「w…なら遠慮なく食べろ」
💚「………いいの?」
❤️「いいの」
💚「いただきます!!モグモグ…うま!✨️」
❤️「俺も食べよ。」
ーモグモグタイムー
💚「リッチすぎる味…レシピ教えてもらおうかな。」
❤️「パクッ…ごちそうさまでした」
💚「パクッごちそうさまでした!美味しかった(´ω`*)ありがとね」
❤️「礼ならメイドに直接言え、俺作ったわけじゃないし…あとレシピも」
💚「そうだね!そうする。」
❤️「……んで、なにする?」
💚「ん〜…ひまちゃんは普段どんなことをしてるの?」
❤️「んー……俺が普段するのは…訓練所での能力訓練かな?」
💚「能力訓練…!?」
❤️「おん」
💚「わぁ……すごいや…。」
❤️「炎って扱い1つ間違えれば簡単に傷つけれるからな……しかも王族の炎は普通の妖精の炎と熱さも強さも全然違うし…」
💚「そうだよね…細心の注意をしないと、一面焼け野原」
❤️「だから、その制御ができるように俺は毎日訓練してる。」
💚「努力家だね、本当にすごいよ!!」
❤️「すごいって……すちにだって能力あるだろ?」
💚「あるけど………人間として生きていたから能力を使うタイミングなんか人生数えるほどしかないし…そもそも俺突然変異種だから、風の扱い方とか教えてもらえてない…親は癒しの能力しかなかったから」
❤️「癒しってどんな能力なん?」
💚「身体に対する異物を排除する能力、分かりやすく言うなら病気を直したり、傷ついた箇所を再生させたりとかかな?」
❤️「ヒーラーか」
💚「そうそう、精神の傷は直せないけど…それでも強い能力だと思うよ。」
❤️「……そりゃそんな家系は風の使い方なんか知らないか。」
💚「だから俺は能力とか無縁なんだよね〜」
❤️「……無縁…か。」
❤️「ならここで使ってみるか?」
💚「えっ?」
❤️「…その風の能力」
💚「風の能力……。」
❤️「俺はすちが妖精なの知ってるし。扱い方とかのコツを俺が教えてあげられるし…ちょうどいいかと思ったんだけだ」
ひまちゃんからの衝撃的な言葉に、俺はびっくりしてしまう。
今まで関わらなかったし…これからもきっと関わらないんだろうなって思ってた俺の能力。
それを……ここで扱ってみる?
…………正直扱ってみたい。俺の力はどれほどのものか、確認してみたい…。
もう俺は自分の羽を好きになれた。なら能力とも向き合っていかなきゃいけないと思う。
💚「………いいの?」
❤️「おん、俺もすちの能力少し興味あるんだよなぁ〜」
💚「興味?…そうなんだ」
❤️「おん、だからやってみようぜ!✨️」
💚「うん!頑張る!」
❤️「それじゃあ行こ」
💚「は〜い…」
❤️「おし、ここだな。」
💚「うぉー…やっぱり広い」
❤️「ここは外部と分断されているから、全力でやっても大丈夫。」
💚「へぇー…凄いシステムだね、誰が作ってるの?」
❤️「親と、俺に能力を教えてくれた奴の2人」
💚「少人数で作ったんだ…すごいや…」
❤️「とりま一旦俺が能力使用してみるから…見ててな?」
💚「うん!」
❤️「ボワァッ!!!!…(炎を出す)」
💚「わぁッッ!…熱くないの?💦」
❤️「自分の作った炎で熱いなら欠陥なんよw」
💚「俺熱くないよ?」
❤️「それは俺がこの炎に結界を張って熱さを感じさせないようにしてるから」
💚「????」
❤️「まぁ、俺が細工してるから熱くないと思っておいてくれ。」
💚「なるほど理解した(理解してない)」
❤️「そして…この炎をこうすると…ボワァ~~…」
💚「炎の色が緑色になった!?」
❤️「この炎は結界を解いても熱くねぇんだ、ほら触れるぞ」
💚「サワサワほんとだ……これどうやって作ってるの?」
❤️「作る…まぁ分かりやすく言うなら温度調節して作ってる。」
💚「そんなガスコンロみたいなもの?」
❤️「分かりやすく言うとね、んで………すち少し離れていて」
💚「……??テクテク」
❤️「スゥー………シュン!!!!(火球を投げる)」
💚「!?!?!?」
❤️「こうやって火球を投げても外部に干渉どころか、結界すら壊れないから安心しろ。」
💚「…………( ゚д゚)ポカーン」
俺は約2km先ぐらいのところで上がっている火柱を見上げながら…ひまちゃんの声を聞く。
え、炎ってこんなに凄いもの?俺の幼少期にも炎使える人いたけどこんな凄くなかったよ?
火球の威力ももちろんエグいけど、火球を凄い速さで投げたひまちゃんも凄い………。王族の炎ってこんな凄いんだ…。
💚「かっこいい…✨️」
❤️「えっ?」
💚「もっかい!もっかい見たい!!」
❤️「え、もっかい?自分の能力は?」
💚「後で!後で!✨️✨️」
❤️「んー…(この技意外と危ないからなぁ…)あ、じゃあ」
💚「ん?」
❤️「すちが風を使いこなせるようになったらもっかい見せてやるよ。特大のな!」
💚「!…やった!なら風練習する」
❤️「(単純やなぁ…)能力の使い方は…知ってる?」
💚「あ、それは分かる!先生から教えてもらった!」
❤️「なら1回使お」
💚「うん。……………」
❤️「……」
俺は幼少期1回だけ能力を使ったことがある。
能力の授業中に使って、先生を風の刃で怪我させてから、親から使うの禁止されたけど……。
それでも、忘れてない。能力使う感覚は。
……深呼吸して、整えて……風を作りたい部位に力を入れれば!
💚「ヒュ~~~……」
❤️「…お、出た。」
💚「そよ風ぐらいだなぁ………」
❤️「でもブランクあったのに、出せるの凄いぞ。」
💚「本当…?…やった!」
ひまちゃんに褒められた!やった!…
でも、もっと凄いのやりたいなぁ〜、ひまちゃんの炎かっこよかったし。
俺も風でかっこいいのしたいなぁ〜
💚「ヒュ~~~ッッ…ヒュルルルルル」
❤️「!!!………た、竜巻!?」
💚「できた!!……掌サイズけど」
❤️「………それ、今ある知識作ったのか?」
💚「?…うん」
❤️「……すごすぎないか?」
💚「そう?…そんなすごくないけどなぁ…」
❤️「(いやすごいだろ…普通に。すちは知らないかも知れねぇけど…竜巻って、繊細な技術がないと…確か作れないはず。)」
💚「ヒュ~~~~~…可愛い〜これ」
❤️「(それをたった数回で作り上げた……強さは別だとしても、ポテンシャルは本物。)」
💚「ひまちゃんこれどうすればいい?」
❤️「あー…なんか扱ってみてもいいぞ?」
💚「扱う……?なんかわからないけどやってみる!」
確かひまちゃんは投げてたよね……火球を。
なら俺もこの竜巻投げてみよっかな。
💚「えいっ!!」
❤️「おぉ〜……ちゃんと竜巻だな。回転といい速さといい」
💚「何か楽しいね!能力って……妖精ってみんなこんないいもの持ってるんだ!」
❤️「扱い方次第だけど…楽しいだろ?」
💚「うん!……ヒュ~~ヒュルルルルルルルル」
❤️「竜巻作りハマった?」
💚「うん!これ楽しい!!…ポンって感じだから!」
❤️「???(ポンとは?)」
楽しい……能力っていいね。
何も触れてきてなかったのに…妖精の羽といい、能力といい、しっかりと向き合えば楽しい物ばかり……こんなのを俺は見逃してたのか。
良かった向き合えて。おかげで楽しさを知れた。
もっと楽しみたいなぁ……風を感じたい、風を扱いたい。
力を…もっと……全身に回せば…………………。
『!?!?!?』
💚「は、何……これ!?」
全身に力を入れた途端、俺の回りを大きく風が覆う。
❤️「おいっ!すt(()」
ひまちゃんの声が風の音でかき消され、風の勢いや強さがどんどん増していく。
何これ…俺、知らない!!やばい……勢いがどんどん増していくッッ。止まって……止まって……!!!お願いっ!
そう思って俺は立っている場所から動こうとした………けど……
💚「ビュン!!!…っいッッ!?……タラッ」
腕を伸ばして瞬間、風の刃が俺の手の甲を掠めた……俺はそれと同時に恐怖を覚える。今は掠れる程度で済んだけど…もしかしたら……腕ごとなんてことも………ッッ
ここから少しでも動けば…命の保証はない。
💚「……やだっ…ごめんなさい…ッッ」
そう言い、風の渦の中にうずくまることしかできなかった。
〈❤️side〉
💚「は、何……これ!?」
俺が少し目を離した瞬間、後ろから戸惑ったような声が聞こえて、振り返るとそこには大きな風を身に纏ったすちが居た。
すちの身に纏った風はさっきの竜巻と比じゃないくらいの魔力の強さを感じる。
※魔力…能力を使うために必要なエネルギーのこと。
その魔力の強さは異常で…ただの妖精の魔力じゃない。一般人の魔力はもっと馴染みある魔力なのに、これは……俺たち王族系統の魔力に似ている「特殊魔力」。
特殊魔力は普通の魔力とは全然違う。木剣と鉄剣ぐらいの差がある。その魔力を感じたってことはすちは特殊魔力の使い手であること。これは相当まずいことだ、今すぐでもやめさせないと。
❤️「おいっ!すt((」
❤️「(吹き飛ばされる)……ッッ…クソ!間に合わなかった!!」
すちの居た場所には大きなトルネードが出来ていた。そのトルネードを見た途端本能で「マジでヤバい」と思わされる。
❤️「すち!!!無事k((っと……ザザッ(回避)」
トルネードから風の刃の流れ弾が凄い速さでこっちに来る。
反応して回避できたが、あのスピード…油断してると普通に受けるかも知れない。
しかもこの風の刃……切れ味が抜群に良い。受けどころが悪かったら余裕で致命傷だ。
❤️「この強さ………俺と出会うまで能力を使わないでいて正解だったな。じゃなきゃ誰か4んでたぜ。」
……この強さ…早く止めさせて能力の扱い方を教えないと。すちの方がまずい。
❤️「……止めるか、これ…タッタッタッタッ」
俺はトルネードの中に入る。
もちろん風の刃が飛んでくるが、それは何とか反応して回避する。……が、走れば走るほど数が増えて回避するのが辛くなっていく。
❤️「シュンシュンシュン…(数が多すぎる、まだトルネードの中心まで半分以上あるのに…ここでこの量なら……すちのいるところはこれの倍以上か。)」
それだけじゃない
走って分かったけど…中心に行けば行くほど風の強さが強くなって進みづらい…ここまで走っていけても、どっかで進めなくなるかもなこれ。
火球を投げて止めようにも、この風の強さなら火球が攫われて届かないだけだ。それどころか、トルネードがファイヤートルネードになって俺もすちも重症を負う……
つまり、止めるなら炎の力は一切使わず、自分の肉体だけですちの元へ行くしかないのか。
その現実に軽く絶望する。
これが突然変異種の力。特殊魔力に加えて癒しの家系から産まれたとは思えない攻撃性能と風の強さを上手く引き出して一切引き付けない防御性能。まさに攻守盤石。
❤️「…シュン………シュン(回避)……隙がないな…」
仕方ない、強行突破するか。
こうなってしまったのは完全にすちの強さを見誤った俺のせいだしな、もう手段は選んでられない。
〈💚side〉
寒い……かなり風に当てられて、体が震える。
頭が痛い……急な体温変化によるものかな。
辛い…苦しい…怖い…怖い……。
………この風たちは、全部俺の力。
俺……こんな強いんだ…
これが、突然変異種である俺の風の力。
突然変異した妖精は普通の妖精よりもマイナスな面もあればプラスな面もある。きっとこの能力の強さはプラスな面のこと。
けど俺はこんな使い方したくない。こんな怖くて痛くて傷つけるような風は好きじゃない。
ねぇ……俺の力なら止まってよ。お願い…。
💚「……止まっ………ッッて……」
そう呟いた時……目の前火の粉が舞った。
💚「…火の…粉?」
❤️「ここが中心か」
💚「!!」
❤️「ガシッ…捕まえた。」
💚「ひまちゃ、ッッ…」
❤️「……すち、少し耐えてくれ。」
❤️「【魔力剥奪】」
💚「!!……ッッ…ちか……ら、が……」
じわじわと身体の力が抜けていく……。凍えているせいもあり、足に力が入らなくなって視界がフラフラする。
❤️「…………あと少し…」
💚「ハァ…ハァ…」
風が次第に弱くなり、俺から出ていた風は全て収まっていった。
❤️「全魔力剥奪完了………ふぅ、止まった。」
💚「ッッ……フラッ(倒れそう)」
❤️「ポスッ!!!…よく耐えたな。すち…」
💚「ひま………ちゃッッ………」
俺はひまちゃんに抱えられる。
その姿がとても綺麗で、かっこいい。男ながらその姿に見惚れてしまうほどの美しさがあった。
❤️「喋らなくていい、今魔力全部無いんだから何もしないほうが良いぞ。」
💚「…………う…ん、」
❤️「手に傷があるな、医務室へ行こう。」
💚「…………っ…」
❤️「…眠いか?寝てていいぞ…」
💚「……あり…がッッ…と……。」
その言葉に気が抜けてしまって、俺は意識を離した。
❤️「……お疲れ様…すち。」
〈?side〉
?「……久しぶりに来たけど……何も変わらないわね。」
?「………あら?感じたことない気配があるわ。なつのお友達かしら………。」
?「………不思議な感覚、興味深いわね。」
?「少し……会ってみようかしら。」
第6話「本物の風格」
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ふぉろーしつれいします!面白かったです!
初コメです めっちゃ最高でした! 続きがたのしみです!