前回能力とか魔力とかいう単語使ったけど…果たしてどれぐらいの人が理解できるだろうか。主の厨ニ力に……。
あ、一応魔力とから説明があるのでご安心を。
前回は完全な能力会回だったから、今回は控えめで!
どうぞ!!
〈💚side〉
💚「…………ん……」
目が覚めると白い天井が映る。
あれ……俺……何が…あって……
❤️「目、覚めた?」
💚「チラッ……ひま……ちゃん?」
❤️「ん、どう?調子は」
💚「調子?………まだ、疲れが…」
❤️「まぁ全魔力取ったからそりゃ疲れるよな……。」
💚「全魔力…………あっ!」
そうだ…思い出した。俺は能力を使ってて、それで暴走したのをひまちゃんに止めてもらったんだ!
💚「………ごめん。」
❤️「何が?」
💚「暴走して、迷惑かけちゃった。」
❤️「迷惑なんか思わねぇよそんなの」
💚「………でも」
❤️「むしろ、俺が見ていたはずなのに暴走させて怖い思いをさせた。突然変異種ということを配慮して置かなければならなかった。ごめん」
💚「謝らないで!…ひまちゃんは何も悪くない。」
❤️「じゃあすちも悪くない」
💚「俺は悪い」
❤️「たく…変なところで頑固だな…。てか、俺謝られるの嫌いなんだけど?」
💚「!…………止めてくれてありがと。」
❤️「ん、それでいい。」
💚「w……優しいんだから」
❤️「そんなんじゃねぇよっ!…てか、すちには能力の扱い方しっかり教えねぇとな。」
💚「だね…自分でも思ったよ。楽しかったけど、あれは危なすぎる。」
❤️「俺以外だったらやばかったな。」
💚「……そんなに?」
❤️「おん、俺でも止めるのに羽を使うぐらいだし」
💚「?………羽を使ったら何か違うの?」
❤️「羽があるのとないのではかなり違うぞ。確かにガキの羽は何の意味も無いけど……しっかりと羽を扱えるやつが使えば速さが格段に上がる。」
💚「速さ………あぁ、だから気付いたときにはもう目の前にいたんだ。」
❤️「風の勢いが強すぎて素の速さじゃ抗えなかったからな、羽を使ってゴリ押しした。」
💚「へぇ………」
ひまちゃんの妖精の羽って、しっかり見たことなかったけど………あんなに綺麗だったんだな。
透き通る綺麗な羽に纏う火の粉…赤色なのにあんな神秘的に感じたのは、ひまちゃんの唯一無二なところだろうね。
いいなぁ…あんな綺麗な羽。
❤️「……すち〜?」
💚「うぇ?はい!」
❤️「どした〜?話してても反応ないし」
💚「あーいや、何でもないよ!!💦」
❤️「ふーん……」
💚「ところで、話しって?」
❤️「聞いてなかったのかよ…すちの能力があんなに強かったのは、突然変異種による風だけの力のだけせいじゃないってこと。」
💚「……と、いうと?」
❤️「……すちって妖精の能力の説明とか聞いたことないよな?」
💚「うん」
❤️「じゃあそっちから教えるか。」
❤️「まず妖精が能力を使うには、魔力が必要なんだ。」
💚「ひまちゃんがずっと言ってる魔力?」
❤️「そうその魔力、その魔力は生物全員が持ってる。妖精も人間も」
💚「えっ!?そうなの?」
❤️「けど、人間は能力を使えない。能力というものがないから。」
💚「その魔力と能力の関係ってどんな感じ?」
❤️「すちにも分かりやすく伝えるなら……ゲーム機本体が魔力、カセットが能力って感じ?ゲーム機にカセットを入れている状態が妖精で、ゲーム機本体だけが人間。ゲーム機でそのカセットを遊んでいる状態が能力を扱っているとでも思え。」
💚「なるほど」
❤️「んで……すちも同じようにゲーム機とカセットを持っているんだけど………すちのは特殊何だよ。」
💚「特殊?」
❤️「すちの魔力は普通の妖精の魔力とは違う。なんなら俺みたいな王族よりの魔力だ。」
💚「えっ……?」
❤️「すちの魔力は普通の妖精の5倍と考えたほうがいい。」
💚「……そんなすごい魔力が……」
❤️「突然変異種なんだからまぁあり得るだろ。」
💚「……5倍…」
❤️「で、そんだけ強い魔力が注がれてんだから…能力も必然的に強くなる。すちの風は家系的に防御向きなはずだが、それがあそこまで強くなるんだ……魔力の恐ろしさが分かるだろ?」
💚「……う、ん……」
❤️「そんな怯えなくていいぞ?扱えられれば誰かを傷つけることなんて絶対に起こり得ない…羽も扱えればよりな。」
💚「!!…そ、そうなんだ。」
❤️「ん、だから安心しろ。」
💚「良かったぁ……そんなこと聞かされたら怖いよ、本当に…。」
❤️「またここに来てくれたら、全然教えるよ。能力。」
💚「本当!?」
❤️「お、おう……」
💚「また、ひまちゃんの火球楽しみにしとこ!」
❤️「………ま、まぁすちが完全に能力を扱えるようになったらな?」
💚「うん!!……って今何時?」
❤️「今?…20時かな?」
💚「!?…俺そんなに寝てたんだ。」
❤️「全魔力なくなったらそうなるって。全魔力なくなるのは、SDカード抜かれてなくすぐらいやばいんだから」
💚「それはやばい。」
❤️「な?…てか、時間は大丈夫か?」
💚「そろそろ帰ろっかな…長居してもあれだし」
❤️「おけ…メイドに連絡しておくから玄関で待っとこうぜ」
💚「また送ってもらえるの?……贅沢だね〜」
❤️「逆に20km自力で帰れるのか?」
💚「……乗せてください」
❤️「w」
❤️「…テクテクおーいメイド」
メイド「はいなんでしょうかなつ様!すち様!!」
❤️「すちが帰るから送ってくれ、ついでに俺も乗せて」
メイド「な、なつ様もですか?」
❤️「悪いか?」
メイド「いえ、とんでもないです!」
💚「(きっとひまちゃん居ると緊張するんだろうなぁ…)」
メイド「それでは今から、馬車を準備を……」
&メイド『っ!?!?!?』
💚「……声?上から?」
?「ここからですよ」
💚「!?…うぉ!?バタッ」
?「ふふ…そんなにびっくりしなくても大丈夫なのに。」
上から聞こえていたはずの声が急に耳元に変わる。その速さにびっくりして、尻もちをつく。
この人……誰…何者!?
💚「ひまちゃん……この人は…」
❤️「……母様」
💚「!!母様…てことは…」
母「はい、なつの母であり、この城の主でもあります。」
❤️「な、何で……今…ここに…」
母「思ったよりも早く帰れた…ただそれだけですよ。後は……なつのお友達にも会いたかったからね。」
💚「っ…………!」
ひまちゃんがすごく警戒している………というよりも怯えているの方が近い。
どちらにせよこんなひまちゃん初めて見た…ひまちゃんも王族なのに、そのひまちゃんすら恐れる存在…これが本物の王族。
母「メイド」
メイド「は、はい!ご主人様!」
母「この場から去りなさい。」
メイド「で、ですがすち様を…」
母「そのときはまた呼ぶわ、それまで持ち場に戻ってなさい。いい?」
メイド「は、はい!!タッタッタッタッ」
母「………さてと、これで邪魔者は居なくなったわね。」
❤️「………俺…いや、その口ぶりだと俺たちになんの用ですか。母様」
母「1つ目はあなたに会いたかったからよ…なつ。」
❤️「……」
母「久しぶり。見た目はあまり変わってないわね、小さい頃の面影があるわ…けど子供の時と比べて逞しくなった。身体つきも、能力も。後継者として相応しいわ。流石は御神体」
❤️「…お褒めいただき光栄です。母様」
母「あらあら不服そう…素直じゃないところは変わらないわね。本気で褒めてるのに…」
❤️「………」
ひまちゃんのあの反応…相当母を嫌っている。……この母、あまりいい親じゃないのか。
…俺にも何か話そうとしていたし、身構えておいたほうがいいのかな。
母「………そして、なつのお友達」
💚「ビクッ…は、はい!」
母「そこまで緊張しなくてもいいのよ」
💚「……は、はい……」
母「あなた…お名前は?」
💚「す、すちです!!」
母「すちくん……ね……。ふーん」
母「あなた、間近で見ると不思議……すごく興味深いわ。」
💚「…そ、そんなことないと思います。人間ですし…」
母「何言ってるの?あなた……妖精でしょう?」
『!!』
み、見抜かれた!?何で……何も、なかったはずなのに…誰もわかってなかったのに。
母「羽がなくたって気づけるわよ。メイドは気づかなかったかも知れないけどね。」
これが本物の王の力……妖精を選別する目。
母「……でも、気になるわね…。」
💚「…?」
母「あなたの羽がどうなっているのか」
💚「!」
❤️「母様…すちにはすちの事情があります。身勝手な行動はおやめください。」
ひまちゃんが俺を庇うように前に出る。さっきまで震えていたのが嘘みたいに、強気に前に出る。
母「私の行動を身勝手と……ふふっ、なつにとってすちくんは相当大切なお友達なのね。あのなつが…………」
母「ますます気になるわね。テクテクテクテク…」
💚「ッッ…(後退り)」
❤️「母様!!」
母「なつ…【命令】です。」
母「そこから許可するまで動くな。」
❤️「!?……グッ…」
💚「ひまちゃん…!!」
母「ガシッ…ごめんなさいねすちくん、今はあなたを見る時間なの」
💚「っ!……」
ひまちゃんが苦しそうだから…速く、駆け寄りたいのに……声をかけたいのに…
この人に見られてるだけで、触れられてるだけで……身が強張って、震えが………
母「……失礼するわね……シュルシュル……」
💚「ファサッ!!!!」
母「!!…まぁ、綺麗な羽だわ…(羽を撫でるように触る)」
💚「ッッ……ぁッッ………」
❤️「っ!!…」
怖い……怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
俺の羽を…触らないでッッ……何をするつもりなの、怖いよ…お願い…お願い……早く離して…ッッ
ひまちゃん以外に……触られるのは……。
幼少期「痛いよッッ!痛いよッッ!やめて!!羽…ひっぱらないで……!!ポロポロ」
怖い…思い出を……思いッッ…出す、からッッ。
💚「ぅ………ポロポロ」
母「………なるほど、全部解析できたわ。」
💚「はッッ………はっ…ッッ……ガタッ……ッッ」
母「すちくんのこともう知れたから。【解除】」
❤️「っ!!…すちッッタッタッタッタッ」
💚「ひま…ちゃんポロポロ」
❤️「…すまん…。」
母「良いお友達を持ったわね、なつ。」
❤️「………そうですか。なら今すぐすちを帰らせますので…」
母「何をそんなに怒ってるのかしら?」
❤️「…………いえ、何でも…それでは(すちを抱える)」
💚「……ギュ…」
身体に力が入らない今、必死にひまちゃんにしがみつくしか無かった…。
❤️「……テクテクメイド」
メイド「は、はい!」
❤️「はよ馬車出せ。今すぐ行くぞ」
メイド「わ、分かりました!それではこの中へ!」
❤️「……テクテク…すち、ここに座れ」
💚「ストン…ありがと……」
メイド「それでは、出発します。」
パカラッパカラッパカラッパカラッ……
❤️「…………」
💚「…………」
❤️「………すち、ごめん。守れなくて……」
💚「…んーん…謝らないで、…俺の耐性のなさが原因だからさw」
❤️「次からは近づけさせない。」
💚「そんなことしなくていいよ。初めて会ったから知りたかったんでしょ?なら…悪いことではないから」
❤️「……………何もわかってねぇんだな、自分がどれだけ危険な立場かボソ」
💚「?」
❤️「…まぁ、俺が側にいるし、もう家に連れてこねぇから大丈夫か。」
💚「…そんな母を危険視する?」
❤️「あぁ」
💚「……分からないなぁそこら辺」
❤️「こんな親を持ったら…誰だってそう思うさ。」
❤️「俺が……こんなんになったのもアイツのせいだ。」
💚「…!…………そっか…なら俺が口突っ込まないほうがいいね」
❤️「そうだ。」
メイド「着きました!」
💚「相変わらず速い……ありがとうございます!ペコリ」
メイド「い、いえ!なつ様のお友達なので当たり前です」
💚「プリン美味しかったです!今度作り方教えてください!」
メイド「!…ふふっ、もちろんです。」
💚「やった!」
❤️「それじゃあ気をつけて帰れよ」
💚「うん!今日はありがとひまちゃん!また明日!」
❤️「ん、またな」
💚「フルフル👋」
❤️「ん、👋」
パカラッパカラッパカラッパカラッ……
💚「………いろんなことが起きたな…今日。」
💚「……このことを明日に活かせるように頑張ろう!!」
そう明るい気持ちのまま、俺は玄関の扉を開けた………。
母「………すちくん……ね。」
母「……面白い子。」
第7話「妖精の授業」
コメント
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今回も最高でした! こんな作品がかけるなんて尊敬です! 体調に気をつけて頑張ってさい!