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生まれた時からひとりぼっちで、
誰にも気づかれなかった僕が
貴方に会った時
どれほど嬉しかったか、
貴方は知る由もないんだろう。
でも良かったのか悪かったのか、
今でもたまに分からなくなる。
だって、貴方が来なければ
こんな感情、
知らなくて済んだかもしれないから ────
目が覚めた時、
初めてこの世界の声を聴いた時、
僕には親も友達もいなかった。
僕が持っていたのは
一人でいるには寂しすぎるほど
広い大地だけだった。
でも、そんなもの僕にはいらなかった
僕からしたらあんなの寒くて、誰もいない
ただ広いだけの土だった。
僕は誰でもいいから1人、
1人でいいから誰か一緒にいてくれる人が
欲しかった。
そんな僕の所に、貴方は来た。
遠い遠い海の向こうからやって来て、
初めて僕を見つけてくれた。
その時の僕の喜びは言葉に変え難いもので
もう何百年と生きているが
その中でもその瞬間は世界が
一等眩しく、鮮やかに見えたのだ。
そして貴方は僕に名前を、生き方を、
愛を、全てくれた。
名前なんてなかった僕は、
誰かに呼ばれたことなんてなかった僕は、
貴方に名前を呼ばれる度
胸がいっぱいになったんだ
でも、その愛が僕だけに
向けられることは無かった。
僕とよく似ている彼奴にもその愛は注がれた。
勿論僕だって初めはそれを嬉しく思った。
貴方しか居なかった僕に兄弟が出来たんだ
人が、増えたんだ。
でも、貴方は彼奴ばかり構うようになった
彼奴の方が手がかかる子供だったから
仕方ないというのはわかってる。
でも、貴方が僕を忘れて
彼奴に話しかける度
僕の心には針が刺さったような痛みを感じて、
次第にそれは大きなナイフに変わった。
それでも彼奴を、兄弟恨んだ日は
一度たりともなかった。
僕が感じていたのは何時も
“貴方に振り向いて欲しい” “僕が悪いんだ” という
気持ちだけだった。
でもあの幸せな日々は、
彼奴に壊された。
貴方はあれだけ良くしたのに
彼奴は貴方に戦争をしかけた。
その時も僕は貴方に尽くした。
それなのに貴方の愛は、
あんな事をされたのに、
彼奴にだけ向いていた。
今思えば、昔はなんと平和で幸せだったのか
貴方は彼奴に構うことは多かったし
たまに僕を忘れもした。
それでも最後には必ず僕を見つけてくれた
でも、あの戦争の後貴方は
僕をその翠色の目に写すことは無くなった
貴方がこちらを見つめる時、その目は
必ず僕を通して彼奴をみていた。
今でも貴方はあの日が近づく度に
血を吐いて寝込むのに。
そのくせに彼奴しか目に写さないなんて、
酷い、不公平だ…
貴方は酷い。
こんなにも、こんなにも尽くしてきた僕を置いて
彼奴を、彼奴だけを愛すなんて
ねぇ、アーサーさん
この感情は何なんでしょう。
初めのうちはただの家族愛、
執着だと思っていたんです。
でも、これはきっと違う
これはきっと ─── だった