テラーノベル
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🍆が失踪するお話
ぼんママ(想像)出てきます。
ハッピーなしです。
ダーク系ですのでご注意ください。
無関係、フィクションです。
お楽しみください。
「連絡つかない…」
ドズルが鳴り止まないコール音を流しながら会議室に集まったメンバーを見る。
「…どーせまた寝坊してるんッスよ」
会議開始直後、メンバーはそれぞれが持てる連絡手段からぼんさんへと接触するが、どれも不発。
MENは不安を隠すようにヘラりと話す。
「…昨日は、普通でしたよ?」
「……」
おんりーとおらふくんは昨晩一緒にゲーム配信をしていたから、その時の様子を事細かに話し出した。
いつ終わりにするか聞いた時「明日は昼から会議だよね?ならまだ出来る〜」といつもの声で話して少し遅い時間まで配信をした。
「とりあえず、会議初めようか?その間に連絡来るでしょ」
少しの不安と、「ごめんごめんー!」と何時ものように謝るぼんさんの姿を思い出し、ま大丈夫だろと会議を始める。
「…」
結論から言うと、ぼんさんは現れなかった。
連絡もつかない。
不安になったドズルは、家に行きインターホンを鳴らす、が…応答はない。
緊急連絡先の親族に連絡するも「実家には帰っていない」何かあったのかと大騒ぎになった。
翌日には、ぼんママと一緒にマンションオーナーへ連絡し家の鍵を預かる。
数回訪れた事があるその部屋はヒンヤリしていてとても広く感じた。
「掃除めんどいからあんまり物置かない」とだらりと話していたぼんさん、最低限の物が綺麗に整頓されている。
「あの子、、どこに行ったの、、」
高齢のぼんママには心身的にキツくふらりと身体を揺らす、「大丈夫です」なんて簡単な事も言えずふらつく身体を支えながらソファーへ誘導する。
「ドズルさん、、」
「…はい」
息子をお願いします、と頭を下げられる。
捜索願はギリギリまで出さない、配信者の本名や素顔が世間に広がると「ただいま〜」とヘラりと戻ってきたぼんさんが困るだろうと苦しそうな声と表情で言われ「わかりました」としか答えられなかった。
不安で仕方ないだろうに息子のぼんさんとその背後のドズル社の事も気にしてる、この親がいてあの息子だなと優しすぎるぼんさんの行動を思い出す。
(どこ行ったのさ…)
部屋中に何か痕跡が残ってないか探すが何も無い。
携帯でぼんさんに連絡するも虚しいコール音のみが続くだけ、着信拒否もされてない、電源も落ちていない。部屋からも音がしない事から携帯は持っている、愛用のタバコと靴、財布、バック、上着がない。
部屋には居ない、どこかに出てる、、帰っていない、、
事故?誘拐?
「っーー」
仕事に遅刻する時はあった、でもちゃんとその後の対応をする男だ。何も言わずに居なくなる人では無い。故にドズルは頭を掻きむしる、おかしいと何かがおかしいと。
「息子は、、何か病気でもあったの?」
「いえ、会社で受けている健康診断では全く傾向はありませんでした。数日前まで仲間たちと楽しそうに動画配信もしてました…」
顔を覆いソファーに腰を沈めるぼんママ、その身体はとても小さくて壊れてしまいそうだった。
「……こちらの鍵お預かりしてていいですか?」
「…はい、お願いします、」
ぼんママから許可を貰う。オーナーからも許可を貰い合鍵を作った。
別れ際、駅のホームでぼんママから何度も頭を下げられる、「息子をよろしくお願いします、きっと戻ってきます、帰る場所を残しておいてあげて下さい」と…当たり前ですよと笑顔で返し小さな背中を見送った。
ぼんさんが居なくなって1日、2日、3日ーーー
とうとう1週間が過ぎた。
メンバー間の会話はほぼ無くなり、収録開始ボタンを押した後に機械みたいにモードを入れ、終了と共に切れる、そんな日を送っていた。
もうダメだ捜索を、とぼんママに連絡をしようとした時だ。
今連絡しようと思っていた人物から着信が掛かってきた。
ドズルは収録後だった事もあり、通話アプリをそのままに「ぼんママから連絡来た」と呟いた。ほかのメンバーは何故か「やっと戻ってくるのかな」と安堵の息を吐く。
そんな事は、もう、一生こないのにーーー・・・
ドズルとぼんママの会話を通話アプリ越しに聞く、少し遠いがはっきりと聞こえる。
「……え?」
『…ごめんなさいッ』
息子、戻ってきました。
明日お通夜です。
「……あ、あの、え?」
声が裏返る、なにかのドッキリ?
ほかのメンバーも「は?」とか「え?」と間の抜けた声を出していた。
『ほん、とに、最後までご迷惑お掛けしてすみません』
震える声、鼻を啜る音、
ドッキリではないとすぐに分かる、けど認めたくなくてドズルは何度も乾いた笑いを出して「何言ってんですか?」と聞き直していた。
『見つかったのが、昨日です。河川敷の植え込みで、隠されてたみたいで…暴行された、みたいで、その、……顔、わっ、わ、分からないんですッ。』
「いや、待ってくださいよ、はは、え?」
『体はッ…何とかなったけど、その、顔は、どうしても..ッ見せれな、いんです….』
棺は開いてても顔は花で見えないと思います。最後まですみません。
携帯を持つ手がガダガダ震えだして、空気を吸う事を忘れる。陸にいるはずなのに酸素が薄くなり呼吸が小刻みになる。
「あ、や、その、え?」
『お通夜はーー 』
時間と場所を話したあとぼんママは『すみません』と再度謝って通話を切った。
1番苦しくて悲しいはずなのに、最後までぼんさんの周りの仲間に気を使っている。なんて優しい人なんだ。だからあの人も優しいのか……
「……あ」
ボロっと涙がこぼれた、繋ぎっぱなしのPCからはすごい音がなっていて皆が暴れている事が分かる。社長でリーダーの俺がしっかりしなければと思えば思うほど頭がぐちゃぐちゃになった。
『うわぁぁあ!嘘だ!!ドッキリなんだろ!?なぁ!!冗談キツイって!!これは許されないドッキリだぞ!ドズルさん!!!』
MENがスピーカーが割れる程の声量で叫び、ガシャガシャと何かをばら撒く音がする。
「こっちが聞きたいよ……だ、だれか、ドッキリだって言ってよ、お願いだから」
この歳でこんなに大きな声で泣き喚いたのは初めてだった。
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コメント
9件
ぁぁぁ、…んん、…泣いた、… ぼんまま、……一番辛いのはぼんママのはずなのに… めんばーに気をつかってる、…ほんっとにやさしぃ……
ぁあ……ぁあ…やだぁ、やです、いやです… ぁああ…
あ、え、あ、あの、ですね…えっと…何から話せば良いのか…。と、とりあえず私の涙腺と心も大破されてまして…😭 そ、それとですね