神様はひどい。
差別的で残酷な身体を作ったのだから。
なんで異性と濃厚接触しなきゃ妊娠出来ない構造にしたのだろう。
好きな人だったら
誰とでも妊娠出来る構造にして欲しかった。
力の強さだってそう。
なんで片方しか強くしなかったの。
脳の思考回路も同じ。
性別なんて付けずに全て同じにすればこんなにも苦しくなることはなかったのに。
君と出会う前のぼくはそんなこと
思ったこと無かった。
君と出逢ってしまったから、
君を好きになってしまったから、
ぼくはおかしくなってしまったんだ。
義務教育が終わり、新しい制服に着替え、
散っていく桜を”可哀想だ”と思っていたあの頃、
ぼくにはこの世界がとても
馬鹿馬鹿しく見えていた。
勝ち組になりたいがため、
新たな恋人や友達を作ろうと必死な奴。
勝ち組だと勘違いしているやつは
”どれだけ自分が勝ち組なのか”と
必死に周りへ伝えていた。
先生は授業を真剣に教えていたが、
それを聞いている奴なんて一人もいなかった。
ぼくはそんな小さな世界を傍観していた。
そんなときに君が声を掛けてきた。
「君さ、みんなのこと見下してるでしょ。
分かるよ。あたしも同じ。」
ぼくは同じことを思っている奴がいることに
驚いた。
驚いて返す言葉が見つからず
落ち着きがなかったぼくを君は笑い、
「図星?まぁいいや。これあげる。」と言って
電話番号の書かれた付箋を
ぼくの手に貼ってきた。
「なんで、?」
ぼくはつい、聞いてしまった。
そんなぼくに君は、
「似ているから。」と言い去っていった。
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