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「あー
毎日毎日放課後暇だなー」
俺は、朝背伸びをして言った。
「おはよう」
希が教室へ入って来た。
そして。
「ごめん!
爽、本当にごめん!」
と物凄い勢いで謝った。
「良いよ
大丈夫
気にするな」
「私、あの後の記憶が全然ないんだよね」
希は、考え込んだ。
「じゅりあが、保健室まで連れて行ってくれたんだぜ
俺も付き添って
お礼、じゅりあにも言っとけよ」
俺は、遠くではしゃいでるじゅりあを眺めた。
「うん
結局あの後目が覚めたのは、家の和室だった」
「お前さ
何か隠してない?
隠してる事あるなら、俺に話せよ」
「何もないよ
昨日は、たまたま」
希は、心配させないととびっきりの笑顔を浮かべた。
「そうか?」
「うん!」
「だったら、良いんだけどよ」
それから、時間が経ってまた暇な放課後。
俺は、習い事もしてないし宿題は学校で終わらせてるし別に今はテスト前でもないからやる事がない。
「なぁ!
そーう!
ちょっと来い!」
じゅりあに呼ばれた。
「何だ?」
俺がじゅりあのところへ行くと、希も音羽も裕介も夢香もいた。
「皆揃ってどうしたんだ?」
「今日さ
皆何も予定入ってないらしくて、夢香も珍しく練習じゃないから
皆でゲームセンターに行こうって話になってんだけど、爽も行かないか?」
とじゅりあが説明してくれた。
「マジで!
行きたい!」
「オッケー!
行こ行こ!」
よっしゃー!
予定が出来た!
ゲームセンターへ到着。
「皆、気になったのがあったら言え!
挑戦してみよう!」
少しして。
「じゅりあー
私、これ欲しい!」
と夢香がじゅりあを呼んだ。
「どれだ?」
皆で見に行った。
「おー
これな!
前から欲しがってたやつ
よっしゃ!
次の試合に優勝してプロデビュー果たせる様に、お守りとして取ってやろう!」
プ、プロデビュー!?
俺は、耳を疑った。
「ありがとう!
じゅりあ!」
俺以外は、皆スルーした。
何で皆スルー出来るんだ?
「ちょっと、夢香!
プロデビューって、マジかよ!
俺、ちょっとお前の本気舐めてたかもー」
と俺は、声を上げた。
「あははは!
驚き過ぎ
長年の夢香だけに夢が叶う1歩手前だね!」
「凄いなー!」
そして、いよいよじゅりあは夢香が欲しいと言っているフィギアに挑む。
じゅりあの目の色が変わった。
「ちょっと皆後ろに下がって」
俺達は後ろへ下がった。
アームがどんどんフィギアに近付いていく。
「此処だ!」
じゅりあは、ボタンを押しアームを止めた。
アームが開き、フィギアを掴んだ。
ス、スゲー・・・
これは1回で取れるんじゃないか?
ガタン!
しかし、フィギアはその場に落ちてしまった。
「おしい!」×5
「なるほどなー
分かったぞ!
もうちょっと左にして、徐々手前にして落としていくパターンでやったら取れるな!」
おー!
分析してる!
「凄い!
じゅりあ!」
と希が言った。
「よし!」
じゅりあは、気合いを入れた。
再び挑戦!
さっきの言った通りに、アームが動いていく。
ウィーン。
少しフィギアが前にズレた。
「後、2回で取れるだろう!」
「本当に!」
音羽が驚いた。
「あぁ!」
全体の3回目で、宣言してからの1回目。
「いけ!」
フィギアが落ちるまで後数㎝!
もう少し!
そして。
ガシャン!
フィギアが落ちた!
「やったー!
取れたー!」
じゅりあは、飛び跳ねて喜んだ。
「ありがとう!
じゅりあ!
やっぱり、凄いよー!」
夢香は、じゅりあに抱き付いてお礼を言った。
「じゅりあ!
お前の実力は、スゲーよ!
その空間認知能力・言った事を有言実行させた!」
裕介も目を見開いて感心している。
「そんなに褒めるなよ〜
照れるだろう」
じゅりあは、顔を赤らめた。
「他の皆は、何か取って欲しい物あるか?」
「俺達は良いよ
じゅりあ、疲れたろ?」
俺がそう言うと、じゅりあは
「まぁ、ちょっとは疲れたかも」
と首を鳴らした。
すると、希がもじもじした様子で俺の袖を掴んだ。
「どうした?」
俺が聞くと
「私あの時計が欲しい・・・」
と希は、もごもご答えた。
「あー
あれか
お前、自分でやってみたら?」
「えー!
私がやったところで、失敗するのが目に見えてるよー」
希は、声を上げた。
「やってみないと分からないだろ」
「うん」
そして、希は時計に挑戦する事になった。
「よーし!」
希は、気合いを入れた。
ウィーン。
アームが動いて、時計のど真ん中少し奥で止まった。
「どうだ!」
時計は、持ち上がったが重さに耐えきれずすぐに落ちてしまった。
「これは、多分奥の方が重たいと思うから
奥を狙え!」
後ろからじゅりあがアドバイスをくれた。
「ありがとう!」
希は、しゅりあのアドバイスを兼ねて再挑戦!
「もっと!もっと!もっと!もっと!
ストップ!」
言われた通り、出来るだけ奥にした。
すると・・・
ガシャン!
何と取れた!!!
「わー!
凄ーい!
取れたよ!」
希は大喜び!
「ありがとう!
じゅりあ!
大切にするよ!」
希は、笑顔でじゅりあにお礼を言った。
「おぉ!」
「良かったね!
のんのん!」
音羽も嬉しそうだ。
「うん!」
こうして、俺達はゲームセンターを後にした。
その夜。
「晴翔!
弘樹!
剣聖!」
俺は、地元の親友に電話した。
『おー!
久しー!』(晴翔)
『元気?』(弘樹)
『そっちでの生活はどうだ?』(剣聖)
「おう!
久しぶり!
何だよ、久しー!って!」
『えへへ』(晴翔)
「元気だよ」
『良かったー』(弘樹)
「こっちでの生活は、もう目が回りそうだ
まだ慣れない
友達は出来たよ!
勿論、お前達の事は忘れてない!
でもなー」
『何だよ?』(剣聖)
「俺、彼女出来た!」
『!!!』✖️3
「ごめんよ〜
俺だけ抜け駆けしたみたいで
転校して最初に転校した時、スゲー可愛い女子がいたんだ
今度、そっちに彼女連れて行くよ!」
『羨ま〜
そんな事聞いたら、俺だって東京行きてーよ〜』
(晴翔)
『俺達も〜』
「お前達が手紙に書いたんだろ?
東京で可愛い彼女ゲットしろ!って
そうだな
また旅行にでも来いよ!」
『是非!』✖️3
「人酔いするかもな」
『かもな』(弘樹)
「あぁ
俺も未だに目眩する時ある」
『そうか
そろそろ切るか?
明日も学校だしな』(剣聖)
「そうだな
お休み」
やっぱり晴翔達との方が楽に話せる。
大介達に気を遣っている訳ではないけど、何かが彼らとは違う。
俺は東京で、あいつらは地元で離れていてもいつも近くにいる様な気がする。