ある雨が降る日。
「あー!この雨の中帰るのマジ嫌ー!」
授業が2時間までで終わったすぐ後、裕介が背伸びをしながら叫んだ。
確かに。
この嵐の様な雨の中帰れば100%風邪をひくだろう。
おまけに今日は希を除いて俺達5人とも傘を持って来ていない。
急に降って来たから準備不足だった。
「どうしようねー、この傘だけじゃ2人しか入れないよね」
希は困った顔をした。
「うーん
このままダッシュするか!」
俺は心に決めて言った。
「おう!」
「うん!」✖️2
「あっ
裕介は、希の傘に入れて貰って」
俺は急いで付け足した。
「誰かすぐ近くに家があれば雨宿りさせて欲しいんだけどなー」
夢香が走りながら言った。
皆家が狭いから無理だと申し訳なさそうにした。
その中で手を上げた人がいた。
「俺の家でも良ければ全然来て貰っても構わないぜ
皆がくつろげる広さは充分にある」
そう。
タワマン暮らしのじゅりあだ。
「マジ!
ちょー助かるんだけど!」
「マジだ!
雨がやむまでいろよ
ご飯もご馳走する」
わー!
パーティーだ!
「お前は神様か!
都合が良すぎだろ!」
俺達は興奮した。
「そんな大袈裟な!
大丈夫!」
こうして俺達はじゅりあのタワマンで雨宿りする事になった。
「お母さん!
雨凄いから、友達5人雨がやむまでいさせてあげても良いでしょ?
ご飯作ってあげて!」
最上階に着いて部屋のドアを開くなりじゅりあは叫んだ。
「まぁ!
良いわよ!
任せなさい!」
奥からお母さんが出て来て答えた。
「お邪魔しまーす」✖️5
俺達は、順番に靴を脱ぎ家の中へとあがった。
「こうこそ、我が家へ」
じゅりあはリビングへ来ると両手を広げて言った。
「何此処!
おしゃれ過ぎ!
全部屋和室の私の家とは全然違う!」
希は興奮した。
「そうか?
ありがとう!」
「そうだよ!」
音羽も同感した。
「ご飯出来るまで俺の部屋で何かしようぜ」
「あっ!
私爽に数学の問題聞きたい!」
「俺も!
希に現文の分からないところ聞きたい!」
俺・希が声を上げた。
「皆で考えよう!」
こうして、俺達はじゅりあの部屋で勉強を始めた。
しかし。
「あー!
駄目だ!
全然集中出来ない!」
全く手がつかなかった。
皆で勉強会と言うと緊張してしまい、おまけに目の前に好きな人がいると気になって希の方ばかり見てしまう。
学校では隣同士やってるけど、これは話が別だ。
「爽!
どうした?
手が止まってるぞ」
じゅりあに言われて我に返った。
「あぁ」
「ちょっと爽
ぼーっとしてるけど何かあった?」
希がこっちを見た。
お前が原因何だーーーー!
「いや、別に
やっぱり勉強辞めないか?
また学校で教えてくれよ」
俺は自分の勝手な都合で切り上げようとした。
「そうだね
楽しい事しよう」
音羽が賛成してくれた。
それから俺達はゲームを始めた。
しばらくして。
「じゅりあ!
ご飯出来たわよ!
皆連れていらっしゃい!」
お母さんの声が聞こえた。
「はーい!
行こうぜ!」
ゲームを途中で辞めリビングへ向かった。
「さぁ召し上がれ」
わーお!
スッゲー!
テーブルには様々な食材を使った豪華な料理が並んでいる。
「なぁじゅりあ!
何か豪華過ぎ!」
音羽は目を輝かせて喜んだ。
「そうか?」
「うん!」
こうして皆でワイワイ食べた。
「雨やんだな」
裕介は窓の外を眺めて呟いた。
「そうだな
良かった〜」
いつの間にか雨はやんでいて
「虹出てたのかな〜
見たかったな〜」
夢香が悔しがった。
「虹ってさ
2本かかると願いが叶うって言われてるんだって」
「へー!
凄いね!」
「いつか皆で見たいな」
「うん!」✖️5
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