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「死ね」
この言葉に何度苦しめられ、いつから苦しくなくなったか覚えていない。そんなの覚えきれない。
あの日、わくわくしていじめを止めた時、未来を考えればよかった。見なきゃよかった。後悔は僕を追うことをやめない。
苦しくって、死ねと言われるたび死ねたらどれほど楽か考える日々から抜け出すために、学校に行かなくなった。そんな僕を何も知らない母は
「頑張れ。」と声を掛け続けた。明日は学校に行けそうと僕が言った日も起きれない朝も、何回もその言葉を僕に言った。だけどその言葉も長くは続かなかった。
朝、いつものようにもう授業が始まっている時間に起きた。そしてリビングへ行った。母も父も僕が不登校なことを責めてはこない。ただ毎朝、優しく
「おはよう」と声をかけるだけ。家は共働きだが、2人とも家を出るのは遅い。そのかわり帰りも少々遅い。妹は、普通に学校に行っているのでこの時間はもういない。
「今日、山内先生がうちにいらっしゃるって。」
山内永太(ヤマウチエイタ)僕のクラスの担任だ。時折、僕のことを気にかけて家に来る。
「ちゃんと対応するのよ。」
母が言う。山内が来る時、僕は無理言って母に仕事に行ってもらう。いじめのことがバレるからだ。
「わかってる。」
適当に返事をしながら僕は自室に向かう。そろそろテストがあるから勉強しなくてはならない。テストの日は、学校に行ってテストを普通に受ける。だが、その日も当然のようにいじめに遭うので、テストが終わったら早退して即帰宅。そんな生活を2年続けてる。小学校はテスト受けなくてもよかったから楽なのに。
中学3年、今年受験生の僕、高橋依織(タカハシイオリ)はそんな中学への愚痴を頭で考えながらテスト勉強を始めた。