テラーノベル
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雲の道を進んだ先に、ついにその姿が現れた。 空にぽっかり浮かぶ島——それは、白く輝く雲の上に築かれた、不思議な浮遊の世界だった。
アクア「わぁ…!まるで夢の中みたい…!」
ミカ「島が…浮いてる!? どうやって!?」
エリン「これは“雲の根”と呼ばれる力じゃ。空の島は、風と雲の精霊たちの記憶で支えられておるのじゃよ」
島の入り口には、ふわふわの雲でできた門があり、そこに立っていたのは、透き通るような白い羽を持つ精霊だった。
???「ようこそ、空の島へ。私は“シラネ”。この島の記憶を守る者です」
アクア「記憶を…守る?」
シラネ「はい。この島には、空を旅した者たちの記憶が雲に宿っています。あなたたちも、何かを探しに来たのでしょう?」
ミカ「うん!ぼくたち、世界を見てみたくて、空を旅してるんだ!」
アクア「それに、ぼく自身のことも知りたい。どこから来て、どこへ行くのか…」
シラネ「ならば、“記憶の雲”へご案内しましょう」
島の奥へ進むと、そこには巨大な雲の湖が広がっていた。水ではなく、もくもくとした雲が静かに波打っている。
シラネ「この湖に触れると、過去の記憶が映し出されます。ただし、心が乱れていると、見えるものも歪んでしまうでしょう」
アクア「……ちょっとドキドキするけど、やってみる!」
アクアがそっと雲の湖に触れると、水面のように波紋が広がり、やがて映像が浮かび上がった。
そこに映っていたのは——
大きな滝の上から流れ落ちる、無数のしずくたち。その中に、アクアの姿があった。 でも、そのしずくたちは、何かに追われるように、急いで流れていた。
ミカ「これ…アクアの過去?」
エリン「ふむ…何かが起きたようじゃな。水の流れが、自然ではない」
アクア「ぼく、あのとき…何かから逃げてたのかな?」
シラネ「記憶はすべてを語りません。ただ、あなたが何を感じたかが大切なのです」
そのとき、湖の奥から、黒いもやのようなものが現れた。 それは、アクアの記憶の中に潜んでいた“影”だった。
???「……なぜ、目覚めた……?」
アクア「だ、誰!?」
シラネ「これは“忘却の影”。強い記憶の中に潜む、未解決の想いです。触れてはなりません!」
だが、影はアクアに向かってゆっくりと近づいてくる。
ミカ「アクア、逃げよう!」
アクア「……でも、ぼく、知りたいんだ。この影が何なのか」
エリン「無理をするでない!記憶は時に、心を壊すぞ!」
アクア「大丈夫。ぼく、ひとりじゃないから」
アクアはそっと手を伸ばし、影に触れた——
その瞬間、まばゆい光が湖からあふれ出し、影は霧のように消えていった。
シラネ「……あなたは、記憶を受け入れたのですね。恐れずに」
アクア「うん。まだ全部はわからないけど、ぼく、前に進みたい」
ミカ「アクア…かっこよかったよ!」
エリン「うむ。おぬし、少し大きくなったのう」
シラネ「あなたたちには、次の旅が待っています。“星の渓谷”へ向かいなさい。そこには、空と地をつなぐ秘密があるでしょう」
アクア「星の渓谷…!」
シラネ「この空の島の風を、あなたたちに託します。どうか、流れを止めぬように」
こうして3人は、空の島をあとにし、新たな目的地“星の渓谷”へと旅立った。 アクアの中には、かすかな記憶の光と、仲間たちの温もりが、しっかりと灯っていた——。
つづく
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