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空の島をあとにしたアクアたちは、風の流れに乗って、夜の空を滑るように進んでいた。 空はすっかり夕暮れに染まり、やがて星がひとつ、またひとつと瞬き始める。
ミカ「うわ〜、星がこんなに近くに見えるなんて…!」
アクア「まるで、星の海を泳いでるみたいだね…」
エリン「この先にある“星の渓谷”は、空と地の境にある場所。星の光が降り注ぎ、地の声が響く、不思議な谷じゃ」
やがて、雲の切れ間から、深くえぐれた谷が見えてきた。 谷の底には、青白く光る石が点々と散らばり、まるで星が地上に落ちてきたかのようだった。
アクア「ここが…星の渓谷…!」
ミカ「なんか…静かすぎて、ちょっとドキドキするね」
エリン「この谷には、“星の記録石”があるはずじゃ。それを見つければ、空と地をつなぐ秘密がわかるかもしれん」
谷に降り立った3人は、光る石をたどって歩き始めた。 空には流れ星が走り、谷の奥からは、かすかに音のようなものが聞こえてくる。
???「……また、旅人か」
声のする方を振り向くと、そこには、長いマントをまとった影のような存在が立っていた。 その手には、星のように輝く杖が握られている。
???「私は“ホシノエ”。星の記録を守る者だ。君たちは、なぜこの谷に来た?」
アクア「ぼく、自分の記憶を探してるんだ。そして、この世界の流れを知りたい」
ホシノエ「……ならば、星の記録石に触れるがよい。ただし、星の記録は“未来”を映す。覚悟はあるか?」
ミカ「未来…!? そんなの見たら、怖くなっちゃいそう…」
エリン「未来は定まっておらぬ。だが、知ることで選べる道もある」
アクア「ぼく、見てみたい。どんな未来が待ってるのか」
ホシノエは静かにうなずき、谷の中央にある大きな石へと案内した。 その石は、夜空の星と同じように瞬いていた。
アクアが手を触れると——
ぱあああっ!
光が広がり、空に映像が浮かび上がる。 そこには、広がる大地、枯れた川、そして空を覆う黒い雲が映っていた。
ミカ「な、なにこれ…!? 世界が…枯れてる…!」
エリン「これは…水の流れが止まった未来じゃ…!」
アクア「そんな…どうして…?」
ホシノエ「この未来は、もし“水の源”が閉ざされたままだった場合の姿。君が目覚めたのは、流れを取り戻すためだ」
アクア「水の源…?」
ホシノエ「君の記憶の奥にある場所。そこには、世界の水の始まりが眠っている。だが、今は封じられているのだ」
ミカ「じゃあ、そこに行けば…未来を変えられるの?」
ホシノエ「可能性はある。だが、そこへ行くには“地の門”を越えねばならぬ。試練はさらに厳しくなるだろう」
アクア「それでも、行くよ。ぼく、流れを止めたくない」
ホシノエ「……その決意、しかと受け取った。これを持っていきなさい」
ホシノエは、星の光を宿した小さな石をアクアに手渡した。
ホシノエ「それは“星の導き”。迷ったとき、君の心を照らすだろう」
アクア「ありがとう…!」
ミカ「よーし、次は“地の門”だね!」
エリン「ふむ、地の門はこの谷の底にある。行くぞ、若者たちよ」
こうしてアクアたちは、未来の影を胸に刻みながら、さらに深く、地の奥へと進んでいった。 水の源を目指して——世界の流れを取り戻すために。
つづく