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目を覚ますと、片腕を失ったナイト•クラウンは荷馬車の中で揺られていた。
ナイト•クラウンの腕は丁寧に止血されていた。
ナイト•クラウン顔を上げると….ロカの顔に良く似た青年がいた。
「ここは……その顔…….陛下ですか ぃ….?」
「よかった….よかった…..!!死んだのかと
思ったぞ…..!!!」
影武者と入れ替わっていたバルザード十三世は そうやって友ナイト•クラウンの顔を見て安堵していた。
ルークとの死闘を終えたナイト•クラウンは
バルザード十一世の衛兵に応急手当をしてもらった後、バルザード十一世の命によって
急いで王宮内から脱出し、王宮外にあらかじめ用意されていた馬によってバルザード十一世を乗せた馬車まで急いで運ばれたのだった。
激しい痛みの中、 ナイト•クラウンは昨日のルークとの会話を 思い出していた。
(『私の部下にバルザード十三世様の影武者がいる。君は王宮の脱出経路を見つけ出し、バルザード十三世様を逃がしてくれ。』)
ナイト•クラウンは女王ロカと解散した後、
王宮の脱出経路を探していた。
今までの 会話から脱出経路の目星はついて いた。
王宮でもっとも人が来ない場所、女王の寝室か、《聖域》、しかし女王ロカは寝室の近くに脱出経路があるような素振りはまるで見せなかった。
つまり、脱出経路は《聖域》のどこかである。
故にナイト•クラウンは 今朝の混乱に乗じてマカロンの調理室 《聖域》 に忍び込んだのであった。
時系列に表すとこうである。
•女王ロカがマカロンを抹殺する。
↓↓↓
•ロカがギャンビットを抹殺しにいく。
↓↓↓
•その間にナイト•クラウンが《聖域》に忍びこむ。
↓↓↓
•様々なブービートラップに何度も殺されそうになりながらやっとのことで薬草の保管
場所の裏にある緊急脱出用の経路を見つける。
↓↓↓
•琥珀のネックレスの効果で衛兵に王の広間に 隠れてる王を脱出させるように伝える。
↓↓↓
•ギャンビット軍とルーク軍の戦いに巻き込まれ何度も殺されそうになりながら王宮内をひたすら走り回ってやっとロカのところに つく。
とまぁこんな感じに、探偵騎士ナイト•クラウンは今日一日ずっと王宮内を駆け回っていた のであった。
【捕捉】
ルークのいう影武者とは拷問官キャッスリングのことであった。
ルークがキャッスリングを 影武者に選んだ理由は二つ。
一つは拷問官は 常に顔を隠して仕事してるため、ずっと顔を隠していてもバレないから。
もう一つはキャッスリングが顔と命を捨てられるほど忠誠心と愛国心に溢れる男だったからである。
【解説終了】
ひどく揺れる馬車の中で王としての身分を
捨て、憑き物が落ちたような顔をした
バルザードが言った。
「……すまない、ナイトクラウン。王宮の政治闘争に君を巻き込んでしまって。」
そう言いながらバルザードはひどく申し訳
なさそうな顔をした。
「いいんですよぉ、事件に巻き込まれるのは
探偵の本懐でさぁ。」
そういってナイト•クラウンはクックッと
笑った。
「はてさて……….しばらくは国外の辺境の山奥で丸太小屋生活でさぁねぇ。新しい名前も考えとかないと….バルザード殿、 サバイバルとかは平気ですかぃ?」
バルザードの友ナイト•クラウンは バルザードの肩に身を寄せはそういって
冗談めかした。
バルザードはきょとん、とした顔をした。
そしてしばらくして憑き物が落ちたかのような笑顔を見せてナイト•クラウンに言った。
「…….ハッ、あまり私をなめるなよ?私はあの過酷溢れる王宮でずっと長い間サバイバルしてたんだぞ。」
そういってナイト•クラウンの友バルザードはナイト•クラウンに肩を寄せて クックッと笑った。
バルザードがナイト•クラウンに
した願いはたったひとつ。
「私と、友になってくれないか?」
そして、バルザードのそんな願いなど
とっくのとうに叶っていたのだった。
《悪政のロカ 完》
【最後まで読んでくださりありがとうございました。】