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眠狂四郎
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9 優佳の会社・社長室
晴馬、社長室の扉を開けて、室内に入ってくる。
優佳、秘書の西波を脇に従え、晴馬と対峙する。
西波「あ、優佳社長~。役立たずの男が帰ってきましたよ〜!」
晴馬「優佳」
西波「社長に捨てられるとわかって、あわててますね。見苦し~」
晴馬「黙れ。秘書のお前には話しかけていない」
晴馬、優佳に近づく。
晴馬「優佳、なぜ離婚なんて……」
優佳「最近、社内であなたのひどい話ばかり聞くの。満足に業務もこなせず、クレームばかり生み出す。それがあなたの社内評価よ」
優佳、小馬鹿にするように鼻を鳴らす。
優佳「ちょっと考えてみたんだけど、今、私って社長として絶好調でしょ? そんな私のパートナーとして、晴馬はぜんぜんふさわしい相手じゃない」
晴馬「優佳が耳にした社内評価は不当なものだ。俺は貴崎家の婿として、きちんと役目を果たしている」
優佳「仕事ができないのに、何の役目を果たしてるっていうの? 今日だって、取引先からクレームが入ったって聞いたけど」
晴馬「待ってくれ。あのクレームの原因も課長で――」
西波「はぁ~、優佳社長。こんな男の言い訳を聞いても意味ないですよ。他人のせいにするとか、器が小さすぎて笑えます」
晴馬「話に割り込んでくるな」
西波、晴馬を無視。
西波「やっぱあんな男はさっさと捨てて〜、もっとスペック高い男を探しましょうよ。優佳社長なら、どんな男だって手に入りますって」
西波、優佳にスマホを見せる。
西波「このIT系の社長とかどうですか? この前、実業家がたくさん集まった飲み会でご挨拶したんですけど〜」
優佳「わ〜、カッコいいわね! んーでも、せっかくなら、もっとイケメンのほうがいいかな」
優佳、晴馬のほうを向く。
優佳「晴馬って顔だけはいいよね。そこはちょっと惜しいけど……それ以上に、私の足を引っ張る要素が多すぎて。あ、夫としてじゃなくて、観賞用の男として飼ってあげようか?」
優佳、鼻で笑う。
晴馬、顔をしかめ、冷静に反論する。
晴馬「優佳……俺は今までお前と、お前の会社に尽くしてきた。お前の知らないところで、事業が上手くいくようにと、俺の持つ全ての権力を使った。今、お前が社長としてやっていけているのは、俺の支援があったからだ」
優佳「そんな気持ち悪い妄想はやめて。あなたには何の力もない。現実を見てよ。あなたはただの平社員。そして誰からも尊敬されてない。底辺の男が『自分には力がある』って吠えてるの、どれだけ見苦しいか気づいて?」
晴馬「俺はまだお前を愛している。今なら引き返せるはずだ」
優佳、大げさにため息。
優佳「これ以上、みっともなく食い下がらないでよ。大物政治家のお祖父様の意向であなたと結婚したけど、こんなにダメな男だとは思わなかった。きっとお祖父様もあなたに騙されていたのね。そうに違いないわ」
西波「汚い手を使って、お祖父様を騙すとか気持ち悪いです〜。汚らしい小物は早く消えてくださ~い」
晴馬「お前ら……」
優佳「晴馬。もう一度、言ってあげる」
優佳、一拍置いてから、晴馬に宣告する。
優佳「今日であなたとは離婚する。私たちの夫婦生活は終わりよ」
コメント
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あおいです🌷 第6話、読み終えました。 社長室でのこの一連のやり取り、痛々しいほど空気がピリピリしてましたね。特に、晴馬が「俺はお前を愛している」と伝えた直後に、優佳が大げさにため息をついて完全に突き放す…あの温度差が胸に刺さりました。秘書・西波の軽い口調が憎々しくて、逆に晴馬の孤独を際立たせているなと。ここまで一方的に否定される展開、次が気になります。