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注意書きは1話目をどうぞ。
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s h a 視点
結局、あの後はゾムに連れ去られ激戦区へ来てしまった。
「なんで名も無きモブ一般兵がここへ……」
「名も無きではないやろ」
「いや、でも普通さ入って間もない新兵にそこへ行かせるか???」
「まあまあ」
「『まあまあ』?じゃねぇよ.ᐟ.ᐟ」
「ならお前なんで俺に敬語や無いねん」
「そこでもう『名も無き一般兵』ではないやろ」
「うっ……」
「でも俺にくらい拒否権はあるだろ.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ」
「ちょ、お前声大きっ」
「あ、やべ」
俺が声を張り上げた事で一斉に魔獣達がゾム達の方へとやってくる。
「今はあとや.ᐟ」
「拒否権の話忘れんなよ.ᐟ」
「おうよ.ᐟ」
「拒否権はないけどわかったわ.ᐟ.ᐟ」
「っておい.ᐟ.ᐟ」
「俺に拒否権くらいはあるだろぉぉぉ.ᐟ.ᐟ.ᐟ」
そうこう俺達は喋っているが……
普通に喋っているのではない。
そう、俺たちは……
魔獣の臓器やら何やらを抉り抜き、目玉をほじくり頭をかち割りながら喋っていたのだ。
「お前、名前なんて言うんや.ᐟ.ᐟ?」
「それ、今聞きますぅ.ᐟ.ᐟ?」
「おう.ᐟ大事な事やろ.ᐟ」
「普通お前から名前言わんか???」
グチャッグチャッ、と不快な音が鳴り響く。
「いや、お前知っとるやん」
「ほんまやわ」
「なんで聞いてん.ᐟ𐤔𐤔」
「しらんわ.ᐟ𐤔」
廻りは赤で染まっているのに、俺たちの回りには黄色い光が染めている。
実に不思議な感覚だ。
「ヴヴヴヴア゛ア゛ア゛──────」
凄まじい迫力と雄叫びが聞こえる。
これは……
「おいシャロン……」
「これは流石に……」
そう、その雄叫びの主は……
数千もの大型魔獣であった。
しかも、その中に最強級魔獣までいる。
この激戦区でW国軍幹部級まで匹敵する人間は二人。(その内一人は幹部と元幹部)
W国軍の幹部級となれば人間の兵で言うと数百人分の戦力にまで登るが、
今回、魔獣の数は数千頭。
つまり、圧倒的に不利な状況でもあるのだ。
「キャァァァァァっっ!!!!!」
「はっ、.ᐟ?」
「逃げ遅れとる人もおんのに…….ᐟ.ᐟ」
ここは……仕方ない。
俺の最強魔術を使うほか無いか……
そして、そのまま少女が魔獣によって引き裂かれた。
「あ、……」
「ゾム、ちょっと離れて」
「え、あ、ぁ」
「早く」
「お、おん……」
『忘却魔法──────』
『──────極』
すると、魔獣達が暖かい淡く光る黄色に優しく包まれ消えてゆく。
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z m 視点
あの少女が殺される所をみて胸が張り裂けそうだった。
助けられる所にいたはずなのに助けられなかった後悔と罪悪感に襲われる。
そんな深海に沈みかけていた時、
急に魔獣が消えていった。
見ているだけでも心地の良い黄色に。
そんな淡い黄色に『後悔』と『罪悪感』が薄れさせていく。
そこから、何処からともなく声が聞こえる。
『忘却魔法──────』
その声と一緒に俺の脳を不快な感覚が支配する。
まるで、紙の一部が燃えて消えていく様な感覚で、
「あ、うぁ……あ”……?」
……?
あれ、俺は今まで何を……
あ、せや……
この一般兵と一緒に激戦区に行って……戦って……?
なんか、違和感がある。
「ゾム.ᐟお前ボーっと突っ立ってんとはよ戦えやコラァ.ᐟ.ᐟ」
その声でふ、と我に帰る。
俺の目の前に魔獣が迫っていた。
ま、今はそんな事どうでもええか.ᐟ.ᐟ
「ははっ、.ᐟ」
この戦闘を殺し合いたい.ᐟ
グシャァァっと魔獣の顔面にナイフを突き刺す。
「あー、楽しっ.ᐟ.ᐟ」
魔獣を狩っている内につい先程まであった不快な感触が消えていた。
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s h a 視点
『忘却魔法、極』。
そう、その魔術は代々俺の家系に伝わる秘術で、
その秘術の内容とはなにか。
その秘術は『歴史』からその『存在』を忘れさせる……
つまりは、その『存在』を記した記憶から消滅させると言うことである。
その『存在』の記憶は消え、その『存在』に対する書物も消える。
まあ、言うなればその『存在』を決定付ける証拠を消すのと同義である。
今回は数千もの魔獣を消えさせた。
ここにいる魔獣だけだが。(種族ごと消滅させてはいない。)
やっぱり、『存在』を消すことも有り魔力消費、体力消費がえげつない。
この秘術は一つの『存在』を消すこともあってか、身体に多大なる負荷が掛かるのだ。
今回はゾムが居てくれて助かった……
今頃残った魔獣達をゾムが殺して回っている所だろう。
「シャロン?」
「あ、ゾム?」
「魔獣はある程度殺したけど……」
「大丈夫か?」
「めっちゃ汗吹き出てるし、」
けほっ、風音様な咳の音。
それに合わせて生暖かい液体が込み上げてくる。
その生暖かい液体を口から吐き出す。
ブシャッ、
「シャロン.ᐟ?」
「大丈夫か.ᐟ?」
「目もめっちゃ充血してるで……?」
ははは……久しぶりに使ったから反動がすごい……
ちょっと休憩を……
「ヴヴヴヴア゛ア゛ア゛──────」
最強級魔獣.ᐟ?
流石に最強級魔獣は消せなかったか……
はー、
けほっ、けほっ、と赤い液体が口から漏れ出る。
「いっちょ、やりますかー」
今の体で、どこまで出来るかなぁ……?
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▷▶︎▷nextいいね1000&5コメ
1000いいねは越えられないはず……
じゃ、閲覧、ありがとうございました🙏
がくっ、(死)
コメント
16件
休みの日の分も宿題あるのにこれ見てたら宿題やる時間がなくなってしまった……続き待ってます!
続き楽しみにしてます!!