入学してから2週間が過ぎた頃、
私たちはようやく学校に慣れてきた。
美羽 「おはよう」
由梨 「あ、おはよう」
菜乃佳 「おはよう」
桜 「おはよー」
高校になって、給食からお弁当に変わり、
食べる人も自由になった。
そこで、席が近かった私たちは、一緒に
食べるようになり自然と仲良くなった。
明後日、高校生活で最初のイベントが
ある。
それは、校外に出て活動を行う研修だ。
今は、授業で班活動の計画を立てている
最中である。
班員は男女合わせて8人。
席が近い私たちは、たまたま同じ班に
なることができた。
美羽 「研修、楽しみだね」
菜乃佳 「うんっ」
海斗 「自転車レンタルできるらしいよ」
由梨 「え、いいじゃん!」
桜 「お昼、ここのお店とかどう?」
美羽 「美味しそう」
莉久 「じゃあ、俺、計画表書こうか?」
桜 「ありがとう!助かるー」
莉久 「お店の名前教えて」
桜 「えっと───」
《キーンコーンカーンコーン》
学校が終わり、私たち4人は一緒に帰る。
美羽 「みんなって好きな人いる? 」
由梨が首を横に振る。
桜 「気になる人ならいるかも」
由梨 「え、誰?」
桜 「2組の鈴木くん」
由梨 「あ、あの人?」
桜 「わかる?」
菜乃佳 「私、見たことあるかも」
桜 「美羽は?」
美羽 「私は、最近 莉久くん気になってるんだよね」
由梨 「え!そうなの?」
桜 「莉久くん、かっこいいよね!」
美羽 「だよねっ」
美羽 「菜乃は気になる人とかいないの?」
菜乃佳 「んー、いないかな」
由梨 「菜乃の好きな人の話、今まで聞いたことないかも」
桜 「そうなの?」
家に帰って、ベッドに寝転がる。
菜乃佳 「好きな人か…」
─ 今まで考えたことなかったかも
私は、人生で1度も恋をしたことがない。
そんな私は、恋愛とは全く縁のないもの
だと思っていた。
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