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チュンチュン
「…ん~…もう朝か?」
布団の中で大きく伸びをする。カーテンの隙間から入り込んでくる日の光はとても眩しい。
コンコン
「お嬢様、失礼いたします。」
茶色く大きな扉から、爺やの声が聞こえる。
爺やは、わが白梨(はくり)家の古株執事であり、私の世話を担っている。
「爺や、今朝はアールグレイが飲みたいわ。お願いできる?」
「かしこまりました。お嬢様がお気に召している会社のアールグレイを用意させていただきますので、その間にお召しかえなされてはいかがですか?」
「ええ、そうするわ。本日の予定は?」
白いレースのブラウスに袖を通しながら爺やに今日の予定を聞く。
「本日は、午前9:00より英語のお勉強でございます。そしてそのあと、12:00から旦那様との会食をおこないまして、午後は明日の舞踏会に向けてドレス選びがございます。」
「そう…今日は予定が少ないのね。わかったわ。爺や、紅茶を。」
「はい、お嬢様。」
爺やから紅茶のカップを受け取り口をつけると、ほんのり甘い香りが漂った。
「やはり、爺やの入れた紅茶は格別だな。」
「恐れ入ります。」