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「女?」

「あれ?気づいてなかったのか?てっきり気づいてて何もいってこないのかと思ってたんだけど。」

キョトンとした顔をしている八左ヱ門はとても可愛らしい。

「あ、でもこの髪タカ丸さんは気づいてたんじゃないですか?」

八左ヱ門はそう言って髪に手を当ててひっぱった。するとボサボサの髪は取れて、サラサラで柔らかな銀髪があらわれた。

「‥‥‥うん。きずいていたよ。」

「やっぱり。流石に元髪結いの目は誤魔化せませんね。」

八左ヱ門はニコッと笑い、私達を見下ろす。

「今まで男装をして過ごしてたのか。」

立花先輩が八左ヱ門を見る。

「はい。バレないかと不安だったんですけど気づかれなかったので良かったです。」

「いつからだ。」

「んー。ちょくちょく男装はしてましたけど、長期間となると学園に入る前ですかね。城主様のご命令で。」

どんどん出てくる八左ヱ門の秘密。腹が立つ。ずっと自分たちを騙していた八左ヱ門にも、それに気づかなかった自分にも。

「おっ。やっとか。」

八左ヱ門のもとに一羽の鷹がとまった。

その足についている紙を取りよんだ八左ヱ門は、懐から焙烙火矢を取り出し、火をつけて上に高く投げた。

ドカーン!

「は?」

先輩も先生もポカンとして空を見上げる。

「お喋りは終わりです。」

八左ヱ門を見ると先程の作り笑みなどなく、冷たい瞳が私達を見下ろしていた。

「皆さんに来世で会えることを願っています。」

パチン!

八左ヱ門が指を鳴らすと、沢山の忍びがあらわれた。

「皆私が鍛えた忍びです。楽しんでくださいね。」

そういうと、八左ヱ門は私達に背中を向けた。

「待て!八左ヱ門!」

叫ぶ私の声も虚しく八左ヱ門は暗い森の中に消えていった。

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