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「分かった。そうだ、和華。私達の故郷の名は“天界”だ」
「天、界、」
和華は何故かこの言葉がとてもしっくりした気がしました。
「和華、私は祖国様、、、日本国様の元に居る。平和な世になれば迎えに来る」
愛姉さんはそう言ってふんわりと笑いました。
「風堂、この本、明日にでも和華に読んでやってくれ」
「分かりました。ですが、何故愛華さんはそんなに私達の事を信頼してるんですか?」
風堂さんは真剣な眼差しでそう聞きました。
「何、簡単な事さ。君達三人は鍵となるんだ。ただそれだけさ。和華の人生(物語)にとって大切な、ね」
後を向いていてどんな表情をしているか分からなかったけど、最後の方は少し、悲しそうな声でした。
「日帝様には私が祖国様の元へ帰ったと伝えてくれ。分かったな?三人」
「「「はい!」」」
三人は、息のそろった返事をしました。
愛華姉さんは三人の返事をしっかり聞いてからカランコロン、カランコロン、と下駄の音を鳴らしながら、船へ乗って日本国へ帰りました。
「パラオ様、パラオ様、起きて下さい」
和華はそう言いながらパラオ様の肩を揺すりました。
「ん~~、わかぁ?」
「はい、和華です。お家に帰りましょう」
「うん」
パラオ様はまだ眠そうな目を擦りながら起き上がりました。
「いやぁ、あのさ、その、和華の家は辞めようぜ」
乾いた笑いをしながら青木さんはそう言いました。