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#幽霊
凛道桜嵐 新
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#日常
がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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店長さんを連れて、千歳と駅前の公園まで行く。大きめの池の周りをぐるっと木々が取り囲んでいる公園だ。
千歳の嗅覚を頼りに木々の間を探すと、ぶっとい釘で木に打ち付けられた藁人形を発見した。釘には、指輪がはまっている。
店長さんが震えた声で言った。
「お、俺の指輪だ……」
俺は千歳に聞いた。
「縁のあるものを呪いに使うってやつ?」
『そうだな。よくあるやり方だけど、相当な術者が相当な霊力込めないとさっきみたいにならないぞ』
なるほど。
俺は藁人形を指さした。
「これ、外して調べてみても大丈夫かな?」
『お前ならたぶん平気だ』
「じゃあ、ちょっとやってみようか」
と言っても、藁人形は割としっかり打ち付けられている。打ち付けた釘を抜こうと四苦八苦しているとき、藁人形からポロッと白いものが落ちた。
「……骨?」
千歳が目を見開いた。
『……これだ!』
「え、そういう呪い?」
『呪いっていうか、あんな呪力出すのにとんでもない霊力いるんだけど、この骨がその源だ!』
「骨ってそんななの!?」
千歳はごくりとつばを飲み込み、言った。
『……人間のだと思う、すごく霊力が強い人間の』
「人骨!?」
そ、それだったらもう警察案件じゃない!?
指輪は、店長さんが警察に紛失届を出していたものだという。盗まれてた可能性が高いし、藁人形で呪うのは名誉毀損になると聞いたことがあるので、とりあえず警察呼んで、骨その他を調べてもらうことにした。
警察が来るのを待つ間に、金谷さんにも状況を連絡したところ「警察には、藁人形とその内容物については上島羅漢の案件と伝えてください」と言われた。上島羅漢って人がこの辺の地域の心霊担当なのかな?
千歳が藁人形を調べたところによると、仏教系の人が書いた術式に骨の霊力が乗って呪いを発動するものだそうだ。
『この藁人形と、呪いたい相手に縁のあるものがあれば、誰でも呪えちゃうな』
俺は、ふと思い出した。ネットでのネタ話。Amazonやメルカリやヤフオクで、藁人形がたくさん売られている、そんなに呪いの需要があるのか、という話。
俺は千歳に聞いた。
「……ねえ、藁人形作った人と、この呪いやった人、別だったりしない?」
『ああ、有り得るな、それ』
「……こういう藁人形、売るような人いる?」
『まともなやつならやらないけど……』
「あの、この出てきた骨の霊力ってどれくらい? 探してる魂10体の霊力くらい?」
そう言うと、千歳も流石に感づいたらしい。
『……!? え、和束みやび!?』
「少なくとも、まともな人ではないよね、それにものすごく霊力ある人の骨って、そんなに流通してるもの?」
『死んだ子の骨……!?』
話してる間に、警察の人が来た。上島羅漢さんの案件です、と伝えて藁人形を見せると了解してもらえ、警官はどこかに電話をかけだした。
「あ、はい、羅漢さんの案件とのことで……はい、そうです。はい。ああ、変わります」
警官が俺達を見て「すいません、羅漢さんが二人と少し話したいとのことで」とスピーカーにしたスマホを渡してきたので、とりあえず俺が出た。
「こんにちは、和泉豊と申します」
スマホからは、まだ若い男性の声がした。
「金谷千歳さんもご一緒ですか!?」
「はい、その、お騒がせしております」
「あの、以前母がお節介を焼いたようで……私、上島ミツの息子です」
「え!?」
千歳がスマホに聞いた。
『あんたは野良じゃないのか?』
「まあ諸事情で、組織に属しています」
変なとこで縁が繋がるもんだな。
ひとまず、和束みやびとの関連が疑われる案件だと俺は話した。上島羅漢さんは言った。
「呪った人がどこから手に入れたかですね、あと監察医の人も骨から情報拾えるかもしれません」
そういうことで、藁人形は警察が回収することになった。店長さんと俺達も事情を聞くということで警察署に一度連れてかれることになった。何も悪いことしてないのに、パトカーに乗る羽目になるとは。
警察署で、俺と千歳は改めて身元確認をされ、ここに至るまでの事情を確認された。霊的なことが絡む事象も、「とりあえず聞きます」とちゃんと調書に書かれた。俺は、不思議に思って警察の人に聞いた。
「あの、あんまり科学的じゃないこと言ってますけど、警察ってそれでもいいんですか?」
「地域にもよりますけど……今回は一応、物証がありますので……藁人形の中の骨が人骨なら、事件性ありとみなします」
なるほど……。
警察署に留め置かれてる間、俺は新幹線の予約が迫っているのが気がかりだった。そのことを警官に申し出ると「羅漢さんが来るまで待ってください」と言われてしまった。早く来てくれ、羅漢さん!
やっと来た上島羅漢さんは、まだ20代くらいの男性で、あの険しい顔のおばあさんの息子とは思えないくらい、人の良さそうな顔だった。
「申し訳ありません、遅くなりまして」
羅漢さんが警察に「この人たちの身元は保証するので、いったん帰ってもらって大丈夫です」と言ったことにより、俺たちはやっと解放された。
警察署を出て、千歳は大きくため息をついた。
『ワシ、疲れちゃった……』
「力使ったもんね、新幹線乗ったら寝な」
『うん……』
千歳が疲れてるので、駅まで歩かずタクシーを拾った。なんとか駅について新幹線に乗り込むと、千歳はふにゃふにゃになって寝てしまった。
俺は、当初の予定では新幹線で仕事を進めることにしていたが、別のことをやろうと思った。
メルカリとヤフオクで売られている、藁人形調査。
コメント
1件
このエピソード、めっちゃ面白かったわ!藁人形に人骨って…もう完全に警察案件でしょ!しかもその骨がめっちゃ霊力の強い人間のものって、和束みやびの子供の骨じゃないかって千歳が気づくシーン、鳥肌立った。豊くんがネットで売られてる藁人形の話を思い出して「犯人が別かも」って推理するの、鋭すぎるよ。上島羅漢さんが出てきて繋がりができたのも熱いし、最後にメルカリとヤフオクで藁人形調査し始めるところで終わったから、続きが気になって仕方ない🔥