テラーノベル
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(岩本視点)
「……ただいま」
「おかえり〜、雨大丈夫だった?………あら?」
「……あはは…」
玄関の扉を開けてすぐに母さんと顔を合わせた。
びしょびしょの俺と深澤。
深澤に関しては浴衣で裸足だもんな。
それに、母さんは深澤と初めましてだからな…
口に手を当てたまま固まってる。
「ごめん、卵は買ってこれなかったんだけど…」
一応、買って帰るはずだった卵を買ってこなかったことも謝っておく。
母さんは俺と深澤を何回か見て、優しく笑いながらゆっくり俺らのとこに近づいてくる。
「外、寒かったでしょう?お風呂沸いてあるから、早く入って来なさい」
「……ぇ…?」
深澤が不安そうな声で顔を上げる。
母さん、急なことで驚いてるはずなのに…
「ありがと、深澤、行こう」
「……ぅん…」
今は身体を温めるのが優先だから。
「………岩本…」
「ん?」
浴室に向かってる最中、深澤に服の裾を握られる。
どうしたのかと思って、俯いてる深澤の顔を覗き込む。
「…岩本も、岩本の母さんも…すごい、優しいんだね…」
そう、なのかな?
俺も母さんも、正義感が強いんだよな。
困ってる人は放って置けない性格してるし、俺が深澤を連れて来たのも、母さんが真っ先に風呂に入るように促したのも、当たり前のことだと思ってやってるだけなんだ。
「ほら、早く入ってきな。風邪引くぞ」
「……ま、待って…!」
「……え?」
ちょっと強めの力で腕を引っ張られる。
「……その、さ…あの…」
「ん?」
「…1人に、なりたくないから……一緒に来て…」
「……え?」
一緒に?
一緒にって言ったのか?
風呂だよ?
風呂に高校生2人で入るって言ってんの?
「そ、それに!!岩本も、濡れてるから…風邪、引いちゃうでしょ…?」
「いや、俺は体強いから…」
「お願い……一緒にいて…」
「………っ…」
上目遣いは、ずるいじゃん…
「……分かった。でも、風呂には入れないよ」
「…ぅ…」
「でも、ここで待ってるから、ね?」
「………ほんと…?」
「うん、本当」
安心させるように、雨で濡れた前髪を分けるように撫でてやる。
「…ドア、開けといていい?」
「脱衣所がまずいことになるぞ」
「……はは…冗談」
……笑ってくれた…
(深澤視点)
湯船に浸かる。
やっと、安心して呼吸ができる。
さっきまで、あんなに寒かったのにな…
ここは、こんなに安心できる。
「…….岩本、いる…?」
「いるよ」
浴室のドア越しに、岩本のくぐもった声が聞こえる。
ちゃんと、いてくれる…
「………ありがとう…」
小さく呟く。
なんか、目元熱くなって来ちゃったや……
俺、これからどうすればいいんだろう…
もう、家には帰りたくない。
でも、行く場所もない…
ずっと岩本の家にいるわけにもいかないのに……
お風呂から上がったら、岩本の部屋に行くように促された。
岩本の母さんは、卵を買いに行ったらしい。
雨も、ちょっとずつおさまってきたみたい。
「……」
岩本の部屋……落ち着くな…
すごい、優しくて温かい。
服まで貸してもらっちゃった。
……おっきいなぁ…俺にはブカブカだよ、わら
柔軟剤の匂いなのかな…?
すごい、甘い匂い…
「深澤」
「……っ…!///」
び、びっくりした…!!
想像以上に早く上がってきちゃった…!
匂い嗅いでるとこ、見られてないよね…!?///
「寒くない?」
「うん、大丈夫だよ…」
岩本は優しいから、俺にパーカーをかけてくれる。
温かい……全部、温かいな…
「岩本、俺……これからどうしよう…」
俺、どうすればいいのかがわかんないよ…
「…これから、か…」
岩本にも、一緒に考えてくれるみたい。
「……あのさ…」
「うん?」
岩本が、何か言いたげに俺のことを見てる。
「俺、一人暮らしについて考えてるんだ」
「え?」
一人暮らし……?
「前々から考えてたんだけどね……それでなんだけどさ、ルームシェアとか、どう?」
ルームシェア……?
岩本、今ルームシェアって…
「……へ、?///」
それって、一緒に住むってこと、だよね…?
「夏休みが終わってからってことで考えてたから、準備とかは割と終わってて…」
「へ?へ!?///」
そんなに早く…?
え?もう、準備とかも終わってて…?
用意周到すぎるだろ…!!
「もちろん選ぶのは深澤なんだけどね」
「したい!!ルームシェア、した、い……」
勢いよく言ってしまった…
でも、帰る場所もないし、岩本と一緒にいたら安心するし…
でもでも…俺が一緒にいて、岩本は迷惑にならないのかな…
「よかった……俺、正直1人じゃ心細いかなって思ってたから、深澤と一緒なら安心できそう」
「え?」
俺と一緒だと、安心……?
嘘かとも思うけど、岩本が笑う時って大体マジの時だし…
「………本当にいいの…?」
「嫌だったら最初から誘ってないよ」
「…っ…」
本当に、いいんだ…
本当に
「俺が、岩本と一緒にいていいの…?」
「もちろん」
岩本が、笑顔のまま肯定してくれる。
「俺、家事とか全然できないよ?」
「そこは俺に任せてよ」
「生活リズムだって、かなり不健康だよ?」
「俺が直すよ」
「虫とか出ても、俺なんもできないよ」
「それは…俺も自信ないけど、大丈夫だと思う」
「……そっか…」
本当に、いいんだ…
「……ふ、不束者ですが、よろしく、お願いします…」
「いひっ、何それ?すごい改まってるじゃん」
「だ、だって……!///」
確かに、なんか挨拶が婿入り前のお嫁さんみたいになってるけど!!///
実質、そういうことみたいじゃん……
「こちらこそ、よろしくお願いします」
岩本も、礼儀正しく頭を下げる。
どこまでしっかりしてるんだこいつは…
あ……そうだ…
い、いや…でも、それはなんか恥ずかしいか?
でも、これから一緒に住むんだったらやっぱり……
「…深澤?どうかした?」
「い、いやぁ……その…」
言うか?今ここで言うか!?///
言うよ!もう言っちゃう!!
「その……深澤呼び、あんま好きじゃなくて……やっぱり、その、父さんと一緒だ、し」
だめだ、全くストレートに言えない。
ただなんか愛称とかで呼んでほしいって言うだけなのに!!!
ま、まぁ…間違ってはないし…
佐久間たちにふっかって呼ぶように言ってるのも、そう言う理由からだしな。
「……」
岩本は目を丸くして固まってる。
え?もしかして、困らせた?
「佐久間先輩たちも呼んでるふっかでいいの?」
「…!!」
思いっきり首を縦に振る。
岩本に、初めて呼ばれた……!!
やばい、胸がドキドキしてきた…!///
「じゃあさ、ふっかも俺のこと名前で呼んでよ」
「……….え?」
お、俺も……!?
確かに、ちょっとだけ小さく呼んでみたけど、本人の前で…?
ちょっと、ハードル高いんじゃない…?
でも、岩本は俺のことふっかって呼んでくれたんだよ?
それに、たかが名前呼ぶだけだよ?
たかが名前…照…ひかるっていうだけ。
たったの三文字、たったの三文字を口にするだけ……
「ひ、かる……///」
「うん」
何その反応…!!
すごい嬉しそうにするじゃん!!///
「まぁ!ルームシェア!!」
次の日の岩本家・リビング。
岩本と深澤は隣で、その対面には岩本の母親が座っていた。
一応母親にもルームシェアの話をしとこうということだ。
岩本自身、深澤のことは友達とだけ伝えて話を進めている。
母親も、昨晩の出来事を無理に聞こうとせずに話を聞いている。
「まさか、照にもルームシェアできる友達がいたなんてね〜」
「友達くらい俺にもいるし」
「家に連れてきたのは大介くんと亮平くんだけだったものね」
「……」
岩本と母親の会話を聞きながら、深澤は改めて岩本は友達が少ないことを感じていた。
(俺が言えることではないんだろうけど、照って佐久間と阿部ちゃんしか友達いないんだ…)
2人の会話を聞きながら、深澤はほっこりした気持ちになる。
深澤も、友達と言えるのは佐久間、渡辺、宮舘、阿部、向井の5人しかいないというのに…
「照と辰哉くんが同意した上でのルームシェアだものね。私は大賛成よ」
母親が笑顔のまま続ける。
「もし困ったときは、すぐに私に相談するのよ」
「母さん……ありがとう」
「ありがとう、ございます……!」
深澤は勢いよく頭を下げる。
その様子に母親は笑う。
「そんな畏まらなくていいのよ」
「……っ…」
(温かいな……)
母親の笑顔をみながら、深澤はそんなことを思う。
深澤にとって、岩本の家庭は自分からかけ離れているもので、とても温かかった。
(岩本視点)
「本当に入っていいの?」
「うん、一緒に来てほしいの」
深澤……ふっかと一緒に家に来た。
これからルームシェアするにあたって、ふっかも自分の荷物とかを取りにいかないといけないわけだし、家に帰るしかなかったんだけど…
俺も一緒に来てほしいって言われちゃったんだよな。
ふっかの家なんて初めて来たし、父親がいたとしても俺が守るつもりではいるけど、なんか緊張するな。
「……今は、いないみたい」
先に玄関に入ったふっかが父親がいないことを確認した。
「じゃあ、早めに荷物まとめちゃおうか」
「うん」
ふっかが言うには、父親は大抵家を空けてるらしい。
家にいるのは夜中だったり、二日酔いで寝てる時だったりで、午前中はほとんどいないみたい。
でも、もしものことを考えて早めにやることは終わらせよう。
「本当にそれだけでいいの?」
「うん。家電とかもほとんどそろえてあるんだもんね」
「それはそうなんだけど…」
ふっかの荷物は、衣服と勉強用具とゲーム機…….
ゲーム機だけは多いな…
そういえばこいつ、とんでもなくゲーム好きだったな。
「まぁ、ふっかがいいんだったらいいけど」
「ふっふん!」
俺がゲーム機について何も言わないことに満足げにふっかが笑う。
はぁ……俺、甘やかしすぎなのかな?
…こいつの笑顔が見れるならいいか。
これからのルームシェアで、ふっかの笑顔をたくさん見れたらいいな。
俺が、ふっかのことを笑わせてみせるからね。
これから、一緒に頑張ろう。
三文小説
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#Snow Man
桃紫 さく🌸
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コメント
7件
💜が今までに比べると、本当に素出してるんだなぁって感じがするし、あの不思議な時から今までのギャップがほんとにすきで!🤦♀️💗 まさかの💛から同棲のお誘いがくるなんて嬉しい展開すぎる。 ずっと照れてる二人がほんとうにうぶうぶでかわいくて!! これからどうなっていくのか楽しみすぎてます.....🥹
同棲宣言来た…ぁああ 💜が可愛すぎますわ…好きです 全開の「冷え」と「温もり」で対比になってんのいいっすね!! ほんとに尊敬してます…✨️ あの、よろしければ 仲良くしませんかっ、👉👈
とりま…安心…かな(*´ω`*)💛💜