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「龍聖君のこと……信じたい」
「うん、信じて。今までたくさんの人を幸せな気持ちにしてきたんだから、今度は琴音自身が幸せになる番だよ」
「そんなことない。たくさんの人を幸せにしたのは碧と龍聖君だよ。2人のおかげでみんなが楽しい学生生活を送らせてもらえた。碧だって……絶対に幸せになるべきだよ」
「琴音も俺も……みんな幸せじゃなきゃ、学生時代の思い出さえも悲しくなってしまうよな。俺、もう黙るのは止める。琴音も、龍聖も、頑張って前を向こうとしてるなら……」
急に、心の中に熱いものがたぎった。
「希望」とか「勇気」とか、まるで桜の花が満開になったみたいな明るいイメージが湧き上がってくる。
「碧?」
「絵麻に、お前と龍聖のことをもう一度話して、ちゃんと納得させる。結婚したあいつらのことは忘れろって。これからは、俺が……あいつを守る」
ずっと好きだった――
絵麻がどれだけわがままを言っても、可愛いって思ってた。
俺にとっては、誰よりも愛しい人。
可哀想だけど、俺の大切な人の龍聖への想いは……絶対に届かない。高校時代からそれは決まってたことで、だから俺はずっと絵麻を見守っていようと決めた。
気持ちをストレートに出し過ぎる絵麻は、誤解されやすい。
だけど、本当はすごくいいやつで。
まるでストーカーみたいだけど、ずっとあいつのこと見てたから、きっと付き合ってた男達よりたくさん絵麻の良いところを知ってる。
校庭にいた猫に、自分の頬を当てながらムギュって抱きしめてるとことか、すごく可愛かった。テスト勉強用のノートを、頼んでもないのにサッと貸してくれたりとか。売店のパン、最後の1個、譲ってくれたりとか。
振り返った時に思いっきり微笑む顔が、ズルいくらいに眩しかったりとか――
そういうとこ全部……
俺は大好きだったんだ。