緊急会議が終わった後、シオリ(白髪ロングの獣人《ネコ》)がやってきた。
「シオリ、どうしたんだ?」
「ナオ兄、約束覚えてる?」
「約束?」
ナオト(『第二形態』になった副作用で身長が百三十センチになってしまった主人公)はシオリと約束というワードで脳内検索をした。
その結果、シオリととある約束をしていたことが判明した。
「ああ、覚えてるぞ。それで俺と何をしたいんだ?」
「えっとね、昼まで一緒に寝てほしいの」
「え? そんなのでいいのか?」
「うん、いいよ。何? 不満なの?」
「いや、別にそんなことはないけど。もっと過激なことされるのかと思って」
彼女は首を傾《かし》げる。
「そんなことしたらナオ兄壊れちゃうよ。体じゃなくて心が」
「あー、そうだな。俺の体はほぼ人間じゃないけど心は人間のままだからな」
「ナオ兄」
「ん? なんだ?」
「ナオ兄はナオ兄のままでいてね」
「え? あ、ああ、分かった」
今のはいったい何だったんだ?
まさか今のって死亡フラグか?
「ナオ兄、行こう」
「お、おう」
彼女の小さな手が俺の手を握る。
なんとなく嫌な予感がする。
俺に予知能力なんてない。
けど、なんとなく良くないことが起こりそうで怖い。
「ナオ兄」
「な、なんだ?」
「私はどんなことがあってもナオ兄の味方だよ」
「お、おう」
彼女と一緒に寝室まで歩く。
彼女と一緒に布団に潜《もぐ》ると彼女は俺を抱き枕にした。
苦しくはなかったが少し照れ臭かった。
意外と慣れないものだな。
女の子に抱きしめられるとなぜかドキドキしてしまう。
まあ、別に慣れる必要はないな。
慣れてしまったら楽しみが一つ減りそうだから。
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